2021年10月20日午後5時半より、三鷹駅前において、東京22区から出馬している、れいわ新選組の櫛渕万里(くしぶちまり)候補と、東京比例ブロックから出馬しているれいわ新選組の山本太郎代表の合同街宣が行われた。
山本代表は「国が壊れるか壊れないか、その既(すんで)の所にあります」と語り始めた。
「東京都で、コロナで困られている方は、3割と言われています。なんだ3割しか影響を受けていないのか、自分は影響を受けていないと安心するのは早い。3割の方々が所得を失ったり、減らしたりすれば、社会に回るお金は減ります。今、大丈夫な人も、大丈夫でなくなる。国がしっかりと手当をしなければ、社会にさらにお金が回らなくなり、無傷のあなたのもとにも、影響は遅かれ早かれ現れます。
なぜそう言えるか、GDPで考えてみてください。みんなの所得を足したものがGDP。つまりはお金を使えない、所得を減らした、所得自体なくなった、そういう人が増えれば増えるほどGDPが縮小していきます。今、大丈夫な人も大丈夫でなくなる。だからこそ、徹底的に底上げしていくということを国が行わなければなりません。
それはされていますか?(中略)
残念ながら、2020年度補正予算、一年間の予算の内で足りないものを補正という形で継ぎ足していくんですけれども、なんと、30兆円余らせてしまいました。つまり、コロナで困っている事業者、コロナで困っている生活者、救えるはずの人たちを、30兆円分見捨てたことになります。
世界はそうしているか? 世界は逆です。徹底的にお金を刷る、そして下支えしてゆく。下支えしなければ倒れる事業者ばかりか、失業者も増えて、社会が不安定化する。(中略)
だからこそ、ここでできるのは、民間の努力じゃない。個人の努力じゃない。国がしっかりと手当をしていくことが必要。世界中がやっている。その結果、どうなったか? アメリカ、イギリス、カナダでは、コロナ禍では大胆にお金が出された。その結果、自殺者が減りました。コロナ前よりも自殺者が減った。手当が十分だから。
一方で日本は、コロナ禍において、不安を感じ、絶望を感じて、命を自分で断ってしまっている人の数が増えているんです。圧倒的に間違った政治。人々のことなんて眼中に入っていない政治。国会にいたからわかりますよ。皆さんのことなんて、ほぼ考えられていないのが今の政治です。
あなたから搾取したものを一握りの者たちに付け替える。利益を付け替えるということを延々とやられた25年間で、この国どうなりました? コロナが来る前から25年の不景気。デフレから脱却できない。格差は開いた。人々の生活は地盤沈下した。それがこの国の状態ですよ。その状態の中にコロナまで来たということを政治が考えているか? ほとんど考えられていない」
このように、一気に、現状について語った山本代表は、「れいわニューディール」と呼ぶ2つの政策を提示します。一つは徹底したコロナ対策、もう一つは、25年のデフレを終わらせる景気対策です。
山本代表は、1930年代の世界恐慌の米国で、国が大胆にお金を回し、事業者を救い雇用を創出したニューディール政策が、令和の日本にこそ必要だと主張します。
れいわニューディール政策の中心は、消費税の廃止と税制改革です。「ないところから取るな、あるところから取れ」という企業に対する累進課税を主張しています。
そして、注目すべきは、れいわニューディール政策の財源です。
山本代表は、次のように述べています。
「緊急時には国債。国が破綻するじゃないか。残念ながら破綻はしません。自国通貨円がありますから。アメリカにはドルがあり、イギリスにはポンドがあり、日本には円がある。自国通貨を持つ国、そして変動相場制の中にある国は、財源が足りなければそれを増やせる。お金を刷れる。
ただし、無限ではない。上限はある。お金が紙くずにならないように、インフレ率2%。日銀と国の取り決めです。インフレ2%までで、一年間いくらお金を作れますか。参議院調査情報担当室に試算をお願いしました。145兆円レベルの国債発行を一年で行っても、インフレ率は1.2%、1.4%。一年ごとに見ても、その程度です。(中略)
先進国では当たり前、積極財政、その先頭に立たせていただきたい」
山本代表から「これだけ芯の強い人はいない」と紹介された櫛渕万里候補は、スタート地点に立った決意を語りました。
櫛渕候補は、地域を5万7356軒回ったと語り始めました。
「この1年半はコロナ禍でした。一人一人のお声を聞いてずっと回っていました。ある人は派遣先すべてキャンセルになった。ある人は、50年間続けてきた小料理屋を廃業することにした。ある人はシングルマザー、2番目の息子がやっと大学に受かった。けれども、入学金が払えなくなった。雇止めにあったから。ある人はドアを蹴り破って訴えて来たんです。
元衆議院議員なんですと言うと、『あなた政治家ですか。私の生活知っていますか。全部仕事がなくなって、おかずを減らして、体重が5キロ減った。政治家何やっているんだ。会食ばっかりやって。ボーナスも給料もそのままで、庶民の生活、分かっているのか』その人は泣きながら私に訴えてきました。泣いて悲しみよりも怒りですよ。最後は、『言える人がいなかったんだ、最後まで聞いてくれてありがとう』と言って握手してその家を離れました」
「みなさん、政治に関心あって、一年半、そういう人がどんどん地域に増えていたんですよ。いつ10万円の給付、もう一回くるのか。いつ、消費税減税されるのか。いつ家賃の補填、政府が行うのか。いつ食糧支援が回って来るのか。
多くの人が政治の力を求めていた。よく世間では、国民は政治に関心がないと言われていますけれど、本当ですか。政治に関心がないのは、政治家の方じゃないですか」。
このように、櫛渕候補のスピーチでは、多くの庶民の怒りの声を、その人たちに代わって、代弁するかのような迫力のある言葉が続いた。