衆院選の補欠選挙であるというのに、重要な国政課題を語ることもなく、都政との連携ばかりを強調――。
2016年10月21日、東京都練馬区の小学校の体育館にて東京10区補選・若狭勝候補個人演説会が開かれ、小池百合子東京都知事らが応援弁士として駆けつけた。
小池百合子氏が演説の最中に、若狭勝候補が会場に到着。会場からは拍手とともに、「わ・か・さ! わ・か・さ!」と、コールが沸き起こった。
(取材・文:阿部洋地 記事構成:城石エマ)
衆院選の補欠選挙であるというのに、重要な国政課題を語ることもなく、都政との連携ばかりを強調――。
2016年10月21日、東京都練馬区の小学校の体育館にて東京10区補選・若狭勝候補個人演説会が開かれ、小池百合子東京都知事らが応援弁士として駆けつけた。
小池百合子氏が演説の最中に、若狭勝候補が会場に到着。会場からは拍手とともに、「わ・か・さ! わ・か・さ!」と、コールが沸き起こった。
■ハイライト
若狭候補は「小池百合子氏が東京都知事になったことで、都民のための政治に戻っている」とし、「さらに推進していかなければならない」と述べた。その上で大事なことは、「国会議員の方から小池知事を支援する、サポートする。そういう人間が国会にいないとダメなんです」と主張すると、会場からは拍手が起こった。
また、当選することも大事だと前置きした上で、「一票一票というかたちで、大きな力をいただいているというのを、結果として残すというのも非常に大事だと思う」と述べ、「結果が残せれば、連携役、サポート役として、力を存分発揮できる」と、当選とともに、獲得票数についてもアピールした。
若狭氏は今年7月の東京都知事選挙で、小池氏の応援に奔走した陰の立役者である。その若狭氏が、小池氏の都政転出にともなう空席を狙って衆院補選に出馬し、小池氏が応援にくることは不思議ではないだろう。
けれども、衆議院議員としての一番のアピールポイントが「都政との連携」というのは、やはり小池知事の人気に便乗しただけの訴えにしか聞こえない。国政における重要な政策課題は他にいくらでもあるはずだ。
若狭氏は20日にも池袋で街宣をし、小池知事が応援に駆けつけた。そこでは黒山の人だかりができるほど人が集まり、小池知事の人気ぶりをうかがわせた。
一方で、対立候補の民進党・鈴木庸介氏は苦戦を強いられている。さらに最終盤にさしかかったところで、民進党の最大支持母体の連合が、鈴木氏の応援に送り込んでいたスタッフを引き上げるなど、「味方」のはずの連合から、陰湿な「圧力」を受けている。
若狭氏が、国政の重要課題に踏み込むこともなく、選挙戦を楽々と乗り切ろうとしているのも、選挙の勝敗を度外視して「野党共闘」阻止することが目的化している連合の、オウンゴールアシストに助けられてのことなのかもしれない。連合は、自公支持団体であることをそろそろ明らかにした方がいい。