「2011年の福島事故直後のデモでは、怒りによって皆が動いていましたが、怒りはそう長くは続かないので、意志の力でやっていかなければ、と考えています」
首都圏反原発連合主催による「川内原発再稼働反対! 1213 反原発☆渋谷大行進」が12月13日(土)、午後2時10分より行われた。2014年最後の大規模デモとなるこのイベントでは、首都圏のみならず、全国で反原発活動を続ける市民らが一同に会することとなった。参加者らは、代々木公園けやき並木渋谷側から渋谷駅前の雑踏へ至り、再び代々木公園へ戻る道をたどった。
12月14日に投開票が行われた衆議院総選挙を前に、自民党圧勝の予想がメディアで報じられるなか、安倍政権が推進してきた原発再稼働の流れにさらなる勢いがつくことが懸念されている。参加者らは、再稼働反対のメッセージのみならず、脱原発を掲げる候補への投票をさかんに呼びかけた。
デモの行列の先頭には、ラッパーのATS(アツシ)氏が軽トラックに乗り、スピーカーのリズムにあわせて、再稼働反対、エネルギー基本計画の見直し、原発輸出反対などのメッセージを歌い上げた。さらに、歳末商戦で賑わう渋谷の通行人に向けて、飛び入りの参加をさかんに呼びかけた。
- デモコース 代々木公園 → 公園通り → 井ノ頭通り(ハンズ通り) → 文化村通り → スクランブル交差点 → 宮益坂下 → 明治通り → 表参道 → 代々木公園
- 日時 2014年12月13日(土)13:00(集合)/14:10〜(デモ)
- 集合場所 代々木公園けやき並木渋谷側(東京都渋谷区)
- 主催 首都圏反原発連合(詳細)
原発を推進する安倍政権へのアンチテーゼ
首都圏反原発連合のメンバーであるミサオ・レッドウルフ氏は、衆院選の前日にデモが行われることがもたらす影響について、こう語った。
「このデモは何ヶ月か前に予定されていたものでしたが、たまたま衆院選の投開票日の前日となりました。このデモのスローガンは、川内原発再稼働への反対となっているのですが、この時期に行うことによって、原発政策を進める安倍政権に対する意思表示にもなるのでは、と考えています。
原子力ムラは、マスコミも含め、巨大な壁となっています。前(民主党)政権の時には、2030年には原発ゼロが決まっていました。それが、安倍政権になってから、原発ゼロが撤回され、さらに、『原発を重要なベースロード電源に定める』となりました。
エネルギー基本計画の中身を改めさせる、というのが、今後続いていく原発再稼働ラッシュへの歯止めになると考え、取り組んでいきたいと思います」
「怒りではなく、意志の力で」――川内原発再稼働「同意」後も続く抗議運動