2016年10月12日(水)、東京都内で「もんじゅ西村怪死事件・遺品返還訴訟」の証人尋問後の報告集会が行われた。
もんじゅ西村怪死事件・遺品返還訴訟とは、1995年にもんじゅのナトリウム漏洩火災事故が起き、その事故の調査を担当した西村茂生氏が怪死した事件で、西村氏の妻のトシ子氏が、警視庁中央警察署と東京都に対して遺品の返還を求めた遺品返還訴訟のこと。
西村茂生氏は動燃(動力炉・核燃料開発事業団=現・日本原子力研究開発機構<JAEA>)の総務部次長であった。「自殺」したとされる西村氏の死について動燃は十分な情報を出さず、不審な点も多いといわれている。
この日の証人尋問には、遺体発見現場に臨場し、検視した3名の警察官の内(その内1名は既に亡くなっている)、2名の元警察官が出廷した。
弁護士の酒田芳人氏は公判後の報告集会で、「遺品がどういう風にして現場にあったのか、そして誰が保管をして、どういう風に遺族に渡されたのか、あるいは渡されなかったのか」といった点を追及しているとし、この日の新たな事実として、検視の案件については取扱簿を作ることが判明したと述べた。
酒田氏は「こうした記録が警察署に残っているのではないか。残っているのであれば(取扱簿を)見せろとなっていくんじゃないか」と今後の争点を示した。