「『戦争は秘密から始まる〜秘密保護法でこんな記事は読めなくなる』出版記念・熱闘トークライブ、ニッポンの情報隠ぺいと言論統制の裏側! 秘密保護法へカウンターアタック!」が2015年4月28日、新宿ロフトプラスワンで開催された。
出演者は、京都新聞デスクで新聞労連前委員長の日比野敏陽氏、毎日新聞の日下部聡氏、作家の雨宮処凛氏、ジャーナリストの青木理氏、そして共同通信編集委員で防衛省担当の石井暁氏。司会は新聞労連委員長の新崎盛吾氏が務めた。主催は新聞労連と合同出版が行った。
(IWJ・青木浩文)
特集 秘密保護法
※5月7日テキストを追加しました!
「『戦争は秘密から始まる〜秘密保護法でこんな記事は読めなくなる』出版記念・熱闘トークライブ、ニッポンの情報隠ぺいと言論統制の裏側! 秘密保護法へカウンターアタック!」が2015年4月28日、新宿ロフトプラスワンで開催された。
出演者は、京都新聞デスクで新聞労連前委員長の日比野敏陽氏、毎日新聞の日下部聡氏、作家の雨宮処凛氏、ジャーナリストの青木理氏、そして共同通信編集委員で防衛省担当の石井暁氏。司会は新聞労連委員長の新崎盛吾氏が務めた。主催は新聞労連と合同出版が行った。
記事目次
■ハイライト
新崎氏は、「特定秘密保護法案が2014年12月10日に施行されたが、その問題点が皆の記憶から薄れつつあるのではないか」と、懸念を示した。
「秘密保護法ができた時、新聞記者がすぐ逮捕されるのではないかという話があったが、どう思うか」という新崎氏の質問に対して、日比野氏は「諸説あり、私の意見が正しいわけではないが」と断った上で、次のように語った。
「余程のことのことがなければ、すぐに逮捕されることはないと思う。また、逮捕されても裁判まではいかずに、処分保留になるだろう。なぜなら、秘密を秘密のままどうやって裁判をするのかが不明。憲法には、『言論・出版に関する裁判は絶対にこれを公開する』旨が書かれている。秘密を公開せずに、公判を維持することはできないだろう」
しかし、「逮捕後、パソコン、携帯、資料等を押収して処分保留にする。『これをやれば、次に歯向かってくる奴はいなくなるだろう』という、威嚇行為が当局の狙い」と、分析した。
青木氏は、「特定秘密保護法案の施行後、実は僕らの日常は基本変わっていない。変わるのはいわゆる有事の時だと思う」と推測した。
「今の安倍政権の方針であれば、いずれ必ず自衛官に死者が出るだろう。戦後70年で初めて日本の自衛官に死者が出た瞬間、あるいは何十人かが亡くなるテロが日本で起こった瞬間に、『自衛官のさらなる死者はなんとか防がなければならない』、あるいは『テロはなんとか防がなければならない』と、たぶんメディアは一色に染まる。その時に、特別秘密保護法が本領を発揮することになる」
こう分析をした上で、青木氏は、「しかし、その時に僕らメディアが権力に抵抗できるかといったら、フリーランスも含めてたぶん無理。残念ながら、日本のメディアはそんな体制にはないと思う」と、悲観的な意見を述べた。
これについて石井氏は、「だからこそ、僕らは抵抗しなければならない。新聞、ラジオ、出版は、戦争への反省からスタートしている。それを忘れてしまい、特定秘密保護法があるからと言って、権力に対して抵抗せず大人しくしてしまうのは、新聞、ラジオ、出版の自殺行為だ」と主張。その上で、「しかし、青木氏の考えも理解できる」として、過去の事例をあげ、特定秘密保護法の怖さを解説した。
石井氏は、「過去の情報漏えい事件の中で、唯一特定秘密保護法に100%該当すると政府が認めているのがこの事例」として、2005年5月31日付け読売新聞朝刊の「中国海軍潜水艦火災事故」の記事を紹介した。
(…会員ページにつづく)
秘密保護法の本当の怖さとは――『戦争は秘密から始まる〜秘密保護法でこんな記事は読めなくなる』出版記念・熱闘トークライブ、ニッポンの情報隠ぺいと言論統制の裏側! http://iwj.co.jp/wj/open/archives/243863 … @iwakamiyasumi
威嚇する政・官と、自殺を加速する報道。
https://twitter.com/55kurosuke/status/596412396027060224