2021年10月19日(火)、18時過ぎから、JR新橋駅SL広場前で、立憲民主党の街頭演説会が行われた。
演説会の最後に登壇した枝野代表は、自民党のコロナ対策を検査不足、水際対策の失敗として次のように批判した。
「この2年近くのコロナ対策、本当にこれでいいんでしょうか。この先進国のはずの日本で、東京で、医療を受けられず、自宅で放置され命を落とした人がいます。十分な、いや、ろくな支援を受けられずに、ご商売を畳んだ人がたくさんいます。仕事を失って明日の食べ物にも住むところにも困った人がたくさん出ました。やむを得なかったことなんでしょうか。そんなことはありません。
私たちは具体的にやらなければならないことを国会で提案し続けてきました。PCR検査を増やせという法案を去年の春に出しています。今頃になってようやく検査と言い出しましたが、その検査の中心は抗原検査です。
抗原検査は症状が出始めた人がコロナなのか風邪なのか、見分けるには役に立ちます。しかし、症状がない方からも人にうつってしまう。症状のないコロナの患者を見つけ出すのは、PCR検査を飛躍的に増やすしかないんです。世界の常識です」
「私たちはこのコロナ対策、自信をもって、やらなければならないことを先手先手で提案し続けてきました。まだ第6波のリスクがある。傷んでしまった生活を立て直すには、ここからが正念場だ。コロナ対策を変えよう」
そして、コロナ禍をより深刻にさせた、本質的な日本経済の問題に言及した。
「コロナの前から日本の経済と社会は傷んでいました。アベノミクスで株価は上がりました。ほとんどの国民はアベノミクスの恩恵なんか受けていません。良くなったのは株価です。一部の大企業だけです。一部の大企業だって、従業員の非正規を正規にして安定させたのか? 賃金を儲かった分だけ上げたのか? 内部留保をため込んだだけです。そんな中で働いている皆さんの実質賃金は下がっています」
「経済の総合成績は株価じゃありません。実質経済成長率です。自民党は野党の批判ばかりしています。民主党政権を悪夢と呼びました。民主党政権3年3か月の実質経済成長率よりも、安倍政権のコロナ前の実質経済成長率の方が低いんですよ。これが客観的事実です。安倍政権は、悪夢と呼んだ民主党政権よりも経済を成長させることができなかった。それは地獄じゃないか」
「悪夢」と民主党をののしる自民党の長期政権の間は、多くの国民にとって、夢ではなく、本物の「地獄」だったではないか、という反論は、データの裏付けがあり、説得力がある。
この後、枝野代表は、岸田文雄政権も継承しているアベノミクスに代わる具体的な経済政策を次のように訴えた。
「所得の再分配なくして、日本の経済成長はありません。老後・子育て・雇用の安心なくして、日本の経済成長はありえません。もうバブルが弾けてから30年近く、答えは出ているんです。この間、輸出産業は平均すると、4、5%成長しているんです。しかし、輸出産業は日本の経済の2割も占めていません。
日本の経済の半分以上、6割近くは、個人消費です。これがずっと悪いから日本経済は低迷しているんです。なぜ、国内が売れないんですか。買う側に金がなければ、どんなにいい商品・サービスを売り出しても、売れるはずがないじゃないですか」