冤罪を防止するための刑事訴訟法一部改正案に矛盾!? 捜査権限の拡大により冤罪を増やす可能性も――弁護士らが数々の問題点を警告 2015.4.13

記事公開日:2015.4.21取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

特集 共謀罪|特集 秘密保護法

※4月21日テキストを追加しました!

 「盗聴法・刑事訴訟法等改正を考える ―超党派国会議員と市民の勉強会」が2015年4月13日(月)、参議院議員会館で行なわれた。弁護士の小池振一郎氏・海渡雄一氏が講演し、改正案の内容や問題点について解説した。

記事目次

■ハイライト

  • 「法制審『新時代の刑事司法制度特別部会』答申と政府提案をどう見るか ―この制度改正でえん罪は本当に防止できるのか―」 小池振一郎氏(弁護士)
  • 「盗聴法の拡大のもたらすプライバシーの危機 ―盗聴先進国アメリカやイタリアの実情に学ぶ―」 海渡雄一氏(弁護士)

検察の都合による取調べの一部可視化では冤罪を生む可能性も

 刑事訴訟法の一部改正案は3月13日に国会に提出された。足利事件や布川事件など多くの冤罪事件や、検事の証拠捏造にまで発展した郵便不正事件を契機に、取調べ可視化や取調べと供述調書に過度に依存した捜査・公判の見直しについて諮問されている。

 小池氏は、検察の都合による一部可視化では、逆に冤罪を生む可能性があるとして、取調べの全過程を可視化しなければならないと考えており、法制審特別部会においても、どこまでの可視化が行なわれるかが大きな争点になっていると語る。

可視化しなくても良い場合の例外事由の存在

 一部マスコミでは、「取調べ可視化義務付け法案」などと名付けられていることに対し、それがいかに欺瞞的であるかと、小池氏は指摘する。その理由は、可視化しなくても良い場合の例外が存在するからだ。

 実際に、「被疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき」や、「被疑者、親族を困惑させる行為がなされる恐れがあることにより、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき」などの例外事由が設けられている。小池氏から見ると、法制審の対応は、真相解明の為には録音録画しなくて良いという姿勢で一貫しているという。

司法取引導入で冤罪が増える可能性も

 日本型司法取引の導入についても、小池氏は言及した。司法取引というのは、取調べや公判証言で他人の犯罪事実に関する真実の供述、証言を約束する引き換えに、検察官が不起訴、略式命令に軽減などを約束する制度である。

 司法取引が合法化されれば、不起訴になるという確実な保証が得られて、被疑者が他人について捜査官の期待に沿う供述をしようというインセンティブがより強く働くことになる。小池氏は、これによって冤罪が格段に増えるのではと危惧した。

矛盾する「冤罪防止」と「捜査権限拡大」

(…会員ページにつづく)

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