緊急事態条項、マイナンバー制度「安倍政権で広めるのは日本の将来にとって危うい」〜前原元代表、山口二郎法政大教授との会食は「事実」〜生活・小沢一郎代表会見 2016.1.26

記事公開日:2016.1.28取材地: テキスト動画
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(取材・文 ぎぎまき)

特集 マジありえない共謀罪・盗聴法・マイナンバー
※1月28日テキストを追加しました!

 「3人で会ったことは事実。意見の違う山口先生と前原さんが個別に議論したことがないというので、誤解のまま過ごすことはないだろうと、私が二人を引き合わせた」

 生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表は、2016年1月26日の定例記者会見で、24日に前原誠司元民主党代表と政治学者の山口二郎法政大教授と3人で会食した事実を認めた。小沢代表が両者を引き合わせたという。参院選で結果を出すためには野党連携が最低条件だとする認識を共有していたという二人。忌憚なく憲法論議を交わしたようだが、小沢代表は会話の中身をそれ以上明かすことはなかった。

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■ハイライト

■全編動画

  • 会見者 小沢一郎代表
  • 日時 2016年1月26日(火) 17:00〜
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

小沢氏、個々の政策では安倍政権の政策に反対なのに、選挙となると自民党を支持してしまう日本人の矛盾をつく!!

 宜野湾市長選に関連してIWJが質問すると、「日本人の曖昧さやいい加減さが日本の民主主義の定着を妨げる最大の要因になっている」と指摘。ほかの記者からも甘利大臣の金銭授受問題から野党再編、マイナンバー制度に及ぶ質問が相次ぎ、小沢代表からは緊急事態条項への言及もあった。

宜野湾市長選挙「自己主張を貫かなければ自立した人間にはなれない」

 琉球新報、毎日新聞、共同通信が合同で実施した宜野湾市長選投開票日当日の出口調査によると、普天間飛行場の辺野古移設に反対した56%の有権者のうち3割近くが、与党推薦の佐喜真淳氏に投票。NHKの出口調査では、2014年の沖縄県知事選で翁長雄志氏に投票したうちのおよそ3割も、佐喜真氏に投票している。県民の約7割が新基地建設に反対するという圧倒的民意の中、「辺野古」だけが争点にならなかった今回の選挙から次期参院選にいかせる教訓は何か。IWJが小沢代表に聞いた。

 「これは、沖縄だけの問題だけではない。日本人の意識には『二重』の側面がある。個々の問題で安倍内閣の政策を見れば、みな反対が多い。では、なぜ支持するのか。TPPだって反対だといいながら、なぜ、自民党を支持するのか。日本人のこうした矛盾。

 欧米人的な合理性から言うとものすごく矛盾したことを日本人は平気でやる。欧米流になれというのではなく、ここを直さないと。自己主張を貫かなければ、自立した人間にはなれない。沖縄だけの問題ではなく、日本人の曖昧さ、いい加減さが、民主主義の定着を妨げる最大の心理的な要因だと思っています」

 一方、この日の会見で進行役を務めた沖縄選出の玉城デニー参議院議員も、記者から選挙結果の見解を求められると、「生まれた時から普天間基地がある有権者もいて、そういう人たちの生活感とは何か。(敗因の)要因は色々あるが、丁寧な総括が必要」とした上で、「しかし、『オール沖縄』という理念そのものは、この選挙で朽ちたわけではない」と回答した。

甘利金銭授受問題「安倍さんにとっても早くケリをつけた方がいい」 解党と新党結成には否定的「オリーブの木構想」を強調

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 記者からの質問は甘利明経済再生担当大臣の金銭授受問題、野党再編、マイナンバー制度にまで及んだが、さらに話は自民党が新設を目指す緊急事態条項にも及び、「安倍政権の能力と体質で基本的人権を制約する類の制度を広めることは、日本の将来にとって危うい」と同条項に強い懸念を示した。

「基本的人権をいかにして守るのか」〜政治家が問題意識をもってコントロールする以外に国民の権利を守るすべはない

 小沢代表が24日に会食したという前原元代表は、細野豪志政調会長や維新の党の江田憲司前代表とともに、両党が解党した上で新党を作るという野党再編を打ち出してきているが、小沢代表は「(解党、新党)それはなかなか難しいだろう」と否定的な見方を示した。対して、兼ねてから自身が提唱してきた「オリーブの木構想」に触れ、統一候補による野党結集が「夏までにできることを期待している」と話した。

 「マイナンバー制度」について質問した記者が、「行政機構の裁量を拡げる施策ばかりを安倍政権は打ち出してきているが」と水を向けると、小沢代表は次のように答えた。

 「何も防御策なくやるとなると、権力によって、国民のプライバシー、それからくる、基本的人権の制約をもたらすことになる。効率だけを見て、マイナンバー制度をやるのは非常に危険。非常事態法(緊急事態条項)も同じだが、基本的人権を制約して機能を発揮する要素がある。

 基本的人権をいかにして守るのか。注意深く制度に取り入れないと、まさに、権力によって全てが掌握され、悪用される恐れも出てくる。行政の権力の濫用を防ぐのは政治だ。政治家が問題意識を持って判断、コントロールする以外に国民の権利を守るすべはない。今のような政府の能力と体質でそういう類の制度を広めていくのは、日本の将来にとって危うい」。

 最後に、甘利大臣の政治と金の問題について問われると、「伝えられる一部の報道が事実だとすれば、犯罪を構成するような類の問題。安倍さんにとっても、早くケリをつけた方がいい」と話した。

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「緊急事態条項、マイナンバー制度「安倍政権で広めるのは日本の将来にとって危うい」〜前原元代表、山口二郎法政大教授との会食は「事実」〜生活・小沢一郎代表会見」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    小沢一郎氏 「自己主張を貫かなければ、自立した人間にはなれない。沖縄だけの問題ではなく、日本人の曖昧さ、いい加減さが、民主主義の定着を妨げる最大の心理的な要因だと思っています。」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284354 … @iwakamiyasumi
    https://twitter.com/55kurosuke/status/692692952288628736

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