【安保法制国会ハイライト】「日米地位協定という『売国条約』を変更しないのか!」山本太郎議員が安倍総理と一騎打ち再び!「占領時代が継続されたままだ」と属国からの脱却を訴え! 2015.9.15

記事公開日:2015.9.15取材地: テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

特集 安保法制

 「本日の質問はすべて総理への質問でございます。総理以外が答えた場合、答弁とはみなしません」――。

 山本太郎議員(生活)が2015年9月14日、再び安倍総理に一騎打ちを挑んだ。

 山本議員は以前の質疑に引き続き、米軍による東京大空襲や広島、長崎への原爆投下に関する安倍総理の認識を質すも、安倍総理はやはり「日本はすでにサンフランシスコ講和条約を受諾した」と述べるに留まった。

 さらに「日米地位協定」による米軍の特権性に山本議員は言及。「日本の主権を売り飛ばしたような『売国条約』を、総理は変える気ないのか」との問いに、鴻池祥肇委員長は「不適切」であると釘を刺し、安倍総理は「一歩一歩着実に進んでいる」と回答した。

 山本議員は「一歩一歩前進しているどころか、占領時代を継続しっ放しだ。辺野古の新基地は必要がない、代替地もある、そしてアメリカの関係者でさえも必要がない、話し合えと言っている、そのことに対して是非、耳を傾けていただきたい」と述べ、辺野古新基地建設反対と安保法案の廃案を求めた。

 以下、質疑全文を掲載する

9月14日参院特別委、山本太郎議員の質疑全文

山本太郎議員「被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。『生活の党と山本太郎となかまたち』共同代表・山本太郎です。

 総理、お久しぶりでございます。本日の質問は7分、すべて総理への質問でございます。総理以外が答えた場合、答弁とはみなしません。公平公正な委員会審議がモットーでございます鴻池委員長、是非お願いいたします。

 総理、たかが一年生議員でございますけれども、どうぞ質問に逃げず、最高責任者としてのプライド、責任をお示しください。お願いします。

 本委員会で私の質問に対し総理は、ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはないと御答弁されました。では、どのような行為が国際法違反に当たるのか、総理と検証してまいります。

 第二次世界大戦当時、国際法であるハーグ陸戦条約では民間人への無差別攻撃は禁止されていました。米軍による広島、長崎への原爆投下、東京大空襲、日本全国への無差別爆撃、国際法違反、戦争犯罪です。総理、お答えください。違いますか、これ」

安倍総理「当然、自衛隊が活動をするにあたって、国際法を遵守し、国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然であって、ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはないわけであります。

 このことは、米国を含め、対象国、支援対象国のいかんにより変わることはないということでございます」

山本議員「答えていないです。聞いていないことに答えないでくださいね。ハーグ陸戦条約では無差別攻撃禁止されていましたから、広島、長崎への原爆投下、東京大空襲、それ以外の空爆も、すべてこれ戦争犯罪ですよね、国際法違反ですよね」

安倍総理「もちろん我が国としては、原爆の投下については人道上非道な行為であるということを、非道な原爆の投下ということを申し上げてきているとおりでございますが、国際法上の言わば視点について言えば、我が国としてはすでにサンフランシスコ講和条約を受諾しているという立場にあるわけであります」

山本議員「総理、この方御存じですか」

沖縄・島袋文子さんの写真を紹介する山本太郎議員

▲沖縄・島袋文子さんの写真を紹介する山本太郎議員

安倍総理「写真を拝見して、今、存じ上げないわけでございます」

山本議員「沖縄の辺野古で毎日座込み抗議を続ける86歳、文子おばあ、島袋文子さんです。今年3月、文子おばあが安倍総理宛てに手紙を書きました。沖縄県選出の糸数慶子参議院議員から内閣総務官室に託されました。総理、お読みになりましたか」

安倍総理「その手紙については拝見させていただきました。御指摘のお手紙については拝見させていただいておりますが、手紙の中におきましては、沖縄における日本で唯一の地上戦が展開され、多くの人々が貴重な命を失ったということ、いかに悲惨であったかということが記されていたわけでございます。

 また、サンフランシスコ平和条約の発効以降も一定期間我が国の施政権の外に置かれていたという苦難の歴史、我々はそれは忘れてはならないと、こう思うところでございます。その中で、戦後70年を経て、なお沖縄に基地負担を、甚大な基地負担を背負っていただいており、その負担の軽減を図っていくことは政治家の、政治の責任であると、このように思っているところでございます」

山本議員「手紙はいつ読みましたか」

安倍総理「膨大な手紙はいただいておりますが、その中でこれは総理に読んでもらった方がいいというものを事務方が整理をして私のところにコピーを届けてくるわけでございまして、いつ読んだということは正確ではございませんが、拝読をさせていただきました」

山本議員「得た情報と違うんですよ。内閣総務官室に糸数議員が託された。その後は総理に届かず、防衛省に留め置かれていたんです。読んだの、今日じゃないですか。この話、資料で入ってくるといったから読んだんじゃないのかな。まぁでも、結局読んでいただいたんだとしたら、それはすばらしいことです。

 直接もう一度、総理に対してこのお手紙をお渡ししたいんですけれども、委員長、お許し願えますか」

鴻池祥肇委員長君「お手元にもう届いていますから、コピーが。だから、その必要はありません」

山本議員「ダメダメダメダメ。与党側から声が飛んでおります。

 本日、このお手紙、コピーを御本人にも御了解を得て皆さんに配付資料として配る、そしてパネルに飾るということをしようとしたんですけれども、自民党側から、もうとにかく駄目だという話になりました。

 なので、その中で議事録、以前、糸数先生がこのお手紙を外交防衛委員会で御紹介されたときに残っている議事録を皆さんにお配りいたしました。その議事録を皆さんに、コピーを、お手元に届いていると思います。それでは、ここでもう一度代読していただくわけいかないですかね。総理、是非、直接のお手紙を、いかがでしょう」

鴻池委員長「山本君に申し上げます。その件につきましても、もう既に手元に配っているものを総理に読めということは、私はどうも道理にそぐわない話だと思います。その件については、委員長としては拒否します」

山本議員「あれっ、先ほど何かやり取りありましたよね。

 (「さっき石川政務官に読ませたじゃないか」と会場発言)

 ああ、そうですか。先ほども石川政務官に読ませたじゃないかと皆さんが今言われていますけれども、それも駄目。わかりました。じゃ、先いきますね、ここで時間を食うわけいかないので。

 抜粋してお伝えします。島袋文子さん、70年前、地獄のような沖縄戦を経験された。15歳のときに火炎放射器で全身を焼かれた。大やけどを負った。人間の死体が浮いた水たまりの血の泥水をすすりながら生き長らえた人。この手紙の中で、沖縄戦で日本軍は沖縄の人間を守らなかったと書かれている。沖縄戦での日本軍と米軍の沖縄の人々に対する行為について、総理の御見解、お聞かせください」

安倍総理「沖縄におきましては、唯一の地上戦が行われ、そして多くの尊い命が失われたわけであります。我々は、そのことを胸に刻みながら、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないと、こう考えているわけでございます」

山本議員「手紙の内容に戻ります。

 70年前の沖縄戦と同じように、沖縄県民の意思など問答無用とばかりに辺野古に新基地建設を推し進めるなら、沖縄にある全基地を撤去せよと私は言いたい、文子おばあはそうおっしゃっています。

 本日、沖縄の翁長知事、埋立ての承認を取り消す手続の開始、宣言されました。この戦争法案だけでなく、辺野古新基地建設も、国民、県民の多数の意思を無視して、法律を無視して強行突破ですか。いかがですか」

安倍総理「今、工事を一ヶ月間停止いたしまして、沖縄県側とお話合いを進めてきたところでございますが、普天間基地はまさに住宅地に囲まれた基地でありまして、この危険性の除去につきましては一致しているわけでありますし、その固定化は断じてあってはならないと、このように思っております。

 その点では一致をしておりますし、我々は、具体的に沖縄の基地の負担の軽減を一歩一歩進めていきたいと考えているところでございます。

 また、この普天間基地につきましても、辺野古にそのまま丸々機能が移転するわけではなくて、機能としては3分の1になるわけでありますし、15機の空中給油機は全て岩国にもう移転したのでございます。

 そしてまた、同時に、今までは約1万戸の方々のお宅に対して防音の措置をしていたところでございますが、辺野古に移ればそれがゼロになるわけでございます。また、嘉手納以南の返還につきましても我々はしっかりと進めていきたいと思いますし、既に西普天間住宅については、これは返還がなされることは決まったわけでございます。

 そうしたことを一歩一歩進めていきたいと、このように考えているところでございます」

山本議員「配付資料の一は朝日新聞、二、三は琉球新報に対して、一はマイケル・アマコスト元米国駐日大使のお話、沖縄の嘉手納基地にこそ王冠の宝石のように重要で、海兵隊は重要でないとおっしゃっている。ミスター外圧と呼ばれた方が辺野古の新基地の必要性がないことをおっしゃっている。

 そして、おなじみジャパン・ハンドラー、リチャード・アーミテージ様、対案があれば間違いなく米国は耳を傾ける。ジョセフ・ナイ様、辺野古を再検討すべきとおっしゃっている。

 いいんですか、言うこと聞かなくて、ここは。本法案だけじゃなくて、原発再稼働、TPP、特定秘密保護法、防衛装備移転などなど、全部第三次アーミテージ・ナイ・レポートに書いてある日本への提言、全力で実現しているのに、これ言うこと聞かなくても大丈夫なんですか。利権がまた違うのかな。

 続けます。2010年5月8日、サイパン、テニアンなどを含む北マリアナ州のフィッテル知事の声明、普天間基地移設に関し、グアムと北マリアナで環境影響評価を実施した。軍事基地と訓練所の場所となる考えを受け入れる。北マリアナ諸国連邦はどんな支援もする所存です。普天間代替、おっしゃってくださっているんですよね。総理、新基地の建設、直ちに中止してくださいよ。

 沖縄の海兵隊、キャンプ・ハンセン、ホワイト・ビーチのみをローテーション基地とすればいいじゃないですか。普天間は速やかに撤去、代わりにグアム、テニアンの新しい訓練基地、日本の費用で建設する提案、アメリカ政府に当然すべきだと思いますよ。しないんですか」

安倍総理「まず、委員に利権という言葉については取り消していただきたいと。何の根拠もなく極めて名誉を傷つけるような発言は控えていただきたいと思います。そのことをまず強く申し上げたいと思います。

 そして同時に、この普天間の移設につきましては、例えば民主党において最低でも県外という公約をされたわけでありますが、3年間の言わばこの政権を担っている間を通じて、この辺野古への移転しか道がないという結論に、様々な案を検討されたと思いますが、なったわけであります。

 自民党におきましても長年これは検討してきたところでございますが、我々は唯一のこの普天間の移設先であるという結論に至っているところでございます」

山本議員「残念ながら、民主党がちゃんとその北マリアナの方々とお話をされていたんですよ、どうやったら移せるかということを前向きに。

 話、続けます。沖縄で、もう一つ大きな問題あります。1951年、最初に結ばれた日米安全保障条約、旧安保。1年後、それとセットで締結された日米行政協定、これ大問題なんです。その後、新安保に変わったときに地位協定に変わる。

 で、この内容はどういうことなのかということなんですけれども、要は、戦勝国である米軍に対して、日本国内で好き勝手できる、全てフリーハンドを与えますという超不平等なものだったんです、行政協定は。時が流れて、1960年に新安保に変わり、そのときに行政協定は地位協定に変わった。

 で、何が変わったのって、表向きは占領色が弱まったような雰囲気だったけど、実はそのまんまだったよって。密約が裏で交わされていた。岸政権当時の藤山外務大臣、マッカーサーの米駐日大使との間で交わされた基地の権利に関する密約、公文書で明らかになっています。

 これ、地位協定変えなきゃ駄目なんじゃないですか。おじい様がやったことですよ。この国の主権を売り飛ばしたような『売国条約』になっているんです、これ。中身分かっているでしょう。行政協定からそのままになっているんですから。総理、変える気ないんですか、地位協定。アメリカに求める気はないんですか、地位協定の変更を」

鴻池委員長「私は、政治家というのは議場においてどういう発言でもいいと思う。私も相当暴言を吐いてきました。ただ、今の山本君の発言につきましては、やっぱり『売国奴』とか、『売国条約』とか、いろいろ不適切と、私のような不適切な発言をしてきた者がそのように思う箇所が多々見られる。

 これについては、後刻私は理事会においてこの議事録をもう一度精査して、そのようにさせていただきたいと思います。理事の皆さん、いいですか。よろしいですね。では、山本太郎君、質問を続けてください」

山本議員「売国条約という言葉には、ちょっと皆さんの物議を醸すような言葉があったと思います。そこは訂正させていただきます。

 すべての主権を売り渡しているような条約に対して、これを継続する。占領時代と変わらないものを今も約束し続けるというのは余りにもおかしいと思います。

 総理、地位協定、アメリカに対して、これ変えることを求めないんですか」

安倍総理「今、山本委員が指摘された文書においては、政府として、米国において公開されたとされる文書の中身について一つ一つコメントすることは適当でないと考えます。米国も、一般に公開された文書につきコメントを行わないものと承知をしております。

 また、地位協定については、事実上の改定とも評価される、今回はですね、環境についての、この地位協定についてのこれは新たな合意を行ったわけでございます。このように、一歩一歩着実に進んでいるところでございます」

山本議員「一歩一歩前進しているどころか後退していくというか、継続しっ放しなんですよね、占領時代を。やはりここを変えていかなきゃいけないと強く申し上げて、そして辺野古の新基地は必要がない、代替地もある、そしてアメリカの関係者でさえも必要がない、話し合えと言っている、そのことに対して是非耳を傾けていただきたい。

 そしてこの本法案は廃案しかないと申し上げて、質問を終わらせていただきます。委員長、失礼しました」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

「【安保法制国会ハイライト】「日米地位協定という『売国条約』を変更しないのか!」山本太郎議員が安倍総理と一騎打ち再び!「占領時代が継続されたままだ」と属国からの脱却を訴え!」への1件のフィードバック

  1. 清沢満之 より:

    【特集】IWJ日米地位協定スペシャル(『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』40頁無料ダウンロード実施中です。)
    http://iwj.co.jp/wj/open/jpus-sofa

清沢満之 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です