「30年後、戦後100年の日本を一緒に見ましょう。ご年配の方も30年生きて一緒に見ましょう。一緒に平和を、戦後100年を勝ち取りにいきましょう。いつまで経っても、主権者はおれたち一人ひとりです!」——。
小雨のぱらつくなか、8月最後の金曜国会前抗議が行われた。抗議は若者ら有志の「SEALDs」が主催。2015年8月28日、集まった4000人の国民は、安保法制の廃案と安倍総理の退陣を訴えた。
▲小雨のなか、4000人が「戦争反対」コールを叫んだ
SEALDsのメンバーの一人、明治学院大4年の林田光弘さんは、被爆者の方から戦争体験を聞いたことを振り返り、「思い出したくもないのに、僕らに伝えるために語ってくれた、自らの戦争体験から出る『平和』という言葉。安倍さんが軽々と語る『平和』よりもずっと重いものを僕らは背負っています」とスピーチで訴えた。
「戦争したがる総理はいらない!」「民主主義はこれだ!」「違憲の法案いますぐ廃案!」。この日も、国会前には抗議の声がこだました。
8月30日の日曜日には、昼過ぎから国会周辺で、大規模な総がかり行動が行われる。「明後日は30万人集めましょう!」——国民の安倍政権への不信のボルテージは上がり続けている。
- 日時 2015年8月28日(金)19:30〜21:30頃
- 場所 国会議事堂正門前北庭エリア(東京都千代田区)
- 主催 SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)
九州の大学生「抑止力に武力なんて必要ない。絆が抑止力なんだって証明してやります」
スピーチでは他に、九州から来た学生2人がマイクを握った。
都留文科大学1年の小林俊一郎さんは、「声をあげ続ける限り、諦めない限り、僕らが負けることは決してない」と力強く訴え、「自分はリスクを背負わず若い世代にリスクを押し付け、あまつさえリスクは無いんだと平気で嘘をつく。そんな人たちが議員のイスに座っていることに僕は本当に怒っています」と、安倍政権を批判した。
▲「政治の話がタブー視される雰囲気もおかしい」マイクを握る小林さん
初めて国会前に来たという西南学院大学3年の後藤宏基さんは、自身が住む福岡県に東シナ海の領空や周辺空域を監視するレーダーが配備され、朝鮮戦争時には、位置的重要性から米軍が福岡空港に駐屯していたことを紹介。「アジアの玄関口」であるこの地が、「もし戦争することになったら、真っ先に攻撃対象に挙げられる」と語った。
▲聴衆に力いっぱい訴える後藤さん
そのうえで後藤さんは、安倍総理が安保法制を急ぐ根拠とする「中国脅威論」に反論した。
「そんなに中国が戦争を仕掛けてくるというのであれば、そんなに韓国と外交がうまくいかないのであれば、アジアの玄関口に住む僕が、韓国人や中国人と話して、遊んで、酒を飲み交わし、もっともっと仲良くなってやります。僕自身が抑止力になってやります」
「九州にも現場はある」と語る後藤さんは、「『戦争法案』は絶対に廃案にしなければなりません。こんな政権に日本を任せるわけにはいきません。僕は地方から声をあげていきます」と力強く訴えた。
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精神科医・香山リカ氏「安倍総理の強硬な態度は、怯えや恐怖の裏返し」
「安全保障関連法案に反対する学者の会」からは、精神科医の香山リカ氏がスピーチに立った。