「内閣支持率が落ちてもバカな国民はすぐに忘れるから、2016年参院選で勝てると思っている」 〜浅野健一氏と半田滋氏が安倍政権の思惑を指弾 2015.6.25

記事公開日:2015.7.10取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・関根)

※7月10日テキストを追加しました!

 「報道の萎縮は万死に値する。今こそ、ジャーナリズムの出番だ」──。記者クラブの解体を主張する浅野健一氏は、「市民は企業内ジャーナリストやフリー記者を励まし、いい記事、いい番組を賞讃することで支えてほしい」と訴えた。

 2015年6月25日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、憲法9条―世界へ未来へ連絡会(9条連)主催による、「9条連結成20年プレ企画 第4回とことん抵抗塾~緊急告発! 『戦争する国』絶対反対」が行なわれた。元共同通信記者の浅野健一氏、東京新聞編集・論説委員の半田滋氏が、「安倍政権の戦争する国づくりの企みを問う」とのテーマで講演を行った。

 浅野氏、半田氏ともに、露骨なメディア・コントロールを行う安倍政権の姿勢を批判し、審議が続く安保法案の狙いや問題点を指摘していった。また、社会民主党党首の吉田忠智参議院議員が、今のマスメディアの異常さに言及した。

 浅野氏は、「今のジャーナリズムは、第二次世界大戦時の大政翼賛会による大本営発表と同じか、それよりも悪い。当時は報道したら殺されたが、今は自由に発言できるにもかかわらず、報道しないからだ。これは万死に値する。逆に言うと、今こそが、ジャーナリズムの出番なのだ」と強調した。

 半田氏は、安保法制の国会審議が伸びれば、その欠陥が国民に知られるようになり、内閣支持率も下がるので、安倍政権は2015年の夏までに法案成立を目指していると解説し、このように述べた。

 「そうすれば、一時は支持率が下がっても、バカな国民はすぐに忘れて支持を回復できると読み、2016年夏の参議院選挙で3分の2議席を獲得できると思っている。その上で、2017年1月から6月の通常国会中に、環境権、財政規律条項、緊急事態条項で『お試し改憲』するために、国民投票を実施するつもりだ」

記事目次

■ハイライト

  • テーマ 安倍政権の戦争する国づくりの企みを問う
  • 講師 浅野健一氏(元共同通信記者、ジャーナリスト)、半田滋氏(東京新聞編集・論説委員)

戦争とファシズムを止めるのが大学教員とジャーナリスト

 はじめに、元狭山市議会議員で埼玉9条連の秋山淳子氏が、「当連絡会は1995年8月15日に発足し、今年20周年を迎えた。安倍政権は世論の反対を無視し、安保法制の審議をどんどん進める。憲法9条を変えようという意図があるのではないか」と懸念を語った。

 そして、浅野健一氏が登壇し、「私は1994年から同志社大学で教鞭をとってきたが、2014年3月に追放された」と自己紹介した。教授職の雇用延長に際し、同僚の教授から「(浅野氏は)御用学者、御用組合など、体制に批判的な言葉を(授業で学生に)使う」などと批判されたのだという。

 権力批判を許さないような空気が、教育の場に流れ始めたことについて浅野氏は、「下村文科大臣は、国立大学に日の丸掲揚、君が代斉唱を強いており、さらに人文学系学部の廃止を言い始めた。そのうち補助金をちらつかせて、私大にも拡大させるだろう」と語る。その上で、「1930年、教育勅語と奉安殿(天皇・皇后の御真影の社)の設置を拒んだのが上智大学と同志社大学で、軍部から激しい弾圧を受けた歴史がある。戦争とファシズムを止めるのが、大学教員とジャーナリストだ」と力を込めた。

 続けて、「今、東京新聞があるのが救いだ」と紙面を掲げると、安倍首相とマスコミ幹部が銀座の割烹料理店で食事をしたことを報じた「首相の一日」を取り上げ、「海外の公務員の倫理規定では絶対に許されないことだ。そういうことを公然と行なうとは、信じられない」と断じた。

「中国、朝鮮と仲良くしたら安倍さんは困る」

 浅野氏は、第2次安倍政権は靖国神社の皇国史観を背景にした日本会議のメンバーが連なり、もっとも危険なイデオロギーを持って登場した、と語る。そして、靖国参拝、原発再稼働、NSC(国家安全保障会議)設置、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認の閣議決定、武器輸出の解禁、企業の営利目的のODA改定、日米新ガイドライン改悪、侵略戦争法案(安保法案)、辺野古新基地建設強行、労働法改悪、マイナンバー制施行など、第2次安倍政権下で行われた数々の懸念すべき「実績」を列挙した。

 また、中国の脅威と北朝鮮の核ミサイルの不安を喧伝するマスメディアに対し、「1978年に締結した日中平和友好条約では、相互不可侵、互恵平等、正しい歴史教育の下で中国は賠償放棄を明記している。それなのに『中国が日本を侵略する』と煽ることは、国際法の条約違反に等しい」と批判。さらに、このように続けた。

 「北朝鮮とは2002年9月に、当時の安倍晋三官房副長官が同席の上で平壌宣言を合意、国交正常化を目指すはずだったのではないか。また、2014年にストックホルム合意をしたにもかかわらず、2015年5月、朝鮮総連(在日本朝鮮人総聯合会)議長の次男(許政道氏)を、5年も前のマツタケ不正輸入容疑で逮捕して和平をかき乱す。日本が中国や朝鮮と仲良くなったら、安倍さんは困るからだ。そのために御用ジャーナリストや御用学者を動員している」

 また、自民党が「安保法案が違憲かどうかは、最高裁の判断に任せる」としていることについては、浅野氏も原告団に加わった航空自衛隊イラク派遣違憲訴訟で、2008年4月17日、名古屋高裁の青山邦夫裁判長により、「空自C130のイラク全土への米兵・弾薬の輸送活動は、憲法9条1項とイラク特措法に違反する」という判決が確定していることを強調した。

今こそジャーナリズムの出番

 浅野氏は、「第二次世界大戦後、アメリカが起こした戦争で国際法に違反していないものはない。イラク戦争について、CIAの情報で(イラクに大量破壊兵器があるという前提で)記事を書いたニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは、のちに一面で謝罪し、関係した記者はすべて解雇した。イギリスでもブレア首相以外は謝罪した。日本で、そういう総括があっただろうか」と問いかける。

 そして、「今のNHKは酷い」と声を荒げると、2015年6月23日放送の「戦後70年沖縄全戦没者追悼式」での岩田明子政治部記者の偏向ぶりを指摘。また、同年6月21日に日本テレビが放送した、日韓国交正常化50周年の慰安婦問題の特集番組での偏向報道ぶりも糾弾し、このように訴えた。

 「今のジャーナリズムは、第二次世界大戦時の大政翼賛会による大本営発表と同じか、それよりも悪い。当時は報道したら殺されたが、今は自由に発言できるにもかかわらず、報道しないからだ。これは万死に値する。逆に言うと、今こそがジャーナリズムの出番だ」 

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 300円 (会員以外)

関連記事

「「内閣支持率が落ちてもバカな国民はすぐに忘れるから、2016年参院選で勝てると思っている」 〜浅野健一氏と半田滋氏が安倍政権の思惑を指弾」への1件のフィードバック

  1. うにいいい より:

    本当にバカなんだから仕方がない。もう今の民主主義体制では無理です。知識、倫理、大局の三拍子そろった人だけを選抜して制限選挙にするのが妥当です。あくまで旧来通りなら中選挙区に戻した方がいいです。二者択一は本来選挙人にそれだけの資質があれば当たり前の制度ですが、これまでの何千年という有史において大衆がまともな選択をしたのはいったいどれくらいの割合ですか。日本だけでもこのざまですが、世界を見てください。あいつらに期待を寄せるのはもうよしましょう。簡単にオウムでもなんでもひっかるでしょう。国債、ディフォルトなんてあいつらのための便宜的政策です。独裁なんていいと思っちゃいないですが、このままじゃあいつらそちらへと突っ走っちゃいますよ。また。どうせ目先の金と快楽と心配事だけがテリトリーなんだから素直にその檻の中に入って、二度と口出すなといいたいです。逆に言うと、あいつらはその世界だけに生きてる方が幸せなんです。分を超えたことはやっちゃいけません。腹が立つんならその能力と責任を身につけましょう。それがないからこんな世になるんですと言いたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です