新型コロナ治療薬の認可状況、背景は?厚労省が「37.5度以上の熱が4日以上続くこと」との基準を設けた責任がいま問われている!厚労大臣に直接聞くが…~5.8加藤勝信厚生労働大臣 定例会見 2020.5.8

記事公開日:2010.5.8取材地: テキスト動画
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(取材・文 千浦僚)

 2020年5月8日(金)午前8時35分より、千代田区永田町の厚生労働省会見室にて、加藤勝信厚生労働大臣が定例記者会見が行われた。冒頭加藤厚労大臣より二件の報告がなされた。

 ひとつは「新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン」が都道府県共同募金会と中央共同募金会によって行われること、もう一件は現在の感染拡大の状況下で、妊娠中および出産後の女性労働者が感染の可能性が低く、その不安を感じることのない働き方をできるよう事業主を指導する「妊娠中の女性労働者の新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置」が本日5月8日より適用される旨の通知であった。

 その後の質疑応答でIWJ記者は加藤厚労大臣に二つの質問を行なった。まずひとつめは、昨日厚労省によって薬事承認された新型コロナ治療薬「レムデシビル」について、「静脈注射を行なうレムデシビルと経口投与するアビガンではアビガンのほうが使用の負担が少なく、またレムデシビルは米国製、アビガンは国産であるが、レムデシビルの認可がこれほど早くアビガンにはまだ時間がかかるのはどのような事情か」と問うた。

 加藤厚労相はレムデシビルとアビガンの二種の治療薬の認可状況について、「まずそれぞれ、観察研究、臨床研究、治験をしたりして安全性と有効性が認められたなかで、それぞれの企業が薬事承認の申請をし、厚労省でそれを踏まえて議論をしていくプロセスですから、それぞれのスケジュールにおいて早い遅いは当然出てくる。制度としてレムデシビルには特別承認という仕組みがあり、これは海外がその承認をしているかどうかが要因となる。アビガンに海外の承認はないのに対して、レムデシビルは先日FDA(アメリカ食品医薬品局。米国の医療品規制、食の安全を管轄する、アメリカ合衆国保健福祉省配下の政府機関)が緊急承認をした。いずれにせよそれぞれの流れのなかで申請がなされている。我々としては一日も早く必要な治療薬が使いやすい状況をつくってゆく、短縮できる手続きはできるだけ短縮するなどの努力をしてゆく。また、治療薬の開発と利用の研究も支援をしていきたい」と答えた。

 そしてもう一点、厚労省が2月17日より告知していた新型コロナ感染症のPCR検査等の前提となる、「37.5度以上の熱が4日以上続くこと」という、これにあたらぬ人が検査を受けられず、この条件に従って自宅待機する患者の病状悪化や死亡も起きた「目安」に関し、「これを設けたことの責任がいま問われているが、そのことをどう考えるか」と尋ねた。

 加藤大臣はこれについて、「再三再四申し上げておりますが、相談というのは、疑いのある方へのことと申し上げている。当初、新型コロナウイルス感染症の、どういう状況になるのかもわからないなかで、当時はカゼなどもありましたから、4日以上発熱が続く場合ならこれは必ず行っていただきたい、という目安で言っていた。それがある部分、相談を受ける側の基準として使われていたというご指摘もありますので、それは違います、と。むしろしっかり弾力的に、実際の症状も踏まえて対応していただきたいと、これも何度も通知を出させていただいている、という状況ではあります」と述べるのみであった。

■全編動画

  • 会見者 加藤勝信氏(厚生労働大臣、衆議院議員)
  • タイトル 加藤勝信 厚生労働大臣 定例会見
  • 日時 2020年5月8日(金)8:30過ぎ〜
  • 場所 厚生労働省(東京都千代田区)

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