2020年9月7日(月)、午後1時より、東京・永田町参議院議員会館の会議室にて、立憲民主党と国民民主党の合流にともなう新党代表・党名選挙立候補者共同記者会見が開催された。
新党代表候補者は、立憲民主党・枝野幸男代表と国民民主党・泉健太政調会長の2名。この2名の政見表明に先立ち、海江田万里・代表選管委員長より、次のとおり挨拶があった。
「ご承知のように、コロナ禍のもとでの選挙ですので、従来であれば、街頭演説、あるいは集会などを開くところですが、感染拡大防止の為、今回は見送りまして、こうした形での共同記者会見、あるいは、共同の討論会、またはそれぞれの候補者がSNSなどを通じて発信するということで、皆様方にお伝えしていくことになります。
皆様、どうぞ、この2人の政見に対しまして、関心を持っていただき、色々なご意見もお寄せいただきたいと思います」
続いて、泉氏と枝野氏が、自らの政見と代表選出馬への思いをそれぞれ5分ずつ、表明した。
泉氏は、「私も、実は学生時代、もう25年ほど前でしょうか、その時から、当時あった民主党に参加をしていた人間でありまして、そういった意味では、長く、政権交代可能な政治、そして、庶民に優しい政治、また同時に、信頼される野党づくり、こういったものに長く取り組んできたひとりの人間でもある」と述べた。
その上で「この代表選を通じて、政権与党に対して、我々は多くの国民の期待と声を背負って対峙をしていく、その先頭に立つ決意でこれから頑張って行きたいと思います」と抱負を語った。
また、泉氏は「コロナが収束するまでの間、消費税は、一時的ではありますが、0%、そして、インフレ率が2%に回復するまでは、この0%の消費税というものを継続して、消費の回復、景気の回復をまずは最優先にしていきたいと考えています。持続化給付金のさらなる要件拡大・緩和なども含めて、コロナ対策に取り組みます」と、具体的な政策にも触れた。
これに対し、枝野氏は、バブル崩壊から約30年、戦後復興と高度成長を目指した時期から75年、そして明治維新から150年を振り返り、「日本はこれまでとはまったく違った時代に突入する」とした上で、以下のとおり、現代の日本が抱える問題の処方箋を提示した。
「まずは、新自由主義的社会を転換し、様々な危機にあっても命とくらしを守ることのできる『支え合う社会』を構築すること。
また、立憲主義にもとづく真の民主政治を取り戻して政治・行政の信頼を回復させ、命と暮らしを守るための『機能する政府』を実現し、『多様な地域』の持ち味を生かして、一極集中を転換し、『多様な生き方』を自由に選択できる社会を実現すること。
そして、国民の命と国益を守る『現実的な安全保障・外交政策』を推進する」。
2人の政見表明後、各社記者との質疑応答となった。
ある記者からの、「両候補とも消費税減税を打ち出しておられますが、泉候補は、先ほどの政見表明で0%とおっしゃいました。(中略)両候補に改めてうかがいますが、このタイミングでお二人が消費税減税を打ち出した理由を教えて下さい。また、消費税減税は次期衆院選では争点になるのか、教えて下さい」との質問があった。
これに対し、枝野氏は「消費税減税は、今の与党と野党が協力しないとできない。選挙の争点とは少し違うと思う」と答えた。
泉氏は「社会保障の財源は、消費税だけに限るものではない。私は今回の消費税0%凍結にあたっては、国債を発行すべきだという考えを持っている。この未曾有の国難において、今までにない超長期国債、100年債と言われることもある、コロナ債という考え方も含めて、財源を用意していく必要がある」と力説した。
合流新党の党名については、枝野氏は、「立憲民主党(略称:民主党)」を提案。泉氏は、正式名称・通称ともに「民主党」を提案した。
合流新党の代表選の投開票は9月10日。同時に、新党の党名選挙も行われる。