長らく囁かれてきた立憲民主党と国民民主党の合併が動きはじめた。
立憲民主党枝野幸男代表は2020年7月16日(木)午前10時より、千代田区の衆議院第2議員会館で、臨時記者会見を行った。
これは、7月15日に、立憲民主党福山哲郎幹事長が、国民民主党の平野博文幹事長に、二党が合併して新党を結成することを提案した申し入れを受けたものである。
枝野代表は、昨年秋より2回の国会に国民民主党と共同会派体制で臨み、一定の成果があったと評価し、それゆえ二党合併を提案し、その2つのポイントを次のように語った。
「まずひとつめは、双方が解党してから合流して新党となること。共同会派で理念を同じくして活動する議員すべてを排除することないよう、このような手続きをとる。
もうひとつのポイントは、党名を『立憲民主党』とし、略称・通称を『民主党』とすること。
現政権の問題点は、『権力が憲法によって制約される』という立憲主義を無視することに起因する。そうして民主主義を単純に多数決と取り違え、自由と基本的人権を軽視し、民意の合意形成を放棄、『民は由(よ)らしむべし、知らしむべからず』(『論語』中の言葉。人民を従わせるがその理由を理解させない)とばかりに隠蔽や改竄を行なってきた。それを糺すのが我々共同会派に共有されている立憲主義の理念である。
また、『民主党』は国民民主党さんの略称であり、かつて政権を担った政党の名称として知名度もあることから新党の略称、通称としたい」
その後質疑応答が行われ、各メディア記者がこの新党結成の提案に関する質問を行った。立憲民主と国民民主の政策面の相違の部分をどうするのか、代表をどうするのか、などが問われたが現時点では検討中と回答された。
IWJは枝野代表に2つの質問を投げかけた。
ひとつは、枝野氏が解党という面倒な手続きを経てまで回避しようとする「排除」とは、何か具体的な過去の事例をイメージしてのものか、という問いである。これは、2017年の衆院選において新党「希望の党」の小池百合子代表(当時)が、合流した民進党の立候補予定者の絞り込みにおいて、リベラル派排除を語ったことを念頭においた質問であった。
これについて枝野代表は「わたくしども立憲民主党の結党には、排除の論理に対するアンチテーゼという側面があったことも踏まえて、そう言ったとお答えする」と回答した。
もうひとつは新党結成提案の話題から離れ、先頃れいわ新選組の大西つねき氏が「命の選別を行なうべし」という旨の発言をしたことについて枝野氏の意見を求めた。
これに対して枝野代表は、「具体的な固有名詞と発言について、ここでは申し上げませんが、すべての命は対等、平等で、それを区別、差別するということは断じてあってはならない。これは私自身の確信であるし、社会の共通認識であると受け止めている」と答えた。
詳しくはぜひ動画をご覧いただきたい。