来年夏の参議院選までの間にいよいよ、ナチスの「全権委任法」のような「緊急事態条項」を含んだ「憲法改正」改憲への動きが現実に! マスメディアが行った選挙直前までの情報操作は、許されるのか!? 2021.11.5

記事公開日:2021.11.5 テキスト
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(IWJ編集部)

 日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は11月2日の定例記者会見で、憲法改正の国民投票を来夏の参院選の投票と同じ日に実施するべきだとの考えを示した。

 同通信の記者の「(憲法改正の)スケジュールについて、いつ頃までに、国民投票を実施すべきだとお考えですか」という質問に対して、松井代表は以下のように回答したのである。

 松井市長「僕は、来年参議院までに、改正案を固めて、参議院の選挙と同時に国民投票実施すべきだと思います。そうすると、まさに投票率も上がるし、そのことは選挙の大きな一つのテーマにもなる。だからそこへ向けて、やっぱり、各党は憲法改正案をしっかりだすべきだと思います」

▲松井一郎日本維新の会代表(日本維新の会のHPより)

 同じ日に、吉村大阪府知事(日本維新の会副代表)の記者会見が行われ、フリーランスの横田一氏が、吉村知事に、同じように、憲法改正について、また、緊急事態条項についてどのように考えているのか、質問した。

 この質問に対し、吉村知事は「岸田総理は改憲を本気でやる気がないのでは」と、自民党やその支持者らを口しかけるような、ひねりを加えた回答を行った。緊急自体条項については、「どういう条項が出てくるのかは、分からないので、今の段階では評価できないです」と回答し、巧みに明確な答弁を避けた。

 しかし、総選挙の投開票日の翌日に、IWJは、維新の本部に詰めていた尾田元府議に取材を行っている。そこで、尾田元府議は、自民党の改憲4項目に「賛成」、そしてその中に含まれている、期限についても、内容についても制約がない緊急事態条項について、明確に「賛成」と述べたのである。

 吉村知事の定例会見では、緊急事態条項の導入についてはぐらかしたが、党としては、しっかりと、緊急事態条項を含む自民党改憲4項目に賛成の立場であることは明らかなのである。
 詳細は、是非本記事を読んでいただきたい。

 そして、吉村知事の回答に現れた維新の改憲意欲は、並々ならぬものがあり、自民党の熱量を上回っているようにもみえる。

 共同通信だけでなく、なぜすべての記者クラブメディアは、勢力拡大が予想された維新の松井代表に対し、選挙前にこの質問を投げかけなかったのだろうか?

 また、選挙前にも開票速報でも、自公対維新を含む野党という図式でのみカウントして、改憲勢力(自民・公明・維新・国民民主)と、改憲反対勢力という、この選挙の真の争点である「改憲か否か」という対立図式を示さなかったのだろうか?

 すべてが終わってから、こんな質問を投げかけているこの白々しさにメディア総ぐるみの茶番めいたものを感じざるをえない。

 日本維新の会は、衆議院での公示前の11議席から、法案提出権を確保できる20議席を2倍以上上回る41議席を確保した。

記事目次

日本維新の会の松井代表は、11月2日の定例会見の中で、「国会で来夏の参院選までに憲法改正原案をまとめて改正を発議する」と述べた!

 冒頭で記したように、日本維新の会の松井代表は、2日の定例会見の中で、「国会で来夏の参院選までに憲法改正原案をまとめて改正を発議する」と述べている。

 改憲の手続きは衆院100人以上、または参院50人以上の賛成で改正原案を国会に提出するのが出発点となる。その後、衆参両院の憲法審査会で審査し、それぞれの本会議で3分の2以上の賛成で可決すると改憲発議となる。

 維新の松井代表は、明確な改憲派である自民(261議席)と公明(32議席)の賛成を確保できれば、維新独自の憲法改正原案を国会に提出できることになる。

改憲の真の目的は、日本を「米国の国益のための戦争に参戦できる国」にすること! 日本は米国の「鉄砲玉」にされる!

 憲法改正の発議は、維新がリードし、改憲派の自民・公明が加わり、維新との連携に意欲的な国民民主をも巻き込んで進んでいくという勢力図が出できがりつつあるように見える。

 もちろん、改憲発議のため改正案を提出する前に、圧倒的多数を占める自公と維新とがすりあわせし、そして、合意に達した案が国会に出されるのだろう。その中に、最も危険な緊急事態条項が含まれることはまず間違いない。

 IWJは、選挙の投開票日の翌日の11月1日に、日本維新の会の本部に詰めていた尾田一郎元府議に取材を行った。そこで尾田元府議は、日本維新会として、自民党改憲4項目に賛成するとし、しかも緊急事態条項について、制約がなくても賛成であると、率直に回答した。

 以下は、自民党改憲4項目について、IWJ記者と尾田元府議のやり取りである。

※本記事は「note」でも御覧いただけます。単品購入も可能です。
https://note.com/iwjnote/n/n5c694f3b38ff

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