「だれの 子どもも ころさせない」 この合言葉のもと母親たちが結集、安保法案に「NO!」を表明! 〜「戦争にならないよね?」と聞く娘のために 2015.7.13

記事公開日:2015.7.15取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 「この会の主人公は、日々、子どもと泣いたり笑ったりする、ひとりひとりのママ。『だれの 子どもも ころさせない』という声を、全国に響かせたい」──。

 2015年7月13日、東京都千代田区の参議院議員会館で、「安保関連法案に反対するママの会」のメンバー6名が記者会見を行なった。発起人は3児の母である大学院生、西郷南海子(みなこ)氏。2015年7月5日に、Facebookで同会のページを立ち上げるや否や、賛同者が殺到。その人数は、7月13日正午までに2267人に上っている。この記者会見に登場した女性たちは、今日が初対面だと言い、安保関連法案が衆議院で強行採決されそうな空気に黙ってはいられない、という切実さがあふれた会見となった。

 女性たちからは、「経済的徴兵制になれば、奨学金受給者が最初に狙われる。(子どもを戦場に送らないためには)親が必死に稼ぐしかないのか。いや、この法案を止める方が先だ、と気づいた」という声や、「自衛隊員も誰かの子ども。彼らを戦争に送り込む法案は絶対に許せない」という憤りが発せられた。

 「(自分も)戦争に行くことになるの?」と子どもに尋ねられたという女性は、「こんな言葉を、自分の子どもに言わせるなんて。自分が、今まで何もしてこなかったからだと悔やみ、できることをやろうと思い、この会に参加した」と語った。

 「ママの会」立ち上げから約1週間にもかかわらず、この会見にはNHKや民放テレビ局、各新聞社などの大手メディアも多数取材に来ており、質疑応答ではさかんに質問が飛び、関心の高さをうかがわせた。

 IWJの原佑介記者が、母から子どもへのメッセージを求めると、女性たちからは、「世界中の人たちと仲良くできるように、私たちもがんばるし、子どもたちも一緒にがんばろうね、と言いたい。私たちの前の世代も、そうやってきてくれたと思うから」という決意に満ちた言葉が返って来た。

記事目次

■ハイライト

ただひとつの合言葉「だれの 子どもも ころさせない」

 はじめに弁護士の長尾詩子氏が、安保関連法案に反対するママの会について、「思想、信条、支持政党を超えた、ママたちの集まりです」と紹介し、続いて発起人の西郷南海子(みなこ)氏がマイクを握った。

 西郷氏は、「この会に集まったママたちを結びつけるのは、『だれの 子どもも ころさせない』という、ただひとつの合言葉です。私たちにとって、この思いは、どうしても譲ることができない」と語り、日曜の東京・渋谷を、同じ思いのママたちで埋め尽くそうという緊急行動「7・26戦争立法反対!ママの渋谷ジャック!」の実施を決めたと報告した。

 この会の主人公はどこかの偉い人ではなく、日々、子どもと泣いたり笑ったりする、ひとりひとりのママなのだ、とした西郷氏は、「だれの 子どもも ころさせない」という声を、渋谷をはじめ、全国に響かせたいと力を込め、自らを行動に駆り立てた思いを、次のように語った。

 「今の世の中は、政治的な発言は、専門家以外はできないような空気、また、発言の価値が、その人の所属や立場で決まってしまう雰囲気がある。そういう空気に流され、自分の意見を飲み込んでしまうことが、民主主義を空っぽにしていると思う。そして、何年かに一度の選挙を待つ、あるいはやり過ごす。こうした形ばかりの民主主義の行き着く先が、今の安倍政権ではないでしょうか。

 解釈改憲というやり方で、最高法規の憲法を踏みにじる。強行採決をちらつかせ、国民に、考えたり行動しても無駄だと思わせる。そうやって人々に無力感を植え付けていく政治のあり方に、これ以上、引きずられたくはありません」

すべての兵士は、誰かの子ども

 子どもという存在は、人間が生まれてくることの、はかり知れない不思議を教えてくれる、と西郷氏は言い、「その命が、誰かにとっての所有物のように扱われ、むごたらしく使い捨てにされる。その、最たる例が戦争だ。この安保関連法案の成立をやめさせるだけでなく、自分が生きてゆきたい社会のあり方について、思い切り語り合える空間を、それぞれの手で作っていく時が来たと思う」と続けた。

 サイトを立ち上げてから約1週間で寄せられた、2000件を超えるメッセージには、「殺し、殺されるために、この子を産んだのではない!」という母たちの悲痛な叫びがあふれているという。

 西郷氏は、「殺されても仕方のない子どもはいない。『殺す』ということを、引き受けなければならない子どももいない。そして、すべての兵士は、誰かにとっての子どもです。『7・26戦争立法反対!ママの渋谷ジャック!』では、歴史の分れ目を、こちら側へと引き寄せましょう。花言葉が『希望・常に前進』のガーベラの花を持って、待っています」と力強く訴えてマイクを置いた。

奨学金受給者が最初に狙われる──経済的徴兵制

(…会員ページにつづく)

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「「だれの 子どもも ころさせない」 この合言葉のもと母親たちが結集、安保法案に「NO!」を表明! 〜「戦争にならないよね?」と聞く娘のために」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「だれの 子どもも ころさせない」 この合言葉のもと母親たちが結集、安保法案に「NO!」を表明! 〜「戦争にならないよね?」と聞く娘のために http://iwj.co.jp/wj/open/archives/252678 … @iwakamiyasumi
    この問いに「ならないし、させないよ」と堂々と言える国にする。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/621277154941112320

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