東大教授の安冨歩氏がゲストとバンドを迎えて12月8日(月)、渋谷ラストワルツにて「シンポジウム×ロックギグ」を開催した。
(IWJ・松井信篤)
※12月19日テキスト追加しました!
東大教授の安冨歩氏がゲストとバンドを迎えて12月8日(月)、渋谷ラストワルツにて「シンポジウム×ロックギグ」を開催した。
記事目次
■ハイライト
ロックバンドGOLTZの演奏で幕を開けた「シンポギグ」。安冨氏とヨーガインストラクターの千葉麗子氏の対談では、安冨氏の近著『誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠』(明石書店、2014年8月)を中心に話は進められた。
モラル・ハラスメントの構造とは、虐待者が被害者を取り込んで「お互い様だろ」と言いながら一方的に搾取していくものであり、そして、被害者はその後、搾取する側になるという。
「日本はなかったことにする国家なんです。家庭の問題もない。学校の問題もない。地域やコミュニティの問題もない。内部には何の問題もない。外部に悪いやつがいるんだ」と、なかったことにすることへエネルギーが注がれていると、安冨氏は指摘する。
また、なかったことにしている状態を見過ごさない人々を「反日」と呼ぶような現象を体現しているのが安倍内閣だと安冨氏はいう。なかったことにすることを支持する人々に支えられている結果、国債が巨大に積み上がり、里山などの自然環境を破壊する行為を生み出していると指摘し、このような状況を止めるためには、「自分の身の回りでなかったことにするのを止める」ことだと安冨氏は語る。ねずみ算式に増えていくモラル・ハラスメントの被害者が立ち止まり、加害者になるのを止めるため、その動きを広げていく必要性を説いた。
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