森友学園問題で自ら命を絶った元財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さん(享年54)の妻・雅子さんが2021年2月17日、 損害賠償裁判第3回口頭弁論後に、大阪市北区内で会見を行なった。
赤木雅子氏は、夫の故赤木俊夫氏が改竄記録を書き留めたとされる「赤木ファイル」の存在を主張し、大阪地裁に対し、国にファイルの提出を求め「文書提出命令」を出すよう申し立てた。
席上、赤木雅子氏は、国側が「赤木ファイル」の存在について「ファイルがあるかないかも言ってくれない。国の態度がまったく理解できない」と批判し、故赤木俊夫氏が「自分のやった犯罪行為はすべて書いて残してある」と述べ、「赤木ファイル」が明らかになることは、今後、国家公務員の再発防止のためにも重要だと強調した。
以下、赤木雅子氏が記者会見中に、口頭弁論時に述べた意見陳述を再度読み上げた。ここに全文を掲載する。
「今日のちょうど4年前である平成29年2月17日。安倍元首相は国会で、私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げにもちろん事務所も含めて一切関わっていない。もし関わっていたのであれば、総理大臣も国会議員も辞める」と述べました。
あれから4年経過したのにそして、この訴訟を提起してもうすぐ1年なのに、夫がなぜ自殺に追い込まれてしまったのか、その本当の理由を私は知ることができないままでいます。
国は、この訴訟が始まってから9ヶ月も経った後に、やっと公務災害認定に関する資料を提出しました。しかしこの資料には、改ざんに関する記載が一切存在しません。またこの訴訟では、今回の文書提出命令の対象となった赤木ファイルの提出を、訴状の段階から求めていました。
しかし国は争点と関係がないからという理由で、赤木ファイルが存在するか否かさえ答えてくれません。
一昨日、麻生財務大臣は国会で今井議員から赤木ファイルについて「存否ぐらいは教えていただけないでしょうか」という質問を受けた際、「訴訟に関わることは、訴訟外でお答えすることは差し控えております」と回答しました。
このように国は訴訟では争点と関係がないと言い、国会では訴訟のことは一切話せないと言っています。一体どういうことなんでしょうか?私には赤木ファイルの存否すら明らかにしようとしない国の態度が全く理解できません。
でも赤木ファイルの存在は、私と夫の生前の会話から明らかだと思います。夫は平成29年7月20日にうつ病で病休に入る前から私に対し、深刻な顔をして
「大変なことをさせられた」
「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」
「自分は犯罪者なんだ」と話すようになりましたが、その一方で
「自分がやってしまったことを、こと細かく書いて残してある」
「自分のやってしまった犯罪行為が全て書いて残してある」
「上司から言われたことや、上司の犯罪行為の全部書いて残してある」「ドッチファイル(※パイプ式の綴じ具が付属したファイル)に綴じてるんだ」と話していました。
病休に入ってあとも、夫は検察からの取調べが気になるのか、
「犯罪行為を細かく書いて残したから、自分は検察から取り調べを受けるんだ」
「検察は僕を取り調べて犯人にするつもりなんだ」
「大阪地検というところは怖いところなんだ」
「村木厚子さんのように、全て僕のやったことにされる」
「本省からの指示やったのに財務局、自分がやったことにされる」と何度も何度も繰り返し話していました。