木村草太氏がSEALDsサロンに登場!明快に「安保法案=違憲」を説く ~「憲法に書いていないから実行可能、という理屈はぶっ飛んでいる」 2015.9.12

記事公開日:2015.9.16取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田)

特集 安保法制
特集 安保法制反対メッセージ
※9月16日テキストを追加しました!

 「政府の『軍事権』に関しては、憲法に書かれていない。これを『禁止していない』と解釈して、集団的自衛権行使は可能だというならば、会計検査院が武力行使をしていい、という話も成り立ってしまう。『書かれていないから実行可能』は、ぶっ飛んだ理屈でしかない」──。

 安全保障関連法案に反対する学生組織、SEALDs(シールズ)による「サロン」と名付けられた勉強会が、2015年9月12日に東京都内で開かれ、夜の部には、首都大学准教授の木村草太氏が招かれ、安倍政権が押し進める安保法制について、上記のようにわかりやすく解説していった。

 基調講演で木村氏は、集団的自衛権の行使が、なぜ違憲なのかを明快にレクチャーした。他国防衛が目的の、集団的自衛権行使の合憲論拠を、個別的自衛権のそれである憲法13条以外のところから探すことについて、「内閣法制局は、その時々の政権に求められ、憲法の中を探してきたが、結局見つからなかった」などと述べた。

 後半の、シールズのメンバーらとの討議では、「市民デモの意義」という、ある意味、シールズに最適なテーマでの議論が展開された。木村氏からは、「デモは表現行為であり、メディアだ」との視点が示され、ネット上に散見される「デモは無意味」といった発言への異議表明もあった。

記事目次

※中継は夜の部のみとなります。

■ハイライト

  • 昼の部(無料、学生対象)
    15:00 open
    15:30~17:20 森原康仁 アベノミクス ワークショップ「アベノミクスって何だ」
    17:30 close
  • 夜の部(完全予約制)※中継はここから
    19:00 start 紅子 live
    19:10 S4LON 趣旨説明
    19:15~19:55 ゲスト(木村草太 予定)講演「立憲主義って何だ」
    19:55~20:10 休憩 15分
    20:10~21:10 トークセッション SEALDs×木村草太
    21:10~21:20 空き時間
    21:20~22:20 S4LON time
    22:20~22:30 closing
  • タイトル S4LON #3「この国で生きる―経済・憲法・安保法制」
  • 日時 2015年9月12日(土)19:00~
  • 場所 GOBLIN@代官山(東京都渋谷区恵比寿)
  • 主催 SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)

2つの理由で、集団的自衛行使は違憲

 スピーチ序盤で木村氏は、国家の実力行使は「武力行使」と「治安活動」の2つに分かれるとし、「武力行使は、相手が主権国家であるのに対し、治安活動の方は、主権国家以外が対象である。治安活動を合理的にするために存在するのが国内憲法で、武力行使には、憲法でも国際法でも規制がかかる」と説明した。

 現代国際法(国連憲章2条4項)は、武力行使一般を違法としているが、木村氏は、「国連憲章42条は『安保理決議に基づく国連の集団安全保障措置(国連軍)で武力行使を制圧することは構わない(1)』としており、国連決議が下されるまでの間の、個別的自衛権と集団的自衛権の、それぞれの行使を認めている(2と3)」と述べ、1と2と3の、3つの例外があると指摘した。

 では、日本国憲法では、どうか──。木村氏は、「集団的自衛権行使は、2つの理由から憲法違反と言わざるを得ない」とし、憲法が「武力不行使」の原則を示していることを重ねて強調しつつ、これに関する解説を始めた。

「書かれていないから実行可能」は、ぶっ飛び過ぎ

 「憲法13条に『日本国内の安全を守る義務を政府に課す』という規定があるため、これより『9条には例外がある』という解釈を、従来の日本政府は行ってきた。私もこの解釈には、一定の合理性を認める」

 最初にこう述べた木村氏は、ただし、集団的自衛権の行使となると、目的は「他国の防衛」となり、13条に合憲根拠は見い出せなくなると続けた。

 「そこで(集団的自衛権行使を認める文言を)13条以外のところから探してくる必要性が生じる。内閣法制局は、その時々の政権に求められて、憲法の中を探してきたが、結局見つからなかった」と述べ、それが、現行憲法下で集団的自衛権は行使できない1つ目の理由である、と言い重ねた。

 木村氏は、集団的自衛権行使には「越権行為」という問題性がある、とも指摘する。

 「政府は、憲法を通じて負託された権限のみ、行使できる。政府には『行政権』と『外交権』は与えられているが、『軍事権』に関しては、(そもそも9条があるため、軍隊を持つ国々とは違って)日本の憲法に書かれていない。これが2つ目の、集団的自衛権行使が違憲であることの理由だ」

 これに対し、憲法に書いていないことを「禁止していない」と解釈し、「集団的自衛権行使は可能」へとつなげる向きがあるが、木村氏はこれを、「(それが通用するなら)会計検査院が武力行使していい、という話も成り立ってしまう。なぜなら、憲法には『会計検査院が武力行使してはいけない』とは書かれていないからだ。『書かれていないから実行可能』は、ぶっ飛んだ理屈でしかない」と切り捨てた。

大森元法制局長官が明かした、武力行使一体化をめぐる攻防

 集団的自衛権の行使を可能にする安保法案に関し、木村氏は、自衛隊の海外活動枠の拡大に伴う、自衛隊員の安全確保が問題視されていると強調する。

 「これまでは、外国で紛争に巻き込まれた人を、自衛隊の輸送機で運ぶことはできた。だが、今回の法案は、駆けつけ警護や救出まで可能にする。そうなると自衛隊員には、敵を攻撃する任務を担う可能性が出てくる。法案には、『警護・救出は、その外国当局が公共の安全と秩序の維持を行っている場所に限られる』といった記述もあるが、そういう場所で、警護や救出の必要性が本当に出てくるのか、という疑問が生じてくる。国会では、そのあたりに関する詰められた議論は、まだ、なされていない」

 そして、後方支援では、弾薬の提供や、戦闘行為に向けて発進準備中の米軍戦闘機などへの給油がメニューに加わるが、これを「武力行使との一体化」につながらない、とする安倍晋三首相や中谷元防衛相の主張には、大きな疑問符が付くとも話す木村氏は、9月8日、国会の参考人質疑で、弁護士の大森政輔元内閣法制長官が暴露した一件を紹介した。

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