2012年12月15日(土)9時30分より、福島県郡山市の福島県産業交流館ビッグパレットふくしまにおいて、政府および国際原子力機関 (IAEA) が共催する「原子力安全に関する福島閣僚会議(1日目)」(The Fukushima Ministerial Conference on Nuclear Safety) が行われた。
(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)
2012年12月15日(土)9時30分より、福島県郡山市の福島県産業交流館ビッグパレットふくしまにおいて、政府および国際原子力機関 (IAEA) が共催する「原子力安全に関する福島閣僚会議(1日目)」(The Fukushima Ministerial Conference on Nuclear Safety) が行われた。
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冒頭の挨拶で、玄葉外務大臣は「この会議の目的は、国際的な原子力安全の強化に貢献すること。1. 福島第一原発事故から得られた教訓、2. 原子力安全の強化に関する国際社会の様々な取組、3. 放射線からの人及び環境の防護、について議論する機会にしたい」と述べた。次に共同議長のファディラ・ユソフ マレーシア科学技術革新副大臣が開会の辞を述べた。
玄葉大臣は主催国代表演説で、「発災から1年9カ月たち、被災地復興と再生に最大限の努力を払い邁進している。世界の叡智をここに集め、被災地・福島の取り組みを世界に発信し、廃炉、除染及び廃棄物処理、健康管理などに関して、国際社会との協力をさらに強化する契機としたい」と、福島の現状、課題、復興政策などを語った。
トカレフ国連軍縮会議事務局長の演説に続き、デルフィーヌ・バトー仏エコロジー・持続可能な開発・エネルギー大臣が「今回の会議は、国際的に、発展と安全に対する意欲を示している。透明性を強化するため、IAEAの行動計画を実施するべき。フランスが自発的に原子力の情報開示を行っているのは安全性の確保のためだ」などと話した。次に、ロシアの国営原子力企業ロスアトム社のセルゲイ・キリエンコ社長が「今回、専門的で率直な意見交換をすることで、国際的な原子力の安全性を確立する機会になる。IAEA行動計画にも、ロシアのプログラムを提示してきた。2012年にはウラジオストック極東航路を開港し、日本に向けウラン製品の輸送も始める」と、ロシアの原子力政策、安全計画、ロシア国内での原子力産業への取り組みなどをスピーチした。
アメリカ合衆国原子力規制委員会のアリソン・マクファーレン委員長は、「日本政府の、独立して透明性をもった原子力規制委員会の設置を評価する。まず、事業者が施設に関して安全を確保する必要がある。そのためにアメリカには原子力発電運転協会(INPO)があり、世界では世界原子力発電事業者協会(WANO)が、事業者の指針・監督・指導などを行っている。今後、世界的な賠償制度の立案と推進があり、補完的賠償条約などの強化の必要性がある」と、米国の原子力行政や福島の事故から得た教訓などを話した。そして、ベラルーシのウラジミール・バチェンコ非常事態省大臣が、「チェルノブイリ原発事故は2350億ドルの損失を及ぼし、人的、経済的損失は計り知れない。現在、子どもの甲状腺異常などに対応する医療体制が重要になってきている」などと述べた。
その後、各国の代表スピーカーから、本会議への謝辞、自国の原子力行政と現状、原子力に対する課題と抱負などが語られた。登壇したのは、タイ科学技術大臣、ブルガリア経済エネルギー観光大臣、イラク科学技術大臣、ザンビア鉱業エネルギー水資源開発大臣、タンザニア通信科学大臣、シンガポール首相府外務・環境・水資源第二大臣、韓国原子力安全委員会委員長、中国国家核緊急事態協調評議会議長(CNNECCO)、サウジアラビア・アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(KACARE)総裁、オーストラリア保健省放射線防護・原子力安全局局長、パキスタン外務担当国務大臣、イラン外務省次官。最後に、トルコ原子力エネルギー機構総裁のスピーチで午前の部が終了、ワーキング・ランチに移った。
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