2024年9月13日午前10時50分頃より、東京都千代田区の経済産業省にて、齋藤健経済産業大臣の閣議後記者会見が行われた。
冒頭、齋藤大臣からの発言はなく、そのまま各社記者との質疑応答となった。
各社記者からは、「大阪・関西万博」、「自民党総裁選」、および「日本製鉄によるUSスチール買収」について、質問があった。
IWJ記者は、岸田政権の「原発回帰」政策と、現在行われている自民党総裁選後に成立する新政権の原発政策について、以下の通り質問した。
IWJ記者「岸田政権は、脱炭素社会を目指すGX(グリーン・トランスフォーメーション)を口実として、いとも簡単に原発回帰へとかじを切り、2024年6月26日には福井県の老朽化した関西電力大飯原発3・4号機の運転期間を40年まで延長する長期施設管理計画が認可されました。
ご存知の通りウクライナ紛争においては、ロシアが確保したザポリージャ原子力発電所に対し、ウクライナ軍が砲撃し、戦時に原発が容易に攻撃の対象になり得ることが明らかになりました。
狭い国土に原発を54基も抱えている日本は、それだけでたくさんのミサイルの標的を抱えていることになり、正にセルフ核自動自爆装置と言える様相です。
極東情勢につきましても、政府のウクライナへの過剰な肩入れによって、ロシアに敵対視され、極東で事実上、中国、北朝鮮、ロシアと向きあわなければならなくなっており、日本国民の命と安全に対するリスクはかなり高くなっています。
齋藤大臣は、今般の自民党総裁選により、成立することになる新政権においても、岸田政権の原発政策が継続されるとお考えでしょうか。
また、齋藤大臣は、原発のリスクについてどのように評価されているのでしょうか。
ご教示、お願いします」。
この質問に対し、齋藤大臣は、以下の通り答弁した。
齋藤大臣「まず、次の政権においての政策方針につきまして、私からコメントすることは不可能でありますので、ご容赦いただきたいと思います。
その上で申し上げますと、政府としては、原子力は、再エネとともに脱炭素電源として重要であると考えておりまして、安定供給の観点からも、安全性の確保、これはもちろん大前提でありますが、安全性の確保を大前提に、活用を進めていく方針であります。
将来にわたりまして、エネルギー安定供給と脱炭素、これを両立していく上では、こうした課題に対する対応の大きな方向性につきましては、総理総裁が誰であれ、変わらないのではないかな、とは思っております。
ご指摘の我が国に対する武力攻撃が発生するような事態につきましては、これはもはや原子力施設の問題ではなくて、我が国自身の防衛の問題になってまいります。
原子力施設へのミサイルによる武力攻撃に対しましては、イージス艦やPAC3により対応をするほか、事態対処法や国民保護法等の枠組みのもとで、原子力施設の使用停止命令、住民避難等の措置を準備しております。
このように、原子力発電所等に関する各種事態発生時における関係機関相互の連携確保についても、政府全体で必要な備えを行ってきているところでございます」。
会見の詳細については、ぜひ、全編動画を御覧いただきたい。