「一日も早く豊洲へ移れれば」舛添都知事が移転ありきの築地視察 未解決の課題については「わからない」 2014.9.16

記事公開日:2014.9.17取材地: テキスト動画
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(石川優/佐々木隼也)

 「一日も早い移転を」――。東京都の舛添要一知事は9月16日(火)、都知事就任後初、都知事としては石原慎太郎元都知事が訪問して以来、15年ぶりに築地市場を視察。築地市場の早期移転へ意気込みを見せた。

 早朝5時ごろに築地市場を訪れた舛添知事は、マグロの卸売場や青果物せりを見学。午前7時半前には、江東区豊洲のゆりかもめ・市場前駅に到着し、豊洲新市場予定地の工事の模様を駅のコンコースから視察した。

 IWJは視察後のぶら下がりで、築地移転をめぐり山積している課題について、舛添知事の見解を聞いた。新市場予定地の物流動線が確保されていない点や、市場の様々な設備が移転後に業界負担となることに市場関係者が懸念を示している点、東京都が「安全宣言」を出さないままに工事を進めていることなど、多くの問題点が残されたままだ。

 これに対し舛添知事は、「細かいやり取りはわからない」としたうえで、「ひとつひとつ現場の方々の意見を聞いて、必要な措置をとっていくんで良いんじゃないでしょうか」などと述べた。

■ハイライト

  • 取材箇所 生鮮マグロの下見、青果物促成売場せり見学、豊洲新市場用地説明、ぶらさがり
  • 場所 築地市場と豊洲新市場(東京都中央区)

豊洲新市場への移転「一日も早く移れれば」

 「何と言っても狭い。交通事故も中で起こってるぐらいに足の踏み場も無い」――。

 舛添知事は視察後のぶら下がり会見で冒頭、築地市場の「欠点」をあげた。そして、同市場の真夏の衛生管理の困難さを強調したうえで、次のように続けた。

 「やっぱり一日も早く、豊洲の新しい所作って、快適な環境で衛生管理もできて、やるということは必要だと思っています。仲卸の市場で営業を続けながら工事を進めるのは、ほぼ無理。(豊洲新市場の建設工事は)2年後ぐらいを目指して、頑張ってやってもらってるんで、一日も早くこちらに移れればと思ってます」。

築地市場の業界トップ怒りの声に舛添知事「ひとつひとつ現場の方々の意見を聞いて」

 築地市場の視察では、東京都水産物卸売業者協会・伊藤裕康会長が舛添知事を案内し、せりの模様や卸売場を解説してまわった。

 その伊藤会長は今年2月、市場関係者と東京都の中央卸市場担当者らで構成される協議会で、現在は都が負担している魚を活かす濾過装置や荷物を運ぶ垂直搬送機が、移転後には業界負担となることなど、豊洲新市場計画の数多くの問題点を強い口調で追及し、批判した。 

 業界トップのこうした指摘に、舛添知事はどう対応していくのか。また、豊洲新市場予定地は中心を縦横に道路が走り、市場が十字に分断され、市場内の物流動線が機能しないという問題も残っている。さらに、東京都は土壌汚染について「安全宣言」を出すことができていないにも関わらず、工事を着工している。

 IWJはこれら山積する問題点について、ぶら下がり会見で質問した。

 舛添知事は「細かいやり取りは私は伺ってませんので、どういう形になってるかは、わかりません」と語り、視察では市場関係者や都の担当者からこれらの問題点について話は出なかったことを明かした。その上で、「ひとつひとつ現場の方々の意見を聞いて、必要な措置をとっていくんで良いんじゃないでしょうか」と述べた。

 また必要な「安全宣言」については、「土壌汚染対策も10月末には終わるということなので、終われば、『終わった』ということを言うと思います。東京都の担当の者と、おそらく、市場関係者と話していると思いますので、そういう中で積み上げていって必ず解決できると思ってます」と述べ、懸念の声や問題点についてはあくまで都に任せるとの姿勢を示した。

築地移転に関する会議のオープン化については一定の理解

 現在、豊洲新市場移転に関する都主催の会議について、報道カメラは会議の冒頭頭撮りしか許されていない。国民の台所に直結する関心事にも関わらず、その議論を非公開にする都の姿勢に、多くの批判の声があがっている。

 IWJはこの問題について、議論のすべてのオープン化できないのかどうか、追加で都知事に質問した。

 舛添知事は「おそらく、オープンにしないというのは、細かい微妙な点があると思いますので、事情を調べてみます」と答えたうえで、「何らかの工夫があるかどうか、担当に指示をしておきます」と、会議のオープン化について一定理解を示した。

 IWJは引き続き東京都に対し、会議をフルオープンにするよう働きかけるつもりだ。

豊洲新市場「物流動線しっかりしている。混雑緩和、効率性、品質管理、これらが目玉」

 会見で舛添知事は、豊洲新市場への期待感を次のように語った。

 「(築地で)皆さん方も歩いていて、車に轢かれそうになったと思いますけど、ものすごい混雑してますから。それが(豊洲新市場予定地では)スムーズに物流、動線がしっかりしてるというのは、これは良い。そういうことで混雑緩和、効率性、品質管理、こういうことが目玉だ」。

 豊洲新市場予定地を手放しで褒めた舛添知事だが、前述のように施設の運用面や構造、土壌汚染問題などで、業界関係者や専門家からは厳しい批判が都にぶつけられている。そんななかで豊洲新市場を高く評価する知事の姿勢は、業界と東京都とのすれ違いを表した形と言える。

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