日本医療労働組合連合会が、加盟する医療機関に対し、夏のボーナスについて調査したところ、6月30日の時点で回答した338の医療機関のうち、約3割にあたる115の医療機関で、ボーナス額が去年より引き下げられていたという調査結果が報告された。
コロナ禍での受診控えの広がりなどによって、病院の経営が悪化。今、「経済的医療崩壊」とでも言える事態があちこちの病院で起きている。
千葉県船橋市の船橋二和病院では、7月10日に、「コロナによる医療機関の大幅減収を労働者のボーナスカットで穴埋めするのは間違っている」として、ストライキを決行した。
2020年7月15日(水)18時より、千葉県船橋市の二和公民館にて、船橋二和病院労働組合記者会見が行われた。
冒頭、船橋二和病院労働組合書記長 柳澤裕子氏より、船橋二和病院労働組合のこと、ストライキ実施にいたる過程、そして、ストの反響などについて説明・報告があり、その後、各社記者との質疑応答となった。
船橋二和病院労働組合の組合員は、合計9名。4名が医師で、4名が看護師、そして、1名が理学療法士であるとのこと。常勤雇用、非常勤雇用、請負、派遣などなどで構成されており、船橋二和病院の運営を維持するために関わっている労働者のすべてに、雇用形態に関係なく門戸を開いている組合である。
二和病院労組は7月7日(火)に経営者側と団体交渉を開催し、以下の5つを経営側に要求した。
<経営者側への5項目の要求>
2020年夏季一時金を、正規雇用労働者も非正規雇用労働者もすべて1・5カ月支給すること。
退職金規定改定案(減額提案)を白紙撤回すること。
4週8休提案(労働時間延長提案)を白紙撤回すること。
医療減免制度撤廃案を白紙撤回すること。
安全と労働基準法を守ることが出来るだけの人員配置(大幅増員)をすること。
しかし、経営者側から前向きな回答を得ることができず、結果として、7月10日(金)にストライキを実施した。そのストライキのために起草された「ストライキ指示書」の中には、上記の5項目の要求の他に、もうひとつ、とても重要な目的が記載されていた。それは、「このストライキで医療を社会保障として奪い返す」というものである。
IWJ記者からの「コロナ禍で増幅された忙しさ中で、しかも専従の方がいらっしゃらないという環境の中で、どのようにして、このような志の高い活動のためのモチベーションを維持していたのか?」という質問に対して、柳澤氏の回答は以下のようなものであった。
「怒りですよね。やっぱりおかしいということ。私たちは、民主医療機関連合といって、共産党の大きな支持母体でもあるのですが、それが、コロナのときも何も言わないし、それ以前からなんですが、ずっと、ずっと、国会の中で議員を増やして、そこで頑張ってみたいなことばかりで、実際に闘うってことがまったくない。(中略)
労働組合というものが力強くなれば、ものすごい影響力を社会に持つのだけど、日本ではそれがどんどん奪われてきて、組合がダメなんだと、というか、機能してないという。(中略)すべての闘いは特殊な状況で始まる。一般的なものはない。『おかしい!』という人がいて、そこに声が上がる。それに多くの人が賛同し、大きな力になっていく。
行政が医療を削ろうとしている。私たちが今回のストライキで付けたゼッケンの中には、『公立病院の統廃合絶対反対!』というものもあった。本質的に医療は、社会になくてはならないもの。だから、経営を気にしながらやらなきゃいけないことそのものが、どう考えてもおかしいと思う。医者として、(経営者側から)『ベッドを埋めろ』と言われるが、私たちはそうではなく、ベッドにいる患者さんたちを退院させたい。
利益のために、そのような病床のコントロールが『おかしい』ものだとは思わなくなっていく。若い医師たちは、そういうことをあまり感じていない。そして、むしろそれが当たり前と思っており、『医療で経営して行かなければいけないじゃん』ということに疑問も持たない状態になっている」
二和病院の近くに住むものです。
市、県、国に怒り‼︎人権費を削って何に税金を使うのか?人口が増えている二和駅周辺に取って必要な病院の為に何故お金を出せない。人口密度から総合病院の必要性か考えられない役所の人はアホか?共産系とか自民系とか言ってる場合じゃない。💢