【特別寄稿】20年来の立憲・福山哲郎幹事長の支持者が京都の路上で叫ぶ!「門川候補に相乗りするなら京都に来るな!」市長選で福山和人候補の街宣に「立憲」のプラカードを掲げた思いは党幹部に届いているか? 2020.2.4

記事公開日:2020.2.4取材地: テキスト
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(取材・文:ジャーナリスト横田一)

 2月2日に投開票となった京都市長選は、公明党本部と自民党京都府連の国政与党と立憲民主党京都府連、国民民主党京都府連、社民党京都府連の野党が相乗りとなって支持した現職市長の門川大作候補が、新人で共産党とれいわ新選組が推薦する弁護士の福山和人氏、同じく新人で前京都市議の村山祥栄氏の2人を破り、4回目の当選を果たした。

 得票数は門川氏21万640票に対し、福山氏が16万1618票、村山氏が9万4859票。

 投票率は前回の35.68%を上回り、40.71%だった。

 一方、京都新聞が2日の投票日に行った出口調査によると、全体の3割近くを占めた無党派層の投票先は、門川氏の26.4%、村山氏の30.6%に対し、福山氏が38.7%と最多だった。

▲福山和人候補の応援演説をするれいわ新選組・山本太郎代表(横田一氏提供)

 選挙戦最終日となった2月1日の夜、最終選挙演説の場で、このデータを裏付けるような光景が見られた。

 共産、れいわが推薦氏し、れいわの山本太郎代表も応援演説を行った福山門川候補の最終街宣の場に、青地に白抜きで「立憲」と書かれたプラカードと「れいわ新選組」と書かれたプラカードを一緒に掲げた女性支持者が現れたのである。立憲民主党の京都府連は門川候補の推薦を表明しているはずである。

▲福山和人候補の最終演説に集まった聴衆(横田一氏提供)

▲京都市長選 福山和人氏による最終演説で、立憲のプラカードを持った支持者が集まり、選挙戦はさらなる熾烈な争いに!! 京都市長選 無所属 福山和人候補 街頭演説(三条河原町)2020.2.1

 フリージャーナリストの横田一氏が福山候補の街宣終了後、このプラカードを掲げていた女性に話をうかがった。女性は、吉村直子さんとおっしゃる方だった。

横田一「『立憲』『れいわ』のプラカードを掲げられていた意味は何ですか?」

吉村直子氏「実は22年前に福山哲郎さん(立憲民主党幹事長)の初当選の時に応援したくらい、長年福山哲郎さんの支持者だったのです。立憲民主党が出た時に喜んで支持者でツイッターで集まったのですが、西脇(隆俊)府知事も門川市長も政策が嫌で、(一方の対抗馬の)福山和人候補の政策に惚れ込んで、熱心な立憲支持者が10名くらい京都府知事選の時から福山和人選対に入ってボランティアをしていたのです。

 その流れで今の京都市長選でも、福山和人さんを応援しています。私は、れいわ新選組と共産党と立憲民主党を支持しているのですが、『京都では立憲はどこかに行って欲しい』『国政だけやっていてほしい』という気持ちです。『門川候補に相乗りするのなら(京都に)来るな』ということです。

 福山哲郎幹事長は京都府連会長を辞めたのですが、私も20年前から知っている福山哲郎さんと(京都市長選で相乗りはおかしいと)何度も交渉をしました」

▲吉村直子氏(横田一氏提供)

横田「コアな立憲支持者だったわけですね?」

吉村氏「そうなのです。(福山哲郎幹事長が)当選する前から知っているわけですから。初当選の選挙は大学生の時でしたが、22年前の選挙でどっぷりと応援をしてトップ当選をして、青春の1ページだったのです。それから当選を重ねて、立憲の幹事長になったと思っていたら、府知事選と市長選で立憲が(与党と)相乗りするようになった」

記者(他社)「立憲とれいわが野党共闘とならずに国政で競合した場合、どちらを支持されるのでしょうか?」

吉村氏「私は政党よりも(候補者)個人で選ぶので、選挙でも立憲の人を入れる場合も入れない場合もあります。もし『共産党とれいわ』と、旧民主党系(立憲と国民)で別れた場合は、『共産党とれいわ』の方を選ぶと思いますが、それは『どちらかといえば』ということで、基本的には候補者を見て選びます」

横田「れいわが野党共闘の条件としてあげる『消費税5%減税』を立憲が受け入れて欲しいですか?」

吉村氏「受け入れて欲しいですね。もう少し妥協点があってもいいのかも知れませんが」

記者(他社)「立憲に対する熱が冷めた理由は何ですか?」

吉村氏「それは、京都府知事選と市長選での(与党候補への)相乗りですね。福山和人さんは政策が素晴らしいのに、立憲は相乗りで自公推薦候補を推した。それが一番腹が立ちますね。福山和人さんを応援する京都の共産党は評価しますね。他の地域の共産党は知りませんけれども」

 「京都の特殊事情」という言葉で片づけ、立憲や国民民主のリーダーらは、京都において自公候補を応援する理由について、一般の有権者にも、そしてこのような熱心な立憲支持者らにも納得のゆく説明をしてこなかった。この選挙の後に、「しこり」が解きほぐれるような説明がなされるのだろうか?そうでなければ、希望はやがて絶望へと変わることだろう。

 IWJが報じた京都市長選は以下の記事をご覧ください。

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