ひろゆき氏が辺野古新基地反対座り込み現場を夕方訪れ、誰もいないと嘲笑ツイート! 炎上すると「座り込みの定義」持ち出し、名護市長選で「基地容認派勝利」と誤った主張! 沖縄タイムス阿部記者に論破されても、「自分達の話をしたいだけ」と自分を棚に上げて開き直りの反論! 2022.10.17

記事公開日:2022.10.17 テキスト
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(文・IWJ編集部 文責・岩上安身 2022年10月17日時点で加筆・アップ)

特集 辺野古

 「2ちゃんねる」開設者のひろゆき氏が、2022年10月3日、沖縄県辺野古の新基地建設反対の座り込み現場を訪れ、「座り込み抗議 不屈 3011日」と書かれた看板の写真とともに「誰もいない」と嘲笑するツイートをして批判を浴びている。

 ひろゆき氏の訪問は、工事車両が来る時間に行われる抗議活動の時間外の夕刻と考えられ、沖縄大学の学生自治会は「辺野古のことを真面目に考え、報道する姿勢がある人なら、こんな無責任な発言はできません」「誤りを認め、投稿を消し、謝罪するべき」と強い批判のツイートをした。

 この批判に、ひろゆき氏は、「〇時にしかいない」と書いてくれないとわからない、「座り込み」の辞書的意味と違う等と、揚げ足取りのように反論。このため、タレントのラサール石井氏や沖縄在住のお笑い芸人せやろがいおじさん、玉城デニー沖縄県知事など、様々な人々から批判を受けた。

 『沖縄タイムス』の阿部岳記者は、ひろゆき氏の行動を「多数派日本人のポジションと沖縄差別を利用した恥知らずで醜悪な行動」と強く非難。

 その上で阿部記者が「謝罪して撤回するお考えはあるか」とひろゆき氏に質問ツイートをすると、ひろゆき氏は「名護市長選で基地容認派が勝利した」から「民意は基地容認」だと主張した。しかし阿部記者は、理路整然とその誤りを指摘した。

 ところが、ひろゆき氏は「沖縄タイムスが、市長に当選する渡具知候補を『基地容認』と書いた」と再反論した。しかしその記事本文には「容認」とは、どこにも書かれていなかったのである。

 また、ひろゆき氏の一連の主張に対し、ジャーナリストの有田芳生氏が「出版社から依頼された、ひろゆき氏との統一教会問題の対談本を断る」と明らかにした。「沖縄に深く関わってきた自分が、共著を出すと、沖縄に行くことができなくなる」というのである。

 『ABEMA Prime』の討論番組に出演したひろゆき氏は、同じく出演したせやろがいおじさん、阿部岳記者を「自分達の話をしたいだけ」と自分自身を棚に上げて反論を繰り広げた。しかし、ひろゆき氏自身が人の話を聞かず、自分がしたい話をしているだけにもかかわらず、である。

 番組で阿部記者は、ひろゆき氏の「笑い」に注目し、「基地を押し付けている圧倒的多数」の「安全な側」にいるから、人々の抵抗を嘲笑できると批判した。ひろゆき氏は、これにも「自分の思いを伝えたい人が2人いるという予想通りだったのでおもしろい」などと開き直った。

 詳しくは、ぜひ、記事本文を御覧いただきたい!

記事目次

ひろゆき氏が辺野古の座り込み現場を活動時間外に訪れ、「誰もいない」と嘲笑ツイート! 沖縄大学自治会は「誤りを認め、投稿を消し、謝罪するべき」と批判!

 インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が、2022年10月3日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設反対の座り込み現場を訪れ、「新基地断念まで座り込み抗議 不屈 3011日」と書かれた看板の前で撮った写真をアップし、「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」と嘲笑ツイートをしたことが発端となり、さまざまな人々から批判を浴びている。

 写真は夕日を背景に撮られていることから、抗議活動の時間外であることが明らかだ。

 このひろゆき氏のツイートに、沖縄大学の学生自治会が3日、「辺野古の座り込み行動は、工事のための車両が来る9時、12時、15時に合わせて行われます。なので、次の日も座り込みをするために、夕暮れごろには誰もいないということはよくあります。辺野古のことを真面目に考え、報道する姿勢がある人なら、こんな無責任な発言はできません」と、批判の引用リツイートをした。

 沖大自治会は、続けて次のように批判ツイートしている。

 「夕暮れ時に突然来て、『現場には誰もいない』と発信すること自体が失礼で、悪意のある行為です。

 ひろゆき氏は、辺野古基地建設反対行動の現場について投稿したいなら、きちんと調べて、座り込み主催者に事前に連絡するべきです。

 誤りを認め、投稿を消し、謝罪するべきです」

「座り込み」ではないと揚げ足取り! ラサール石井氏の批判にも、「誤解を招くので『抗議行動』に変えたら」と返信!

 この沖大自治会のツイートに、ひろゆき氏が次のように屁理屈で返したことから、批判はさらに広がった。

 「『9時、12時、15時しか居ません』と書いてくれないと、わからないですよ。

 誤解する人が増えないように、書き足しておいて貰ってもいいですか?」

 さらにひろゆき氏は同様の批判に対してなのか、次のようにツイートしている。

 「『座り込み』

 その場に座り込んで動かないこと。目的をとげるために座って動かない。

 知らない間に辞書の意味変わりました?」

 このツイートに、タレントのラサール石井氏が次のように批判した。

 「1日に3回、何十台ものトラックが土砂を運び込む。それを阻止するために老人たちは座り込む。警備の人間に抱き上げられて排除される。これを毎日、何年も繰り返しているんですよ。

 その姿を見ればこんな事は言えないはず」

 4日、今度は人のいる時間に同じ現場を訪れたひろゆき氏は、上記のラサール石井氏のツイートに、次のように返信している。

 「『1日20分ぐらいの抗議行動を平日に3回やる事を「座り込み3011日」と表現するのは誤解を招く行為なので、「抗議行動」に変えたら?』

 と、話しかけられた現地の人に言いましたが、まともな返答はありませんでしたよ」

せやろがいおじさんの諭すツイートも揶揄! その主張は問題からの論点ずらし! 玉城デニー知事は「残念だ」!

 また、沖縄在住のお笑い芸人せやろがいおじさんも、10月4日現地を訪れた写真とともに、「今日も炎天下の中座り込みやってましたよ。『座り込みの意味』を辞書で調べるよりも、『座り込みやってる意味』を直接聞いた方がよくない?」と、ひろゆき氏を、やんわりと諭すようにツイートした。

 ところが、これに対してひろゆき氏は「同じ日に行ったけど、せやろがいおじさん居なかったよ。すぐ帰る人ばかりなんですね」とツイートした。ひろゆき氏自身も、「すぐ帰る人」であるのに、自分は棚上げである。

 こうしたひろゆき氏の主張は、沖縄の基地問題の本質から意図的に論点をずらし、巨大な権力に対して沖縄で抗議活動を続けている人々を侮辱しているに等しい。

 5日付け『琉球新報』によると、沖縄県の玉城デニー知事は5日、「現場で3000日余り抗議を続けてきた多くの方々に対する敬意は感じられない。残念だ」「投稿に対する波及は、日頃ネットメディアを使っている方なら十分考えられたのではないか」などと語ったとのことです。

『沖縄タイムス』の阿部記者が「ニッポン人の象徴」と鋭く指摘! 「謝罪して撤回するお考えは」とひろゆき氏に質問ツイート!

 『沖縄タイムス』の阿部岳記者の10月4日のツイートは、このひろゆき氏の問題の本質を鋭く指摘している。

 「ひろゆき氏の辺野古での行動は、ニッポン人の象徴だと思う。

 基地を沖縄に押し付けている責任に向き合わず、命と尊厳をかけて闘う人々に説教する資格があるとなぜだか思い込み、デマや嘲笑の数で事実を洗い流す。

 多数派日本人のポジションと沖縄差別を利用した恥知らずで醜悪な行動を非難する」

 阿部記者は5日、ひろゆき氏の辺野古訪問を記事にしたいと、ツイッターでひろゆき氏あてにツイートしている。

 「ひろゆき様

 沖縄タイムス記者の阿部岳と申します。

 辺野古訪問の件を記事にすることを検討しています。

 ご見解を記事に反映するために、以下お尋ねします。

 辺野古新基地建設に対して、沖縄の人々が民主主義に則って何度反対を示しても、日本政府がそれを踏みにじって工事を進められる→」

 「→理由は、あなたも(私も)含めた多数派日本人がそれを許しているからだと考えたことはありますか。あなたの辺野古での言動やツイートは、多数派の数の力を利用して沖縄の人々を嘲笑し、差別を扇動する行為ではありませんか。謝罪して撤回するお考えはありますか」

「名護市長選で基地容認派勝利」だから「民意は基地容認」とひろゆき氏! しかし阿部記者が理路整然とその誤りを指摘!

 これに対してひろゆき氏は翌日の10月6日、名護市民の民意は「基地容認」だと、次のように返信している。

 「2022年の名護市長選挙では、基地容認派の市長が勝ってるのをご存知ないのですか?

 もう少し、勉強された方がよろしいかと思います。

 それとも名護市民の民意は踏み躙っても良いのですか?

 『沖縄の人々が民主主義に則って何度反対を示しても、日本政府がそれを踏みにじって工事を進められ』」

 これに対して阿部記者は、理路整然とひろゆき氏の事実誤認を指摘している。

 「2022年の名護市長選挙で勝ったのは、『国と県の係争の推移を見守ると公約した市長』です。『基地容認派の市長』ではありません。

 それから、名護市民の新基地反対の民意は1997年の市民投票で、沖縄県民の民意は2019年の県民投票で明確に示されています。

 ご存知ないのですか?」

 阿部記者は7日付け『沖縄タイムス』で、「渡具知市長は18年と今年の2回の市長選で、国と県の係争を『注視する』『見守る』と公約して当選した。今年1月の当選翌日、報道各社のインタビューでは『基地に反対しているが私に票を投じた人がかなりいた』との認識を示した」と、ひろゆき氏のツイートをファクトチェックで「誤り」と報じた。

ひろゆき氏が「沖縄タイムスは渡具知候補を『容認』と書いた」と再反論! しかしその記事には「容認」とは、どこにも書かれていない!

 ところがこの記事に対してもひろゆき氏は、「辺野古新基地 容認か反対か 名護市民の選択は 1998年からの市長選を振り返る」という、今年1月22日付けの『沖縄タイムス』の記事のリンクを示し、「御社が名護市長選挙で渡具知氏を『容認』と書いてます」と反論した。

 「『基地容認派の市長が勝ってる』が誤りだとすると、沖縄タイムスはデマを流してることになります。

 御社が名護市長選挙で渡具知氏を『容認』と書いてます。

 お得意のファクトチェックで訂正されることをお勧めします。

 それとも、新聞社はデマを流して良いとお考えですか?」

 しかしこの1月の記事の本文には、阿部記者が明らかにするように、「渡具知氏が基地『容認』」とは、どこにも書かれていない。

 「自分で貼った記事の見出しだけでもいいから、ちゃんと読んでください。

 『1998年からの市長選振り返る』記事ですよね。

 2022年名護市長選に立候補した渡具知氏が『容認』だと書いてはいません。

 即座に『論破』されるような恥の上塗りをやめて、ご自身の発言の誤りを認めることをお勧めします」

有田芳生氏が「ひろゆき氏との統一教会問題の対談本を断る」!

 ひろゆき氏の辺野古に関する主張は、統一教会問題にも波紋を広げた。

 ジャーナリストの有田芳生氏は10月8日、統一教会問題についてのひろゆき氏との対談本を断ったことを、ツイートで明らかにした。

 「【ご報告】この度のひろゆき氏の辺野古についての発言を受け、出版社から依頼されていた統一教会問題についての対談書籍をお断りすることにいたしました」

 「統一教会批判のいい本になったでしょう。残念です。でも沖縄に30代から深く関わってきた僕が、いまの状況で共著を出すと、気持ちの上で沖縄に行くことができなくなります。僕にとってはそれほど沖縄と基地問題、そして沖縄の歴史は重いのです。とても哀しいです」

ひろゆき氏は、「沖縄の人って文法通り喋れない」と、沖縄に対する差別むき出しの発言も!

 さらにひろゆき氏は7日、自身のYouTubeチャンネルで、一連の騒動について語りながら、座り込みをしている人たちが、「本土の人なのか、現地の人なのか」という話題で、「沖縄の人って文法通り喋れないんですよね」「きれいな日本語にならない人の方が多いんですよね」「沖縄の人って、あんまりスムーズに標準語をしゃべらないんですよ」などと、沖縄に対する差別むき出しの発言まで繰り出した。

討論番組で「人の話を聞かず、自分達の話をしたいだけの人たち」と討論相手の『沖縄タイムス』阿部記者に対して突き放すひろゆき氏自身が、人の話を聞かず、自分の話をしたいだけ! 

 『ABEMA Prime』は10月8日、「物議を呼んだ本人と基地問題を考える」として、ひろゆき氏、せやろがいおじさん、阿部岳記者などによる討論番組を配信した。

 せやろがいおじさんは、辞書の言葉を持ち出したり、名護市長選の結果を持ち出し「当初の主張のおかしさを訂正することなく、他の論点をまぶしながらここまできたんじゃないか」と批判した。

 さらにせやろがいおじさんは「座り込みの定義というような、沖縄の問題の枝葉中の枝葉の論点より、沖縄の抱えている問題についての声が聞きたかった」と訴えた。

 これに対してひろゆき氏は、現在の1日10分、15分の座り込みを数回、合計で1日1時間以下という座り込みの実態は、「座り込み」という言葉に対して人が持つ印象と違う、事実を書かないで「人が誤解をしてもいいと思っている人たちがやっていることはまずい」と主張した。

 さらにひろゆき氏は、沖縄の基地問題の本質を指摘しようとするせやろがいおじさんに対し「僕の話と全然関係ない話を、これからしようとしている。結局人の話を聞くんじゃなくて、自分達の話をしたいだけの人たちがいっぱいいる」と批判した。ひろゆき氏自身が、人の話を聞かず、自分がしたい話だけをしている人間であることに、まったく無自覚な発言である。

「基地を押し付けている圧倒的多数の安全圏」から人々の抵抗を嘲笑する無神経!

 阿部記者は、ひろゆき氏がまだ「座り込み論」をしていることに驚いたと述べた上で、次のように指摘した。

 「さっき(VTR)も、ひろゆきさんが現場を見て『頑張ってる』と言って笑っているんです。ツイートでも満面の笑みでピースしているわけです。この笑いはどこから来るのかと、私は考えています。

 実際、沖縄の暑い中、座り込みをしたい人がいると思うか? したくはないけど、せざるをえなかった、それが3011日続いたという事実があるんです。

 そこで笑うというのは、ひろゆきさんが、自分が安全な側にいるということをわかっているから笑みが出る。

 沖縄の人口は日本の人口の1%。本土は99%。

 沖縄の人を嘲笑ったり、24時間やっていないから座り込みとは言えないとか、こういう言説を流布したり、圧倒的多数の力で押し流せるということを計算している。ひろゆきさんが力関係で強い側にいる、笑える特権があるということだと思った。

 基地問題も、まさにそれと同じことで、本土の多数の人が沖縄に基地を押し付け、いくら反対しても笑ったりデマを飛ばしたりして、多数の力で押し通している。

 ひろゆきさんは基地を押し付けている側にいる。しかもわざわざ、人々が抵抗している場所に行って、それを笑い飛ばす。2つの間違いを犯しているんじゃないかと思いました」

 しかしひろゆき氏は、これに対しても「事実の話ではなく、自分の思いを伝えたい人が2人いるんだろうというのが、予想通りだった。思惑通りになったのでおもしろい」などと述べた。

 「安全圏」にいて、沖縄を見下し、嘲笑し、「思惑通りになったのでおもしろい」と言える人間の神経を疑う。ひろゆき氏に「おもしろい」と言われた沖縄の人々がいかに傷つけられたか、考えるだけで胸が痛む。

 IWJでは、辺野古新基地建設問題について下記のように特集を組んで公開している。下記のURLから、ぜひ御覧になってください。

※これは日刊IWJガイド2022.10.11号~No.3680号に掲載された記事に2022年10月16日時点の情報を加えて加筆・修正したものです。

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https://note.com/iwjnote/n/nd523fd8c0d82

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