2022年3月15日午前11時より、東京都千代田区の参議院議員会館にて、食の安全・安心を創る議員連盟の主催により、「第3回 食品表示について食の安全議連に私たちの声を届けるオンライン集会-食品添加物の無添加・不使用表示-」が開催された。
集会は、消費者庁から2名の担当官が出席し、議員、および、消費者・市民団体の代表者からの質問に答える形で進められた。
現在、食品添加物は、食品安全委員会で安全性が評価され、厚生労働省での審議を経て、「食品衛生法」にもとづき成分規格や使用基準が設定され、「食品表示法」にもとづく食品表示基準によりその表示方法が規定されている。
- 食品表示基準(e-GOV)
しかし、食品表示基準第9条(表示禁止事項)には、食品添加物が不使用である旨の表示(食品添加物の不使用表示)について特段の規定はなく、食品関連事業者等が容器包装に、任意で「無添加」、「不使用」等の表示を行っているのが現状だ。
この「無添加」等の表示方法について、食品表示基準第9条では、表示すべき事項の内容と矛盾する用語や内容物を誤認させるような文字等は禁止しているものの、その解釈を示す消費者庁発行の「食品表示基準Q&A」は網羅的ではない。
- 食品表示基準Q&A(PDF)(消費者庁)
こうしたことを理由に、表示禁止事項に当たるか否かの判断基準となるガイドラインの策定が提案され、2021年3月3日に食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会が設置され、消費者や事業者へのヒアリング等を通じて、表示禁止事項に該当のおそれが高いと考えられる表示についてのガイドライン案が取りまとめられた。
2021年12月に公示されたこのガイドライン案では、表示作成に当たり注意すべき食品添加物の不使用表示について、10の類型が設けられており、その「類型1」として挙げられているのが「単なる『無添加』」の表示である。
- 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(案)(e-GOV)(PDF)
そもそも、この類型の根拠が曖昧なため、ガイドライン案自体が拡大解釈される恐れが大きく、食品添加物の安全性が前提とされている点などをもって、消費者にとって有害無益なガイドライン案として、撤回、もしくは継続審議を求める声が上がっている。
集会では、社会民主党党首の福島瑞穂参議院議員が、「類型1(単なる『無添加』の表示)」について、「本当に化学調味料とかを使ってなくて、無添加っていうのはあるのに、なぜ、この表示がダメなのか?」という根本的な疑問について、表現や例えを変えて、何度も繰り返し消費者庁担当官を問い質した。
「無添加表示が良いのか悪いのか?」という福島議員の質問に対し、消費者庁担当官は、「ケース・バイ・ケースです」との答弁に終始し、根拠の曖昧さはまったく解消されなかった。
集会の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。