2023年11月26日(日)午後1時から、京都教育文化センター(京都府京都市)にて、京都沖縄ファン倶楽部の主催による「沖縄フェスタ in 京都」が開催され、沖縄大学客員教授で作家の仲村清司氏による講演「京都と沖縄の遠くて近い関係史」が行われた。
仲村教授の講演は、京都と沖縄では風土も気候も違い、また異質性ばかり語られるが、歴史的な背景を踏まえ、違う中で同質性を見出すという内容だった。
その歴史的背景とは、
・京都の町家の屋根にある鍾馗、沖縄の赤瓦屋根にあるシーサー、どちらも魔除けの呪い(まじない)。
・京都の東西本願寺・浄土宗ほか仏教は、道教とは相い入れないが、京都の町衆は道教とも関係が深く、現世利益を尊重する。沖縄は中国との関係が深いこともあり、呪い都市である。シーサーの他にも「石敢當」が十字路・T字路にあって、魔物=マジムンはぶつかって木っ端微塵に粉砕されるようになっている。
といったものである。
また「よそ者」に対する警戒心が強いということでは、京都は数々の戦乱の舞台となった、一方沖縄(琉球)は16世紀の薩摩藩による侵略、その後の廃藩置県により無理やり日本本土に組み込まれた、沖縄戦では4人に1人が亡くなったことを挙げ、両者ともよそ者に警戒するのは当たり前であると語った。
最後に両者とも世界的な観光地であることを挙げ、盆地にミサイルや核兵器を用いれば破壊力は平地よりはるかに増すため、京都も原爆投下の候補地だった、沖縄は911以降観光客は激減し、基地と観光は共存できないことを悟ったと述べ、観光は平和産業であるため、平和の大切さをもっとアピールする役割があると結んだ。