9月15日、全原発停止の状態で1年が経過―「全原発未使用で、この1年間電気は足りました」~再稼働反対!首相官邸前抗議 2014.9.19

記事公開日:2014.9.21取材地: テキスト動画
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(IWJ:芹沢あんず)

 川内原発の再稼働に向けて政府が前向きな姿勢を崩さないなか、9月15日(金)、すべての原発が停止した状態で1年が経過した――。

 9月10日、原子力規制委員会が、鹿児島県の九州電力川内原発1、2号機の設置変更許可を決定。これをうけ、政府は12日、小渕優子経産大臣が会見を開き「再稼働に求められる安全性が確保された」として、資源エネルギー庁の職員を現地に派遣するなど、再稼働に向けて前向きな姿勢である。その一方、川内原発の設置許可決定に対して、火山対策や非難計画の不十分さを指摘する声も多く後を絶たない。

 9月19日、毎週金曜日に恒例となっている「首都圏反原発連合」主催、首相官邸前・国会正門前での抗議行動が行われた。この日、川内原発設置許可の決定に対する批判の声や、全原発停止の状態で1年を迎えたことについて報告する声が多くあがった。

 参加者の一人である国際環境NGOグリンピースの高田久代氏は、政府のデータをもとに、日本の発電状況と供給について自身が調べた結果を報告。

 「原発は未使用でも、この1年間電気は足りた」と報告した。その理由として、「火力発電の増加はあるものの、省エネに対する取り組みが多くなり、使用電力が減少した。また、2012年7月1日から開始された『再生可能エネルギーの固定価格買取制度』により、太陽光発電利用者の急速な増加による」と説明した。

■ハイライト

  • 日時 2014年9月19日(金)18:00~20:00
  • 場所 首相官邸前/国会正門前(東京・永田町)
  • 主催 首都圏反原発連合詳細

注目は「省エネに対する取り組みの増加」

 原発を使用せずに電力が足りていたのは、火力発電の増加はあるものの、「省エネ」に対する取り組みが多くなったことに注目すべきだと高田氏は語る。

 高田氏は、経産省が提示するデータを参照し、2010年と2013年を比較した結果「2013年の方が、789億kwh発電料が少なかった」ことを指摘。これは、省エネが進み、使用電力が減少した結果であると説明した。

 さらに加えて「この発電量は、原子力発電に置き換えると、13基分の年間発電量に相当する。これは、1.7兆円の節約になった」と報告した。高田氏は「政府は、この事実を国民に伝えてほしい」と訴えた。

さらに「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」開始後、増加した太陽光発電にも注目

 また、高田氏は、自然エネルギー利用者の増加についても言及した。経産省の発表しているデータによると、2012年7月1日から開始された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、2012年の7月から2014年5月までの23ヶ月で、太陽光発電は「53万件」にのぼり、その発電量は「原発1.4基分の年間発電量に相当する」という。

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