「政治家はインフォームドコンセントの意識を」 医療・介護・福祉関係者からも「安保法案は撤回」の声 〜発足2週間で賛同者数4000人超 2015.7.24

記事公開日:2015.7.28取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田)

特集 安保法制
※7月28日テキストを追加しました!

 「われわれ医師は、目の前で病気に苦しむ人たちだけでなく、戦争で生命が奪われる恐れがある人たちの存在にも、敏感にならねばいけない」──。医師の谷川智行氏は、このように強調した。

 安全保障関連法案の参院審議のスタートが週明けに控える、2015年7月24日。東京・永田町にある衆議院第一議員会館で、「いのちと暮らしを脅かす安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会」による記者会見が行われた。

 安倍晋三政権が進める安全保障関連法案については、すでに、憲法学者や分野横断型の「安全保障関連法案に反対する学者の会」などが廃案を求める声明を出し、記者会見を開いているが、今度は、生命の現場に携わる医療福祉分野の専門家たちが反対の声を上げた。

 なお、同会には、聖路加病院名誉院長の日野原重明氏からも、「人のいのちの重要性は、医師が一番よく知っています。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと私は考えています」というメッセージが寄せられている。

 この日、医師、看護師、医学生らの呼びかけ人から20人余りが集まり、リレー形式でスピーチを行った。「医療従事者であれば、生命の尊さは国境を越えて存在すると信じているはず。したがって、憲法9条にケチをつける人はいまい」との発言や、政策の説明責任や民意尊重の観点から、政治家にも医師と同様に、十分な説明と同意の獲得を大切にする「インフォームドコンセント」の姿勢が不可欠だ、との指摘があった。

 応援に駆けつけた、医師でもある日本共産党の小池晃参院議員は、「戦場での医療は、兵士らを『戦場に戻すための医療』。そのために医師の技術が使われる時代になることを、医療関係者は認めてはならない」と力を込めた。

記事目次

■ハイライト

防衛費増大のしわ寄せは、医療・福祉の現場に

 冒頭、あいさつに立った医療制度研究会副理事長の本田宏氏は、「10数年前から、日本の低い医療予算と医師不足を問題視してきた。明治以降の官尊民卑の意識が、日本社会にはいまだに蔓延している」と切り出し、これで安保法案が成立して防衛費が増大したら、ますます医療・福祉や教育の予算が削られることになる」と危機感を表明した。

 続いて、会を代表して、花の谷クリニック院長の伊藤真美氏がマイクを握り、「安保法案が成立しそうな状況になり、何かアクションを起こさねばと考え、7月10日にこの会を立ち上げた。インターネットのサイトで賛同者を募ったところ、初日は100人程度だったが、昨日は1日で1000人近くが集まった。4000人超えは確実だ」と声を弾ませた。

 その一方で、医師の賛同者数が500人にも届いていないことに触れ、「日本全国の医師数が約30万人である点からすれば、全然足りない。もっと数を増やして、安保法案撤回につながるひとつの勢力にしたい」と意欲を見せた。

 リレートークの一番手は、看護師で十文字学園女子大学非常勤講師の新井幸恵氏。「高校生の新卒就職の現場では、進路指導の先生が、生徒に『介護福祉業界は(待遇が悪いので)勧められない』と助言する傾向がある」と発言。これで安保法案が通って、医療・福祉の予算が防衛費に侵食されたら、業界全体がさらに苦しくなり、現場の環境が悪化する恐れがあると訴えた。

 社会復帰が困難な女性たちのための長期居住施設「かにた婦人の村」施設長の五十嵐逸美氏は、「2014年7月、時の権力者が勝手に憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使を容認したことは大いに解せない」とし、こういうことを国民が許せば、今後も、折に触れて解釈変更がなされ、憲法が空文化してしまうと憂えた。

生命の尊さは国境を越えて存在する

(…会員ページにつづく)

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「「政治家はインフォームドコンセントの意識を」 医療・介護・福祉関係者からも「安保法案は撤回」の声 〜発足2週間で賛同者数4000人超」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    2015/07/24 いのちと暮しを脅かす安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会による集会と記者会見(動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254569 … @iwakamiyasumi
    いのちを守る現場からも反対の声が止まらない。力強く思います。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/625081371011067904

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