「拉致が解決したら我々幸せになれますか」「外交チャンネルを私以上に持っている政治家はいない」 ~日本外国特派員協会主催 アントニオ猪木参議院議員 記者会見 2013.8.5

記事公開日:2013.8.5取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2013年8月5日(月)15時、東京都千代田区の日本外国特派員協会(FCCJ)において、アントニオ猪木参議院議員(日本維新の会)の記者会見が開かれた。自身のテーマソング(炎のファイター~INOKI BOM-BA-YE~)が流れる中、真っ赤なネクタイを締め、真っ赤なマフラーを首から提げて会見場に「入場」した猪木議員は、恒例の「元気ですか!」を発した。記者会見では、猪木議員が約20分間スピーチし、その後、記者との質疑応答が約40分間行われた。

■ハイライト

 スピーチでは、冒頭に、「私は暴言は吐くけど、失言はしない」と述べ、失言問題の渦中にある自民党の麻生太郎副総理を遠回しに皮肉った。続いて、「職業は何かとよく聞かれる。ビンタをお願いされたら叩く。これがもし職業だとしたら、世界に一つしかない職業だ」と述べ、「『闘魂注入』で、みんな元気になる。受験生がみんな合格してしまう」と会場の笑いを誘った。

 自身の生い立ちも紹介した。14歳のときに家族とともにブラジルに移住したことについて触れ、「当時、祖父が77歳でブラジルに渡るという、『挑戦する生き様』を背中で見せてくれた」と語ったほか、プロレス番組の力道山に憧れ、『いつか、プロレスラーになりたい』と思ったのに、ブラジルへの移住によって夢が遠のいたかと思いきや、ブラジルで砲丸投げと円盤投げで優勝したことが日本でも記事になり、将来を見込んだ力道山によって、ブラジル遠征時にプロレスラーへの道にスカウトされたというエピソードを紹介した。

 自身が標榜する「スポーツ外交」については、「世紀の対戦」と呼ばれたモハメド・アリとの異種競技対戦(1976年)を挙げ、この対戦によって世界中に「アントニオ猪木」の名が知られるようになったと振り返った。そして、そのことが、議員になってから、キューバやイラク、北朝鮮など、世界各国の指導者らとの会談の実現に役立っているとし、猪木議員が提唱する「スポーツ外交」の成果を強調した。また、先日、26回目の訪問を果たした北朝鮮についても言及し、力道山が朝鮮半島北部の出身だったことから、「師匠(力道山)の望郷の念を私が届けようと、1994年に初めて北朝鮮を訪問した」と述べた。

 続いて行われた質疑応答では、「外交チャンネルを私以上に持っている政治家はいないと思う。自分自身のキャラクター、世界中に売れている名前を活かしていきたい」と抱負を述べた。

 一方、北朝鮮による日本人拉致問題については、「友好関係が崩れてしまうので、あまり関わらないようにしてきた」との基本姿勢を述べた。そして、「語弊があるかもしれないが」と前置きした上で、拉致問題に関するテレビ報道によって国民が「洗脳された」との持論を示した。また、講演の場で「拉致が解決したら、我々幸せになれますか」と話していることを披露し、「視点を変え、解決のための知恵を出す(ことが必要である)」とした。拉致被害者名簿の正確性についても疑問を呈し、「日本の中で死んでいる人もいる。そういうような拉致名簿も提出して『解決しろ』としても、これは向こう側(北朝鮮)からしたときに、『そんないい加減なこと言ってくるなよ』と(思われる)」との見解を語った。さらに、「これは二国間の問題だから、世界に回って訴える話ではない。チャンネルをしっかり作って、そこで一対一で話をするような環境、一日も早く、トップ会談ができるような環境作りを、私は一生懸命やらせてもらう」との見解を示した。

 また、「イスラム教に改宗した」との報道があることについて、記者から問われた猪木議員は、1990年の湾岸戦争時の対話のためにイラク入りし、現地のモスク(寺院)を訪ねた際に「儀式」が用意されていたことを紹介し、「モハメド・フセイン」という宗教名を持っていることを説明した。その上で、「まだまだイスラム教になりきっていない。時々酒もたしなむし、まだ奥さんは4人持っていない」とジョークを飛ばした。

 会見の最後には、特派員協会や記者を代表して、外国人司会者が、猪木議員から「闘魂注入のビンタ」を受けた。そして、「いくぞ!1、2、3、ダー!」の掛け声のあと、入場時と同じテーマソングが流れる中、会見を終えた猪木議員は、悠々と「退場」していった。

──質疑応答抜粋(拉致問題およびイスラム改宗に関する回答箇所は、全文文字起こし)

(…会員ページにつづく)

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