「木原事件」こと、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さん不審死事件が、『週刊文春』のキャンペーン報道により、大きな注目を集める事態になっている。
2023年7月28日、午後1時より、東京都千代田区の株式会社文藝春秋西館文春ギャラリーにて、「安田種雄さん不審死事件」について、2018年の再捜査でX子さんの事情聴取を担当した、元警視庁捜査一課刑事・佐藤誠氏による記者会見が開催された。
2006年4月10日、文京区大塚の自宅で、安田種雄氏(享年28)が遺体で発見された。この事件は、自殺として処理されたが、大塚署の女性刑事の捜査資料への疑問をきっかけに、2018年に再捜査が開始された。
佐藤氏は、警視庁捜査一課の刑事として、2018年6月から、この不審死事件の再捜査に加わり、同年10月上旬には、種雄氏の元妻で、不審死における重要参考人であるX子さんの取り調べを担当した。
しかし、同月下旬、佐藤氏は上司の管理官から、突然、取り調べの終了を告げられ、再捜査自体も、2019年5月に中止されている。
『週刊文春』の報道に対し、露木康浩警察庁長官は、7月13日の定例記者会見で、「この事案は、警視庁において、捜査等の結果、証拠上事件性が認められない旨を明らかにしております」と述べ、自殺であるとの判断を示した。
- 国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨(警察庁、2023年7月13日)
佐藤氏は、この露木長官の発言に対して「(警察庁長官が)うそを言っている」「カチンときた」と、『週刊文春』の取材に応じた理由を明らかにした。
佐藤氏は、取調官だった自分のもとには証拠品や各供述が全部集まっていたと述べ、「適正な捜査で証拠品をもとに自殺と判断した。事件性はない」という警察の発表に対して、「(自殺を認定する)証拠品は存在しない」と断言し、「だから、事件なんです、あれは。大体出てくるのは、もう怪しい証拠品ばかり」と語った。
さらに佐藤氏は2018年の再捜査当時、X子さんでも、当時X子さんの不倫相手だったY氏でもなく、第三の人物Z氏が、安田種雄さん殺害の真犯人ではないかと、独自の「勘」で見立てていたと、明らかにした。
このZ氏について、『週刊文春』の記事で佐藤氏は「X子が絶対にかばわなければいけない存在」だと明らかにしている。
さらに記事では、このZ氏に突撃取材した『週刊文春』の記者が、「やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ! 昔、何やっとったか知っとんのか! ……ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」と、威嚇される場面が描かれている。
この日の会見では、記者のひとりがZ氏について、「Zさんは任意同行を拒否されていますよね? で、これは、元刑事さんだということで、本来ならば、積極的に捜査に協力してもいい状況だと思うんですけども、これをどういうふうに受け止めているか?」と質問したが、佐藤氏はZ氏が「元刑事」であることを否定しなかった。
これまでの報道では、X子さんの父親が警視庁の元警察官であることや、2028年の再捜査時に、X子さんの自宅(木原誠二氏の自宅)とともに、X子さんの父親の自宅も家宅捜索が行われていたことが明らかにされており、X子さんとZ氏の関係に注目が集まっている。