九州電力川内原発の審査書案がとりまとめられ、政府は再稼働に向けて推進する構えをみせている。首都圏反原発連合の主催で行なわれた8月22日の首相官邸前抗議では、川内原発再稼働を阻止しようと、多くの参加者が声を上げた。
川内原発の審査書案には、1万7千通のパブリックコメントが寄せられており、「パブリックコメントを公開審査せよ」という声や、川内原発避難計画の杜撰さを訴える声が目立った。
(IWJ・薊一郎)
九州電力川内原発の審査書案がとりまとめられ、政府は再稼働に向けて推進する構えをみせている。首都圏反原発連合の主催で行なわれた8月22日の首相官邸前抗議では、川内原発再稼働を阻止しようと、多くの参加者が声を上げた。
川内原発の審査書案には、1万7千通のパブリックコメントが寄せられており、「パブリックコメントを公開審査せよ」という声や、川内原発避難計画の杜撰さを訴える声が目立った。
記事目次
■ハイライト
いわき市で化学工場を経営しているという男性は、スピーチの冒頭、「日本政府は信用できません」と語る。
福島原発事故の際、男性は工場従業員に避難を呼びかけたが、10名は避難しなかった。高齢者や子どもを抱えていたためで、情報が与えられなければ、事態を「理解できず、動けないのだ」と男性は説明した。
加えて、「信用できない人々に情報を握られている。非常に危険だ」と適切に情報を提供しない政府を批判した。
政府を信用できない例として、男性は、1999年の東海村での原子力事故を挙げた。事故による炉心溶融によって、中性子が飛散したことを政府は把握していたにも関わらず、近隣住民に対して自宅待機を指示した。「中性子は遮ることができない。政府が指示したのは、そこで死ねということ」だと政府の情報隠蔽を強く批判した。
杉並区から参加した女性は、夏休みを利用して、バスで福島市から飯舘村(いいたてむら)・浪江町(なみえまち)の請戸(うけど)を訪問した際の体験を紹介した。
訪問した請戸という土地では、いまだに内陸部に船が放置され、車は横転したまま草に覆われている。「誰も住んでいない町をつくることの罪深さ」を思ったと、女性は語った。
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