【第414-419号】岩上安身のIWJ特報!スクープ!日銀が発表した英語論文の謎 アベノミクス・黒田バズーカによる副作用の責任を逃れようと裏で金融緩和の出口を模索!? 岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー(中編) 2019.3.31

記事公開日:2019.3.31 テキスト独自
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 前回の「岩上安身のIWJ特報!」、「岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー(前編)」で語られた「日本銀行総裁人事の重要性」。アベノミクスの発動に伴い黒田東彦(はるひこ)氏が日銀総裁に就任したが、財務省あるいは大蔵省出身者が日銀総裁に連続就任するのは実に130年ぶりである。

 現在の貨幣には金などの担保が何もなく、日本銀行の信用だけにもとづいて管理している。日本は日銀の独立性、日本円の信認を維持するために、財務省(大蔵省)出身者の日銀総裁への連続就任を130年封印してきた。日本銀行の信用が失墜すれば当然、日本円の信認も失墜する。日本銀行は政府と対等でいなければ信認は維持できないのである。

 アベノミクスはそのタブーを破り、日銀を政権のコントロール下においてしまって金融緩和をしていると国内外にアナウンスしているようなものである。

 そしてここに一つのスクープがある。日銀が発表した「わが国の自然利子率―DSGEモデルにもとづく水準の計測と決定要因の識別―」という論文である。この論文は英語と日本語で発表されたが、英語版は2018年3月に、日本語版は同年6月に発表された。日本人には知られたくない副作用があるから、日本語版を3ヶ月遅れで発表したのではないか、との疑いがわく。

 「異次元金融緩和」というバズーカが全く効かない。「2年で物価上昇2%を達成」という目標は六度も延ばされ、いつまでもデフレ脱却ができない。アベノミクスは明らかに失敗である。しかし、失敗を認めずに、実はその裏で金融緩和の出口を模索しているという。表向きでは、政府はアベノミクスの「成功」を自画自賛し、景気の上昇を喧伝しているが、水面下ではひっそりと方向転換をはかる、というのは、実は日本経済はかなりの危機に直面しているのではないか。

 金融緩和の副作用として国債暴落の恐れがあるが、一方で、マイナス金利で行きづまった地方銀行の苦しまぎれの不正疑惑、ブラック企業の台頭、少子高齢化の実態とはかけ離れた不動産操作が頻繁に起こっている。こうした事実に対して、国民はいまだに反応が鈍いのではないか。

 前回に引き続き、日銀の詭弁、さらにアベノミクスの失敗の事実について、エコノミストの田代秀敏氏に問題の核心を解説していただく。

▲田代秀敏氏(IWJ撮影、2018年7月1日)

記事目次

  • 首都圏に偏る「フェイク景気」。地方は非常に疲弊し地方銀行も疲弊している。その原因は中央の金融政策のまずさ
  • 財務省(大蔵省)出身者が日銀総裁に連続就任するのは130年ぶり! 日銀が財務省に言いなりにお金を出していると、日本円は信認を失う!?
  • 金融緩和でダブついた資金は国債市場へ流れるが、民間が復調せず直接税の税収が減れば財政は悪化、政府はさらに国債を発行することになる。しかし債務超過がかさめば国債はいずれ暴落する
  • 累積する国債残高。毎年10兆円ずつ減らしても返済に88年かかる。超低金利政策で利払い費を抑え国債を膨張させたアベノミクス!その前提が崩れ金利が上昇し始めたら、社会保障費と地方交付税が犠牲に!?
  • 現代日本の財政赤字は、軍部が暴走した異常時を超えるほど水準に! 戦中派が守り続けた財政規律のタガが外れたのは、1965年オリンピック反動不況を乗り越えるための赤字国債!
  • 日本には本当に資産があるのか? 売れないインフラ資産をいくら持っていても債務返済はできない!国債の利払いが遅れれば日本はデフォルトしてしまう! 実は財務省がそうした事態を警告するグラフを発表している!
  • 人口は勝手に増え、戦争をすれば植民地も賠償金も取れ、切羽詰まれば「経済なんて金利次第、貨幣供給量でどうにでもなる」とうそぶく人々の頭の中はどれだけ時代に取り残されているのか!?
  • 労働力への期待、税収、社会福祉も人口増加があってこそ。思考回路の大転換もなく、少子化は傍観、なし崩しの移民国家を認めつつある理解しがたい国が今の日本!
  • 異次元金融緩和の失敗については、すでに国立国会図書館の研究者が指摘済み。ということは、すでに日銀もこの政策の失敗に気づいている。小出しにメッセージを送っているのは国民の目くらましのため!?
  • 40年で人口が50%以上減少する地域が続出するのに、住宅ローン市場が過熱する不思議。不況下で過酷化するローン取り立て!!
  • 人口減少へ向かうことが明らかなのに相続税対策で乱立するアパート!気軽に「サブリース契約」に手を出すと取り返しのつかない事態に追い込まれる危険が!!
  • シェアハウス「かぼちゃの馬車」運営会社の破綻した問題で、金融庁は資金を融資していたスルガ銀行に、書類改竄の上融資した疑いで立ち入り検査を実施した。健全名門銀行でさえ逃れられなかった蹉跌
  • スルガ銀行事件の背景〜安倍政権が誕生し、アベノミクスによる異次元金融緩和以降、劇的に悪化した金融機関の経営現状!預金通帳の数字の操作は偽金作りに等しい!
  • 「ノルマ」は元々はロシア語!計画経済のソ連で用いられていた!ソ連崩壊のミニミニ版が日本各地で起きつつある!?会社の承諾なしに死んだら損害賠償請求されるかもしれない鬼過ぎる未来!?
  • シェアハウス会社倒産は日本版サブプライムローン問題の端緒か!?地方銀行の破綻はメガバンクの破綻へとつながる!日本の資本主義の正真正銘の危機!!
  • ブラック企業大東建託に見る犯罪まがいの闇。これもただの事件と捉えるのではなくアベノミクスの副作用と見るべき
  • 需要が縮小しているのに節税対策としてアパートが急増している異常!他方で全国で急増する空き家!止められない「共有地の悲劇」の果てに日本はどうなるか!?
  • 2015年の相続税増税が招いたアパート空室率の急上昇!安倍政権の成長戦略の政策の失敗!神奈川県はすでに空室率4割に!
  • 14年後の2033年には全国で空き家が2000万戸、空室率30%に!3軒に1軒が空き家!放置された廃屋は野ネズミが駆け回る事態に!?
  • コンパクトシティ化で、ターミナル駅上にタワーマンション建設の愚!!自治体が建設費を補助するも、地方債を発行した債務の行方はどうなるのか!?国と同様、破産必至!?

首都圏に偏る「フェイク景気」。地方は非常に疲弊し地方銀行も疲弊している。その原因は中央の金融政策のまずさ

岩上安身(以下、岩上)「本日は、前回もご登場いただきました、シグマ・キャピタル株式会社のチーフ・エコノミストである田代秀敏さんをお招きして、二回目のインタビューをお届けします。田代さん、よろしくお願いします」

田代秀敏氏(以下敬称略)「よろしくお願いします」

岩上「今日も暑いですね。どこも大変な暑さだし、雨は降るし、カンカン照りにはなるし、非常に気候が乱脈になっています(※1)。ご実家の福岡は大豪雨になっているそうですが、大丈夫なのですか?」

田代「九州の方は歴史的豪雨(※2)で、今の観測体制ができて以来のことです。川も近くて少し心配な所ですかね。本当にもう、『地球温暖化』っていう言葉が、ちょっと独り歩きしちゃったんで、マズかったと思うんですね。やっぱり『気候変動』(※3)と言うべきで。僕たちがもう、今まで常識としてきた気候じゃないんですよ。

 問題は、どこでも高齢化が進んでいるから、災害に対処できないことですよね」

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