「われわれ医師は、目の前で病気に苦しむ人たちだけでなく、戦争で生命が奪われる恐れがある人たちの存在にも、敏感にならねばいけない」──。医師の谷川智行氏は、このように強調した。
安全保障関連法案の参院審議のスタートが週明けに控える、2015年7月24日。東京・永田町にある衆議院第一議員会館で、「いのちと暮らしを脅かす安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会」による記者会見が行われた。
安倍晋三政権が進める安全保障関連法案については、すでに、憲法学者や分野横断型の「安全保障関連法案に反対する学者の会」などが廃案を求める声明を出し、記者会見を開いているが、今度は、生命の現場に携わる医療福祉分野の専門家たちが反対の声を上げた。
なお、同会には、聖路加病院名誉院長の日野原重明氏からも、「人のいのちの重要性は、医師が一番よく知っています。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと私は考えています」というメッセージが寄せられている。
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この日、医師、看護師、医学生らの呼びかけ人から20人余りが集まり、リレー形式でスピーチを行った。「医療従事者であれば、生命の尊さは国境を越えて存在すると信じているはず。したがって、憲法9条にケチをつける人はいまい」との発言や、政策の説明責任や民意尊重の観点から、政治家にも医師と同様に、十分な説明と同意の獲得を大切にする「インフォームドコンセント」の姿勢が不可欠だ、との指摘があった。
応援に駆けつけた、医師でもある日本共産党の小池晃参院議員は、「戦場での医療は、兵士らを『戦場に戻すための医療』。そのために医師の技術が使われる時代になることを、医療関係者は認めてはならない」と力を込めた。
2015/07/24 いのちと暮しを脅かす安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会による集会と記者会見(動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254569 … @iwakamiyasumi
いのちを守る現場からも反対の声が止まらない。力強く思います。
https://twitter.com/55kurosuke/status/625081371011067904