共同通信社が7月21日、22日に実施した全国電話世論調査によると、安倍晋三政権の西日本豪雨への対応を「評価する」としたのは27.5%。「評価しない」は62.2%で、「評価する」を大きく上回った。
安倍総理は「政府一丸となって、災害発生以来、全力で取り組んできた」などと真っ赤な嘘をつき、その嘘を「公共放送」であるべきNHKが「6日から全力で取り組んできた」と嘘の大盛りをして、プロパガンダ放送を垂れ流している。本当に嘆かわしい事態である。
NHKはこれまでにも安倍政権および安倍個人を不当に擁護する「偏向」報道が絶えなかったが、とうとう報道で「個人の論評」としてでなく、あたかも「事実」であるかのように嘘を流し始めた。NHKは完全に安倍政権のデマ宣伝機関になり下がったと言っていい。
- 会見者 石井啓一氏(国土交通大臣、衆議院議員、公明党)
- タイトル 石井啓一 国土交通大臣 定例記者会見
- 日時 2018年7月20日(金)9:10頃〜
- 場所 国土交通省(東京都千代田区)
「空白の66時間」、安倍総理は豪雨対策などそっちのけで、自身の自民党総裁三選を優先して行動した!?
真実はどうだったか。気象庁が異例の会見を開き、週末にかけて「記録的な大雨となる恐れ」があるとして厳重な警戒を呼びかけた7月5日午後から、7月8日午前9時過ぎになって、ようやく非常災害対策本部が設置されるまでの「空白の66時間」、安倍総理はいったい何をしていたか、時系列で追ってみよう。
7月5日夜、安倍総理は東京都港区の衆院赤坂議員宿舎で開かれた、自民党の若手議員と党幹部や閣僚との交流を目的とした懇談会「赤坂自民亭」に出席。7月6日夜は、首相公邸での自民党無派閥議員との極秘会合に参加していた。いずれも豪雨対策より、自身の総裁選三選を優先しての行動だ。
ちなみに、7月7日午前には「7月5日からの大雨に関する閣僚会議」を開いたものの、わずか15分間。7月8日の非常災害対策本部の第1回会議もわずか20分間で、午後には私邸に戻り、来客もなかった。これが、NHKが言う「6日から全力で取り組んできた」という安倍総理の実際の行動である。
さらに、終盤国会でも「カジノ法案」で人命よりもカジノを、「参院議席6増」で被災地の救援よりも自民党参院議員の救済を優先した。立憲民主党の枝野幸男代表は7月20日、衆院本会議での2時間43分に及ぶ内閣不信任案の趣旨説明の冒頭、「この一点をもっても、安倍内閣は不信任に値する」と強調した。
記録が残る1972年以降、衆院で最長だった枝野代表のこの演説は、扶桑社により書籍化され、「緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説『安倍政権が不信任に足る7つの理由』」と題し、8月10日ごろに全国の書店に並ぶ予定だ。IWJでは発売に先立つ8月6日午後3時から、岩上安身が枝野代表にインタビューをおこなうので、ぜひご覧いただきたい。
西日本豪雨では、「想定最大降雨」をはるかに上回る雨量を記録。それを理解していないのであれば、石井国交相は大臣としての資質を疑われる
7月20日午前、国交省で、石井啓一国交相の定例会見がおこなわれた。
▲石井啓一国交相
国交省関東地方整備局が2016年に公表したハザードマップ「荒川水系荒川洪水浸水想定区域図」では、72時間雨量が計画規模(200年に一度の豪雨)で516ミリ、想定最大規模(1000年に一度の豪雨)で632ミリとなっている。だが、西日本豪雨ではそれをはるかに上回る、最大1319.5ミリの72時間雨量を高知県馬路村の魚梁瀬(やなせ)で記録している。
また、10位の長野県大滝村の御嶽山(おんたけさん)でも693.5ミリ、20位の岐阜県高山市の清見でも538.5ミリを記録したほか、今回の西日本豪雨では全国119ヶ所で、観測史上最大の72時間雨量を記録している。
▲国交省関東地方整備局が公表したハザードマップ「荒川水系荒川洪水浸水想定区域図」(想定最大規模)
IWJ記者は石井国交相に、「想定雨量を早急に見直し、対策を立て直す必要があるのではないか。スーパー堤防やダムよりも、早急に現在の堤防を強化する必要があるのではないか」と質した。