5月10日(金)、経産省テントひろばのスタッフ1名が逮捕、拘留されるという事態が発生した。本日13日、テントひろば代表の一人である渕上太郎氏らが、これを不当逮捕とし、茂木経産大臣に対する緊急申入れを行った。
逮捕劇の発端は、テントひろばのスタッフBさん(以下、Bさん)に対し、経産省警備担当者がビデオカメラで執拗に撮影したことが原因だという。
テントひろばスタッフは、当時現場に居合わせた復数の人間から状況を聞き取り、事実確認したものを文書にまとめ、茂木大臣宛に要請書として提出した。
以下、逮捕劇に至った経緯の概要である。
10日の15時30分頃、テントひろばの脇に設置された防犯カメラの台座に腰かけていたBさんに対し、経産省職員とビデオカメラを持った警備担当者が、「腰掛けないように」と注意。Bさんは即座に応じたが、警備担当者は、Bさんの顔にビデオカメラを数センチという至近距離に近づけ、撮影を続けた。
執拗な撮影を続ける警備担当者に対しBさんは、そのような行為を辞めるように求めたが、職員らは「上司からの命令でやっている」と回答するのみ。せめぎ合いが続く中で、経産省職員が「暴力だ!」と叫び出し、別の職員が警察に連絡。結果、丸の内署、警視庁本庁から総勢50名の警察や機動隊が駆けつけた。
現場にいた刑事は、Bさんに事情聴取を求めた。Bさんは、何の疑いもなく丸の内署に同行した。結果、暴行と器物損壊の容疑で逮捕、となった。現在も接見禁止つきで丸の内署に拘留されている。
これが、経産省前テントひろばとして確認した当時の事実経過である。
13日の申入れではこの一連の状況を文書にまとめ、茂木経産大臣宛に要請書としてを提出。抗議、要請したのは以下、2点。
1)Bさんの行為は暴行と呼べるものとは程遠く、Bさんに対する「暴行と器物破損」の訴えを取り下げること。2)テントひろば脇に設置してある監視カメラの映像を、テントひろば側の弁護士に開示すること。映像には逮捕の様子が映っており、経産省は丸の内警察署に証拠として提出済だ。
申入れに応対した経産省職員2名は、これに対し、具体的な回答は示さなかったという。
任意の事情聴取の要請に応じて出頭した市民を逮捕・拘留した上、接見禁止つきで、10日間の拘留を認めたことは、手続き的にも大いに問題があると考え、テントひろばは、Bさんの逮捕・拘留に対し断固抗議をし、即時の釈放を求めている。
経産省テントひろばが設置されてこの日で611日目。逮捕劇が起きたのは過去、初めてのことだ。5月23日からは、土地明け渡し訴訟の第一回高等弁論が始まる。裁判直前に逮捕者が出た事実が、社会に与えるマイナスダメージは小さくはない。16日からは、訴訟の取り下げを求める不退転の意志と、脱原発を願う市民との連帯を表明するため、テントひろば前ではハンガーストライキが行われる予定だ。
経産省を始めとした、政府権力側の不当な弾圧を断固とし撥ね退けましょう。
この不当逮捕は、霞ヶ関のど真ん中に設置された『脱原発テント』に対する、政府の、苛立ち、焦りの現れです。なに一つ怯む事なく、正々堂々と市民の声を挙げ続ける『脱原発テント』を守りつつ、一日も早くBさんを、取り戻しましょう。