2021年10月15日、東京・千代田区の参議院議員会館で、れいわ新選組の山本太郎代表 による記者会見が行われた。
10月14日、岸田文雄首相は衆議院の解散を断行した。所信表明演説と代表質問の他は一切の審議をせず、コロナ対策をはじめとする山積みの課題はすべて総選挙後に取り残された。
冒頭、山本代表は、今日は記者の皆さんからの要望に応えての囲み取材ということで、こちらから発言するというよりも、皆様の問いにお答えしたいと述べた。
会見で、NHKの記者から解散について名前を付けるとしたら、と聞かれた山本太郎・れいわ新選組代表は「『棄民解散』と名付けた」と述べ「民を棄てる」ということだと説明した。
「昨日の解散につきまして私は『棄民解散』と名付けました。要は、民を捨てるということですね。あまりにもありえない状況です。
要は、2020年の補正予算のうち、30兆円余らせたというのが、現在の自民党政権です。30兆円余らせたなら、30兆円分すぐに使えるような国会での議論をしなければならないのに、いつまでも国会を開かないまま、結局、選挙の手続きのためだけの国会を開いてすぐに閉じた。
やるべきこともやらずに、余した30兆円で事業者も生活者も救わずに、その30兆円を次の選挙、『私たちがまた力を持った時には皆さんのためにお使いします』というような。
必要だから使う、という予算ではなくて、選挙に対してぶら下げる人参としてこの30兆円を利用するという。
ある意味で、私は人間ではない集団が現在の政治をコントロールしているんだろうという感覚です。
今回の選挙、この棄民を進めてきた自民党、公明党政権(に対して)、実際に人の心を取り戻す政治。『民衆の敵』対『人々の心を持った者』が政治を握るかというところが対立軸なのかなと思っています」
山本代表は以上のように述べ、憤りを隠さなかった。
また、何を一番訴えたいかという質問に対し、山本代表は「コロナが来る前から日本は大変だったんだということを一番訴えたい」と回答。
「コロナが来たから大変なんだということじゃないんですよ。世界で唯一、25年も不景気が続いているのが日本。そんな間抜けな経済政策、やり続ける国はないんですね。デフレの時にインフレ政策ばかり打ち続けたんですよ。
デフレの時に何をやらなければならないかっていうことですけれども、みんなが使えるお金が減った分、国がお金を回さなきゃいけない。給付金だとか、消費税を減税したりだとか」
山本代表は、公務員の数を増やすなどし、安定した雇用の確立などを訴え、「私たちが主に訴えていきたいのは、徹底したコロナ対策と消費税廃止」であると述べた。
テレビ朝日の記者が、山本代表自身の選挙区について問うたが、山本代表は「まだ、決まっていないです」と笑顔で答えを濁した。この場では言えないということかとさらに問われ、山本代表は以下のように答えた。
「まあ、いくつか候補地はあります。でも、一度火傷した身としては、慎重にならざるをえないということです。
また、水面下での調整については、「しっかりと調整していかなければならないということは、私も、他党の方も学んだことだと思います。私だけではなく、他の党も慎重になる、ということだと思います」と回答した。
比例だけという選択肢はあるかと問われ、「一つの選択肢としてある」と回答。
東京都などの具体的な選挙区について文化放送の記者に問われると、山本代表は以下のように答えた。
「選挙区から出るんだったら調整が必要ですよね。テーブルをひっくり返すということをやるんだったら、もっと早くにやっています。一気にやっています。もしそれがやりたいんだったら。
でも目的はそこではありません、ということです。目的は何かと言ったら、この地獄を少しマシなものに変えるためには、野党勢力が力を持つしかない。消費税を5%にするということも含めて」
フリージャーナリストの横田一氏が、いつ頃決まるのか、基本的に東京からの出馬を考えているのかと問うと、山本氏は「エリアはここではお示しませんが、『次の衆議院選挙までになんとか調整したいと思います』という話ではないということだけはお伝えしておきます」と回答。
その他にも選挙区に関する質問が相次いだが、結局、自身の立候補について山本代表は、立候補する選挙区も、選挙区の確定を発表する期日についても明らかにすることはなかった。
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