85%が犯罪とは無関係という運用実態。監視社会がもたらす市民の自由への脅威 2015.11.27

記事公開日:2016.1.21取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(城石 裕幸)

※1月22日テキストを追加しました!

 2015年8月7日の衆議院本会議で自民党や民主党などの賛成多数により可決され、参議院で趣旨説明まで行われたあと継続審議となって、2016年1月からの通常国会で成立する公算が大きいとされる刑事司法改革関連法案。取り調べの可視化、司法取引の導入や通信傍受(盗聴)の対象拡大などが盛り込まれ、刑事訴訟法や犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(略称:通信傍受法・盗聴法)など関連する3つの法案が対象となる。

 2015年11月27日、東京都千代田区の「スペースたんぽぽ」で「監視社会はゴメンだ!11・27盗聴法・刑訴法改悪案を廃案へ!市民の集い」が「盗聴法廃止ネット」により開かれ、同法案の問題点が数々指摘された。

記事目次

■ハイライト

飛躍的に拡大される対象犯罪。「組織性要件」は限定機能を果たさない

▲川崎英明・関西学院大学教授

 集会では、「盗聴法の改悪で私たちの人権はどうなるのか?」と題して関西学院大学法科大学院で刑事訴訟法を専門とする川崎英明教授が講演を行なった。

 刑事司法改革関連法案には、盗聴法の拡大も含まれている。現行法では、組織的殺人・集団密航・銃製造・薬物犯罪の4類型が対象になっている。これらは暴力団等の関わる典型的な組織的犯罪に限られているが、改正案では飛躍的に拡大され、殺人・傷害・放火・身代金誘拐・逮捕監禁・窃盗強盗・詐欺恐喝・爆発物取締罰則違反・児童ポルノと、日常的な犯罪にまで広範囲に広がることとなっている。

 これらの犯罪には「組織性要件」が付加されたが、しかしこの「組織性要件」について、法制審議会の議論の段階で警察関係委員は「これまでの盗聴法の運用は極めて低調だ。現行法が盗聴法に対して厳しすぎる。組織犯罪を前提にしているが、組織性は捜査してみないとわからない。使い勝手が非常に悪い」と強く抵抗したという。

 川崎教授はこの点を、「警察関係委員の抵抗の成果だろう。最終的に世論を考慮して形の上でだけ『組織性要件』を残したのではないか」と推測する。「『組織性要件』とあるが、『事前に役割分担をして、複数人が犯行を行う』ということであれば組織性を満たす。極めて緩い『組織性要件』になっており、これでは限定機能を果たさないだろう。共犯であればだいたいこれに当てはまる」と懸念した。

外部の目のない警察署内で秘密裏に行われる盗聴

 さらに、第三者のチェック(通信事業者の立会い)のない「秘密処分」という問題もある。

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

「85%が犯罪とは無関係という運用実態。監視社会がもたらす市民の自由への脅威」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    85%が犯罪とは無関係という運用実態。監視社会がもたらす市民の自由への脅威 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/276624 … @iwakamiyasumi
    外部の目のない警察署内で秘密裏に行われる盗聴。それらは盗聴されたことさえ明らかにされないのだ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/873652301621153792

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です