拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が880名――進まぬ調査に家族らが警察庁・拉致対策本部の対応を疑問視 2015.1.22

記事公開日:2015.1.28取材地: テキスト動画
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(IWJ・前園由美子)

 特定失踪者の真相究明と拉致問題の早期解決を求める「人権侵犯申立事案」の報告集会が、1月22日(木)、救う会徳島・救う会神奈川の主催により参議院議員会館で開かれた。

 救う会神奈川の川添友幸代表は、北朝鮮によって拉致された可能性を排除できない特定失踪者が存在していると、政府が認識していることを評価しながらも、不十分な点については是正を求めていく必要性を説明した。

 特定失踪者の家族らは、情報公開請求をしても開示されない部分が多く、情報収集は、政府との対話ができるかどうかが鍵となる。高齢化した家族らにとって、今後政府との対話の機会を持ち、調査を進展できるかが大きな課題だ。

 救う会徳島の陶久敏郎会長、申立人の特定失踪者の家族からは、経過報告等が行なわれた。

 家族の一人は、「拉致問題というのは、家族が諦めたら終わってしまう。拉致被害者は、北朝鮮で日本政府が助けにきてくれるのを、今か、今かと待っている」と語る。

 陶久会長は、拉致被害者の家族だけでなく、全国に880名いる特定失踪者の家族にも政府と面会できる機会が与えられる仕組みを作ってもらえるよう、政府に願い入れたことを報告した。

■ハイライト

※以下、発言要旨を掲載します

進まぬ調査、警察庁・拉致対策本部としての対応を疑問視

救う会神奈川・川添友幸代表「特定失踪者という言葉自体は、世の中である程度定着してきているのかなと思います。政権が変わりまして、認定・未認定に関わらずということを安倍政権の前任の古屋拉致担当大臣が発言されて以降、認定者と未認定者の区別なくということが進められてきています。
 
 ただ、現状としておかしな点というのがいくつかございます。その点に対して、是正していただくような方向性にしていただきたいと思っています」

救う会徳島・陶久敏郎会長(以下、陶久・敬称略)「政府の拉致問題対策本部が出した方針なんですが、『特定失踪者にかかる事案を含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に関する捜査・調査等を引き続き全力で推進していく。また捜査、調査の結果、新たに拉致と認定される事案があれば、北朝鮮側に対して然るべく取り上げていく』というふうになっております。

 平成25年(2013年)、1月25日の政府の方針と具体的施策というのがありまして、具体的施策は『拉致の可能性を排除できない事案に係る捜査・調査を徹底するとともに、拉致実行犯に係る国際捜査を含む捜査等を継続する』といいまして、日本政府におきましては、何年も前から『特定失踪者の捜査・調査を徹底しております』と言っているんですね。

 しかしながら、申立人にはそうした捜査した結果や情報などが提供されない。どうしてなんだと。あれだけ捜査・調査しているんだったら、何か分かっているんではないか。

 もしかしたらそれは、警察庁と拉致対策本部が情報を抱え込んでいるのではないか。これは組織的な人権侵犯にあたるのではないか。なんとか情報を増やしたい、という思いから法務局に人権侵犯の被害申告をしたわけなんです。

 現場の警察官の責任とか対応を問題にしているのではなく、組織としての対応を問題としているということを申し上げている。

 われわれは、組織の人権侵犯ではないかと訴えたのにもかかわらず、結果としては、現場の担当者の人権侵犯の是非を調査するということになりまして、最終的には『侵犯事実不存在』の決定をしました」

知りたい情報が開示されない情報公開の現状

陶久「これでは納得できないということで申立人と相談しまして、情報公開請求と個人情報の開示請求をそれぞれいたしまして、情報公開請求は不開示だったんですが、個人情報については、一部開示というもので、真っ黒に塗られたようなものが出てきました。ほとんどの部分が真っ黒に塗られた文章だったんですが、唯一開示されたのは、我々が法務局へ行って事情を説明した部分が開示をされた。

 これでは納得できないということで、それぞれ異議の申立というか審査請求をしまして、内閣府にあります個人情報保護審査会の方に諮問がされました。諮問がされたわけなんですが、結局は法務省の言い分は正しいんだということで棄却になったわけなんです」

家族の強い意志で実現した政府との面談

(…会員ページにつづく)

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