沖縄の民意を無視し金の力で辺野古移設を強行する「なんでもあり」の安倍政権 ~緊急集会で専門家が、国が持ち出した「行政不服審査法」の嘘と矛盾を指摘! 2015.10.29

記事公開日:2015.11.6取材地: テキスト動画
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(取材・文:城石裕幸 記事構成:佐々木隼也)

特集 辺野古
※11月6日テキストを追加しました!

 安倍政権は2015年10月29日、過去数度の選挙で示された沖縄県民の「辺野古移設反対」の民意を無視し、ついに辺野古沿岸での新基地建設の「本体工事」強行に着手した。

 「安倍総理の頭のなかは、いまだに昔ながらのアメとムチ、金による懐柔策、それくらいで民意を押しつぶせると思っている。沖縄県民をバカにしたやり方だ」——。

 東京都千代田区の連合会館で行われた緊急集会で、この日の早朝、現地キャンプシュワブゲート前で最先頭に立っていたという県民会議事務局長・沖縄平和運動センター事務局長大城悟氏は怒りをあらわに、政府のやり方を「傲慢だ」と非難した。

▲定員270名の会議室はほぼ満席になった

■ハイライト

  • 講師 人見剛氏(早稲田大学法学学術院教授・行政法及び地方自治法)、大城悟氏(基地の県内移設に反対する県民会議事務局長)
  • 日時 2015年10月29日(木) 18:30〜
  • 場所 連合会館(東京都千代田区)
  • 主催 止めよう!辺野古埋立て国会包囲実行委員会

沖縄の声を無視し金の力で強行する「なんでもあり」の安倍政権

 大城氏はさらに、8月16日に行われた稲嶺進名護市長と中谷元防衛大臣の 集中協議について触れ、政府側の呆れた「民意無視」の姿勢を批判した。

▲基地の県内移設に反対する県民会議事務局長・沖縄平和運動センター事務局長 大城悟氏

 「集中協議の時、名護市長と中谷防衛大臣が会談したのはたった30分。そのうち25分は中谷大臣が延々『唯一の解決策は~』の繰り返し。名護市長には5分しかしゃべらせない。いったい何をしに来たのか?

 名護市長選のときに石破氏は(五本指を広げる動作をして)500億、今回は辺野古新基地建設容認の地域『久辺3区』にそれぞれ1000万ずつ3000万の補助金を、と簡単に金をちらつかせる。露骨だ。そこまでやるか。沖縄に対しては本当になんでもありだ」

国が使った行政不服審査法は、本来は国民・住民のためのもの

 続いてマイクを握った人見剛・早稲田大学教授が、沖縄県知事による辺野古の埋立て承認の取消処分をめぐり、安倍政権が持ち出した「行政不服審査法」の矛盾と問題点を解説した。

▲早稲田大学 人見剛教授 (行政法及び地方自治法)

 第三者委員会が「仲井真前知事の公有水面埋立て承認には4つの重大な瑕疵がある」と結論付けた報告に基づいて、翁長知事は承認取消処分を行った。これに対し、政府は行政不服審査法の審査請求(裁定的関与)と執行停止の申し立てを行った。この政府の請求と申立ては、果たして適法なものと言えるのか。

 「行政不服審査法は『国民の権利・利益の救済のための手続き』として、裁判手続きの他に、『簡易・迅速で裁判訴訟のようにお金のかからない、裁判官が行う慎重な審理ではない、より簡便な救済手続き』として法律上セッティングしたもの。基本的に使うのは国民・住民であって、国や地方公共団体は『固有の資格ではない、一般私人と同じ立場』であればそれを使える」

国が行政不服審査法を用いた理由は「裁判所ではなく身内に埋立ての許可を出させ、裁判手続きの間に工事を進められるようにするため」

 しかし国が、「一般私人と同じ立場」と主張するのは無理がある。これは多くの専門家も指摘されている点だ。ではなぜ国は、他に考えられる『まっとうな手続き』を避け、無理のある行政不服審査法を使ったのか。

 「それはやはり執行停止が使えるというのが魅力だったのだろう」と人見教授は指摘。こうした政府の行為は「制度の濫用だ」と批判した。

 「本来であれば地方裁判所に取り消し訴訟を提起し裁判所の決定で執行停止を取るべきだ。しかし、裁判官による執行停止の判断ではなく、仲間内の国土交通大臣の執行停止の決定を得た。(執行停止を受けた工事着工さえしてしまい)その後、裁判手続きに入ればそれなりの期間がかかる。その間、着々と工事を行って既成事実化がはかれる」

 つまり、裁判手続きに入る前に、行政不服審査法を使いすばやく仲間内で執行停止の決定を得て、長い裁判手続きのあいだに、着々と工事を進められる、ということだ。

国の矛盾と嘘!「『一般私人』ではなく『固有の資格』として埋立てを行っている」という立場をとっていた

(…会員ページにつづく)

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「沖縄の民意を無視し金の力で辺野古移設を強行する「なんでもあり」の安倍政権 ~緊急集会で専門家が、国が持ち出した「行政不服審査法」の嘘と矛盾を指摘!」への2件のフィードバック

  1. あのねあのね より:

     沖縄の重要な産業は観光である。私が沖縄に観光の為に行ったのはイラク戦争の時一回だけである。しかし、米軍兵の被害に有っても何ら補償されないようなので、米軍が居なくなるまで沖縄には二度と行かないと決めた。もちろんだが、海兵隊の基地だと主張する辺野古の新基地建設なんかはもっての他である。

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    沖縄の民意を無視し金の力で辺野古移設を強行する「なんでもあり」の安倍政権 ~緊急集会で専門家が、国が持ち出した「行政不服審査法」の嘘と矛盾を指摘! http://iwj.co.jp/wj/open/archives/272616 … @iwakamiyasumi
    こんな嘘がまかり通るなら、日本は無法国家ということだ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/662925737419079685

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