2021年10月26日、東京・大田区のJR蒲田駅前で、日本維新の会の衆議院議員候補、林智興(ともき)氏が街頭演説会を行った。林候補は東京4区から初の立候補。
林候補は演説で、アフターコロナのために必要な政策として「ベーシックインカム制度のような、月額6万から10万円の配布」を訴えたが、財源については触れることがなかった。
また、応援に駆け付けた日本維新の会副代表、吉村洋文大阪府知事は、大阪では増税することなく「身を切る改革」で財源を確保し、「私立高校の完全無償化」を実現したと主張した。
しかし事実は「授業料の無償、または一部負担」であり、「完全無償化」とはいえない。
- 大阪府の私立高等学校等の授業料無償化制度について(大阪府教育庁私学課、2021年7月)
吉村氏はさらに続けて、立憲民主党と日本共産党の選挙協力を次のように批判した。
「(立憲)民主党、共産党とくっついてますよね。共産党、『自衛隊は違憲だ』という考え方ですよ。『日米同盟は破棄だ』という考え方。
外交防衛というのは、国家の最も重要な部分で、まったく違うところが一緒になりました。選挙前に。選挙目的です。選挙目当てで一緒になりました。信用できないですね」。
しかし、共産党は、立憲民主党が政権を取った場合、政策合意した点についてのみ、限定的な閣外協力を行うことで合意しており、連立するわけではない。
共産党独自の政策が、政権に持ち込まれるわけではないにもかかわらず、こうしたフェイク演説が、自民、公明、維新によって繰り返されている。