2015年8月6日(木)14時30分から、原子力規制庁記者会見室にて、7月31日付けで新長官に就任した清水康弘氏の就任会見が開催された。発足3年になる規制委員会、規制庁だが、取り組むべき問題がまだ数多くあり、前任の池田克彦長官の方針を引き継いで仕事を進める決意を示した。
2015年8月6日(木)14時30分から、原子力規制庁記者会見室にて、7月31日付けで新長官に就任した清水康弘氏の就任会見が開催された。発足3年になる規制委員会、規制庁だが、取り組むべき問題がまだ数多くあり、前任の池田克彦長官の方針を引き継いで仕事を進める決意を示した。
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清水新長官は、原子力規制庁、規制委員会が発足してから2015年9月で3年になるが、まだまだ問題が山積している認識を示した。その具体例として、新規制基準に基づいた審査の継続、廃炉を表明したプラントの処理に向けた基準策定、福島第一原発の事故処理の対応を挙げた。
その中で、審査をはじめ現地の保安検査などに対応できる、人材の育成が大きな課題であるという。
規制庁は昨年3月にJNESを統合したことや、電力各社やメーカーからの中途採用、さらには新規採用など職員を拡充してきた。さらに人材育成センターの設置、能力の向上も図ってきた。
しかし、まだまだ不十分だと言う。2014年6月に「職員の人材育成の基本方針」を策定しており、それに基づき政策を進めていきたいという考えを清水長官は述べた。
日本全体でみると、原子力分野の技術者や分野そのものの大きさが限られていることから、規制庁だけでなく、大学や企業との関係も大きな課題だという。その中で、政府全体としてもバックアップする体制がありがたいとの見解を示した。
原子力規制委員会設置法附則第5条の規定に、3年以内の見直しを求めている。今回の就任のタイミングは、その見直しの時期にあたるが、現在、多くの発電炉の審査を進めている最中であることなどから、大きな見直しはかえって仕事を進める上で弊害になるとの見解を示した。
しかし、内閣官房の3年以内の見直し検討チームや、自民党のPTなど政府の検討チームからの声は謙虚に受け止めるとともに、規制庁内部でチェックするところはチェックしていきたいと述べた。
原子力規制委員会、規制庁が、2011年の福島第一原子力発電所の事故を契機に作られたことから、「国民からの信頼回復が大きな課題」だと考え、信頼回復のためにも中立性が大切との認識を示した。
課題も多い中で新長官に就任したが、規制委員会、規制庁設置の経緯を踏まえ、今後の規制庁の運営にあたっていきたいとの決意を示した。