2022年6月28日午後6時より、東京・新橋駅SL広場にて、第26回参議院議員通常選挙に東京選挙区候補として無所属で出馬した乙武洋匡氏の街頭演説が開催された。
乙武氏は、5月20日に立候補を表明した。東京選挙区は改選定数6である。
自民党が現職の朝日健太郎氏と新人で俳優の生稲晃子氏を擁立する。公明党現職・竹谷とし子氏、立憲民主党現職・蓮舫氏、立憲民主党の前衆議院議員松尾明宏氏、共産党現職・山添拓議員らが立候補する。その他、ファーストの会から荒木千陽(ちはる)氏、れいわ新選組からは山本太郎氏が立候補と、有力者が揃った。その他、日本維新の会新人海老沢由紀氏が出馬、大混戦となっている。
乙武氏は、「与党と野党をつなぎ政策を実現する」として、5つの「あきらめない」を政策の柱として掲げている(※)。
- 乙武ひろただ|五体不満足、国会へ。(オフィシャルウェブサイト)
「『育てる』をあきらめない、『福祉』をあきらめない、『経済』をあきらめない、『東京』をあきらめない、そして『多様性』をあきらめない」。
そして、あきらめないための行動として、以下の3つを行うとしている。
1. 誰よりも当事者の話を聞き、政策に活かす
2. 発信に力を入れ、政治家の世界をわかりやすく伝える
3. 無所属議員として、あらゆる政治家と連携する
乙武氏の演説後に行われた質疑応答で、IWJ記者は2つの質問をした。
IWJ記者は、まず、乙武氏が著書『五体不満足』を出版した1998年当時の日本と、それから24年が経過した今現在の日本社会を比べて、良くなった点、そして悪くなった点について聞いた。
乙武氏は、「多くの公共施設にエレベーターや多目的トイレが設けられ」、この間、「物理的なバリアフリー化は格段に進んだ」と述べた。しかし、その一方で、障害をもった子どもの幼稚園受け入れなどについては、乙武氏が40年前に大変な苦労を経験した時の状況とまったく変わっておらず「本当に悔しいし、絶望している」と厳しい口調となった。
また、「見てわかりやすい、明らかに違いがある障害者だけでなく、例えば、精神障害者や発達障害、例えば、LGBTQなどのセクシャルマイノリティなど、見てわかりづらい違いをもった方々に対して、注目が集まるようになった」点も評価した。
IWJ記者は続けて、「憲法改正」についての見解を求めた。
乙武氏は、「私は護憲派でも改憲派でもありません。どちらかと言うと、今変える必要があるのかどうか、今行う必要性はあるのか? 必要があるのであれば変えればいい、というニュートラルなスタンス」であると説明しつつも、「同性婚の問題」を考える上で(※)、憲法24条の改正については関心があると述べた。
- 同性婚認めないのは憲法に違反しない 訴え退ける 大阪地裁(2022年6月20日NHK NEWS WEB)
乙武氏の演説と聴衆との質疑応答の詳細については全編動画にてご確認下さい。