10月16日に投開票が行われた新潟県知事選挙で、約52万票を獲得して当選した米山隆一氏。当初、自民・公明が推薦する前長岡市長の森民夫氏に対し「圧倒的劣勢」が伝えられていた米山氏だが、フタを開けてみれば6万票以上の差をつけての圧勝となった。
選挙の興奮も冷めやらぬ10月20日、岩上安身は米山氏に単独インタビューを敢行。出馬に至った経緯や、今後の新潟県政に対する抱負、「自主投票」を決めた民進党と森氏を支援した連合新潟への思い、選挙戦で争点となった柏崎刈羽原発再稼働の是非など、幅広いトピックについて話を聞いた。
- 日時 2016年10月20日(木) 12:00~
- 場所 IWJ事務所(東京都港区)
米山氏「政策が同じであれば、誰とでも組むのが政治の基本」――「原発再稼働反対」を望む民意から遊離し、「原子力ムラ」に屈従する連合と民進党
新潟県は、東京電力・柏崎刈羽原発を擁する原発立地自治体である。そのため、電力会社の労働組合組織である電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)の意向により、連合新潟は柏崎刈羽原発の再稼働に前向きの姿勢を示してきた。その結果、「泉田路線の継承」を掲げ「柏崎刈羽原発の再稼働反対」を主張する米山氏に対し、民進党は支持母体である連合新潟の意向に配慮して公認を与えず、「自主投票」とすることを決定した。
この間、連合新潟がどのように民進党側に「圧力」をかけていたかという点については、10月17日にIWJが連合新潟事務局長の牧野茂夫氏に取材して明らかにしているので、以下の記事をご一読いただきたい。
しかし、連合新潟と民進党執行部の意向に反し、選挙戦中盤頃から、民進党の国会議員が次々と自主的に新潟入り。阿部知子衆議院議員や近藤昭一衆議院議員といった「党内リベラル派」だけでなく、前原誠司衆議院議員のような「党内タカ派」も米山氏応援のために新潟入りし、共産党の小池晃書記局長と肩を並べてマイクを握った。このように新潟現地では、共産党をも含めた「野党共闘」が最終盤では実質的に成立していたのである。
この日のインタビューで米山氏は、こうした「野党共闘」のあり方について、「民進党と共産党はかなり政策が似ている。『政策が同じであれば、誰とでも組む』というのが政治の基本ではないか。こうした基本は、やはり大事にしたほうがいいと思う」と語った。
▲インタビューの様子――10月20日、IWJ事務所