【岩上安身のツイ録】「小池劇場」の陰で売国条約が− TPP強行採決当日に「バイキング」で岩上安身がコメント 2016.11.6

記事公開日:2016.11.6取材地: テキスト
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特集 TPP問題

 11月4日(金)11時55分から、フジテレビ「バイキング」に出演しました。

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▲「バイキング」公式HPより

 番組は、就任から3か月を経た小池百合子東京都知事の都政がテーマでした。私はコメンテーターとして、「劇場型都政」を支えるマスメディアの問題や、小池劇場を隠れ蓑に、自民党がTPPの批准を進めていることを指摘。さらに、小池都知事が橋下徹元大阪府知事に対して、自身の政治塾の講演を依頼したことに関連して、「小池劇場」と「橋下劇場」との共通性を指摘しました。

小池新党の影響力は?

 小池都知事が塾長を務める政治塾「希望の塾」の開塾式が10月30日、都内で開かれ、2900名あまりが入塾しました。この政治塾は「小池新党」設立への布石ではないかと見られています。

 番組では、小池都知事が開塾式の中で「皆さんが批評家ではなく実際にプレーヤーとなって参加するような方向を目指していきたい」と挨拶したことが紹介され、番組に出演した音喜多駿(おときた しゅん)東京都議も、選択肢の一つとして、新党設立もあり得ると述べました。

岩上「(小池新党ができたとしても)都議会の個々人のレベルでは、当選が危うくなり、危機感を感じている人もいらっしゃるかもしれないが、国政レベルで見たときは、自民党はかなり余裕ですよ。

 表面的には警戒しているようなことを言っているけれども、まだまだ余裕があるし、むしろ今自民党は、目の前のやらないといけないことがあって、今日(11月4日)TPPを、衆院TPP特別委員会で通そうとしていて、本会議でも可決したい。これをできるだけスムーズに、世間の注目を集めない形でやりたい。

 そういう間にメディアが都政、小池劇場に注目がいっちゃっているわけですね。これは(自民党にとって)非常に好都合だと思いますよ」

TPPに関して手のひらを返した自民党−批判票の受け皿は?

 私が出演した11月4日は、前述の通り、TPP承認案・関連法案の特別委員会での採決が予定されていました。

岩上「自民党としては、選挙前、野党時代に『TPP断固阻止』と言っていたわけですから、そして『TPPがいかに売国的な条約か』ということを言い、(当時TPPを進めようとしていた民主党を)ものすごく叩いた。

 (TPPについては)野党時代に言っていた自民党の言い分の方が正しいんですよ。これが、政権とったらコロっと変えちゃって、『断固阻止』どころか、『強行採決も辞さず』という風なことになっているんですよね。

 これは多くの、特に地方の自民党支持者だった人の批判をよんでいます。

 このあいだの新潟の知事選、僕は新潟に入って結構取材したんですよ。そうするとやっぱり、(TPPについての主張を180度変えた自民党に対する)恨みを持っている人がずいぶんいますね。最終的には、自民党の支持層の3割が野党候補の米山さんに投票したんですよ。棄権じゃなく、野党候補に投票したんです。

 みんなその原因は原発だと思っているんですけど、原発だけじゃない。TPPもかなり大きいですよ。

 これが先行モデルですよ。地方票をこれからやっていくときに、自民(支持層)から『TPPをやってくれちゃったね』という恨みが出てくる。それにより(自民党から)離れてくる票が相当ある。そういう人は、基本的には保守の人たちですから、保守で自民じゃないところに入れたいという動きが出てくると思いますよ」

 TPP承認案を審議するための特別委員会は、同日午後2時30分、民進党、共産党の反対を押し切って開かれました。民進党、共産党は、山本有二農水相の「強行採決するかどうかは佐藤勉さんが決める」「(強行採決と)冗談を言ったら、クビになりそうになった」という軽口、さらには利益誘導を示唆したと受け取られても仕方のない「(JA関係者に対し)明日でも田所先生の紹介で農水省に来ていただければ、何かいいことあるかもしれません」という発言を問題視。大臣の辞任と審議の一時停止を要求しましたが、自民党は反対を押し切った形です。

 自民党の塩谷立(しおのや りゅう)TPP特別委委員長は、民進、共産両党が退席し、反対討論がおこなわれないまま、議事を進め、賛成討論のみで強行採決するという暴挙に出ました。TPP承認案は週明けの衆議院本会議で可決、安倍総理は今月30日までの会期を延長し、来月には承認される見込みです。

小池都知事と橋下氏がタッグ?

 小池都知事は、橋下氏に自身の政治塾の講師を依頼しました。橋下氏は「前向きに検討」しているようです。小池都知事と橋下徹氏の接近については、番組内では、以下のようにコメントしました。

岩上「これはくっつくべきところにくっついた、『ああ、やっぱり』と思っている人が多いんじゃないですか。

 小池劇場、小池旋風、この移りゆき自体が、既視感があるというか、橋下劇場の再現という感じが皆さんしていると思いますよ。

 橋下さんは2012年の段階で維新政治塾を立ち上げられたでしょう。そこを母体にして政党(現在の日本維新の会)をつくっている。そしてその年に国政に進出するわけじゃないですか。民進党の野田さん(元首相)を攻撃して、『大飯原発再稼働を許さん』と言って、当時は反体制派みたいな感じだったんですよ。

 それで非常に人気を集めて、メディアの注目度も高くて。この流れが今の小池劇場とそっくりなんです」

 「小池劇場」「韓国大統領のスキャンダル」の陰で、TPPや「年金カット法案」など、国民生活に多大な影響を与える法案審議が次々に進められようとしています。

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