京丹後市長、大津市長、与謝野町長と規制庁審議官が面会、原子力災害対策指針の問題点を指摘するも「内閣府に相談してほしい」と対応しない規制庁の姿勢が明らかに 2015.7.10

記事公開日:2015.7.10取材地: テキスト動画
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 京都府、滋賀県の5つの自治体が2015年6月19日、原子力規制委員会、規制庁に連名で意見書を提出した。これを受けて、自治体の首長らと規制庁の片山啓審議官らが7月10日に面会。首長らは防災指針の改訂でUPZ圏外の防護対策の記述が削除されたことを問題視し、UZP圏外についても指針で策定することを求めた。さらに、SPEEDIも有効に活用してほしいと意見した。

■全編動画

  • 来訪者 中山泰氏(京都府京丹後市長)/山添藤真氏(京都府与謝野町長)/越直美氏(滋賀県大津市長)他
  • 規制庁対応者 片山啓(かたやま・ひろむ)氏(原子力規制庁 核物質・放射線総括審議官)
  • 日時 2015年7月10日(金)10:05〜
  • 場所 原子力規制委員会庁舎(東京・六本木)

 京丹後市、与謝野市、大津市、彦根市、米原市は連名で原子力規制委員会、規制庁に「原子力災害対策指針(改訂)に対する意見書」を6月19日に提出した。その意見を直接伝えるべく、中山泰(なかやま・やすし)京丹後市長、山添藤真(やまぞえ・とうま)与謝野市長、越直美(こし・なおみ)大津市長は規制庁を訪問、片山啓(かたやま・ひろむ)核物質・放射線総括審議官、荒木真一(あらき・しんいち)原子力災害対策・核物質防護課長と面談した。

 中山京丹後市長は、おおむね30kmのUPZより遠い地域(UPZ圏外)でも被害が及ぶのは、福島第一原発の事故で明らかだと主張。しかし、指針の改定版ではそれら地域の記述が削除されたため、いざ、避難が必要になった時に、他自治体と連携して対応できない可能性があるとして、予め国で指針を策定して示してほしいと訴えた。

 片山審議官は、個別具体的な避難計画を指針で定めるのは難しく、指針に書いてないことを禁ずるものではないと述べ、原子力災害対策は内閣府が担当なので、そちらと相談してほしいと、規制庁としての対応を避けた。

 越大津市長は、SPEEDIを活用することで、事前に避難できると訴えるも、片山審議官はSPEEDIはあくまでも予測、緊急時はモニタリング実測するので、実際にどこに放射能が拡散したかが正しく分かると回答した。

 山添与謝野市長は、今後の推移に注目するとともに、地域で防災対策をさらに進めていきたいと述べ、指針の在り方は問題視すべきで、意見を反映してもらうためにも、要望を続けてたいと語った。

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