院内集会「夏の参院選で脱原発を争点に」 2013.5.28

記事公開日:2013.5.28取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年5月28日(火)14時30分から、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で、「院内集会『夏の参院選で脱原発を争点に』」が開かれた。集会では、東京電力福島第一原発事故から2年目の3月11日、脱原発基本法案が参議院に再提出されたことを受け、今後、この法案の賛否について、参院選の各候補者に回答を求めていく方針が語られた。

■ハイライト

  • 出席者 河合弘之氏(弁護士)、木村結氏(脱原発・東電株主運動世話人)、鎌田慧氏(ルポライター)、海渡雄一氏(弁護士)、只野靖氏(弁護士)、真下俊樹氏(阻止ネット)、ゼロノミクマ(原発ゼロノミクス、緑茶会)

 はじめに、河合弘之氏は「原子力基本法の中に、国策として、原発を推進していく方針が制定されている。こんな状況では、脱原発に向けた政策論議や世論が盛り上がっても、また元に戻ってしまうし、現にそうなっている。国策として、脱原発を宣言することが必要だと考えている」と述べ、脱原発法の意義を説明した。

 また、脱原発をするべきである、という国民の世論が高まっているにもかかわらず、昨年の政権交代によって、未だに脱原発法が討議されていない状況に対して、河合氏は「原発の過酷事故が起きた場合、TPPや増税問題をはじめとする、すべての争点が覆るだけでなく、日本が崩壊してしまう可能性がある。この大問題が、国会で議論されていないことに怒りを感じている。脱原発法に賛成するのか、反対するのか。あるいは誤摩化すのか。原発に対する姿勢をはっきりさせてから、候補者は選挙に臨むべきだ」と話した。

 只野靖氏は「ここ数年間の政治不信の根源は、『やる』と宣言したにもかかわらず、いつまでたっても実行に移さない政治にある」とし、脱原発法についての賛否を求める問いに対して、無回答を続ける自公政権の姿勢を問題視した。

 鎌田慧氏は、反原発運動の特徴が、市民主導にあるとする一方で、その運動の受け皿となる政党がまだ存在していない点を指摘し、「現在は、この問題を政治化していく産みの苦しみが、模索されている歯がゆい時代だと思う。参院選で、自公政権が過半数を握った場合には、改憲と原発の問題が同時に進行し、核武装の可能性も出てくる。もう一度、政府を追いつめるチャンスを狙うためにも、脱原発運動を粘り強く続けていくことが必要である」と述べた。

 緑茶会(脱原発政治連盟)からは、脱原発を訴えるゼロノミクスキャンペーンのマスコットキャラ、ゼロノミクマが登場し、若い人に対しても原発リスクを訴えていく方針を示して、キャンペーンの概要を説明した。阻止ネットからは、真下俊樹氏が参院選に向けての脱原発運動の取り組みを報告した。民主党衆議院議員の菅直人氏は、原発反対運動と共に将来の明るい展望を提示する必要性を語った。

 最後に、木村結氏は「民主主義は、民衆は賢いということを前提にした制度である。現在の安倍政権は、民衆をだまし、徐々に国の仕組みを変えていこうとする過渡期にあると思う。民主主義を根付かせるには、市民が賢くなって、選挙に行くようにならないといけない。その先に、脱原発がある」と話した。

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です