小泉純一郎元総理が、自身の脱原発論の根拠として薦める『新しい火の創造』(ダイヤモンド社)。その著者のエイモリー・ロビンス氏が来日し、7月18日、小泉元首相などが発起人を務める「自然エネルギー推進会議」で再生可能エネルギーについて講演した。
講演には、同じく発起人である細川護熙元総理も、小泉元総理とともに参加した。さらに、鳩山由紀夫元総理、菅直人元総理も会場に姿を見せた。
(IWJ・原佑介)
小泉純一郎元総理が、自身の脱原発論の根拠として薦める『新しい火の創造』(ダイヤモンド社)。その著者のエイモリー・ロビンス氏が来日し、7月18日、小泉元首相などが発起人を務める「自然エネルギー推進会議」で再生可能エネルギーについて講演した。
講演には、同じく発起人である細川護熙元総理も、小泉元総理とともに参加した。さらに、鳩山由紀夫元総理、菅直人元総理も会場に姿を見せた。
■ハイライト
4人の元総理から注目を浴びるロビンス氏は、物理学者であり、エネルギー分野の世界的権威としても知られるロッキーマウンテン研究所の創設者でもある。
福島第一原発事故後、ドイツはエネルギーの効率化を図り、自然エネルギー推進に舵を切ったのに対し、当の日本は輸入化石燃料を増やし、古いエネルギーシステムの保護に走ってしまった、とロビンス氏は指摘。「2010年、日本もドイツも電力需給率の30%は原発だったが、311以前のドイツの原発の出力は、2016年に再生可能エネルギーに取って代わられる」という。
「世界の市場は分散型自然エネルギーへシフトしている」というロビンス氏。ロビンス氏が例に挙げた中国では、この5年間で風力発電が倍増し、ここ2年間で原発をはるかに越える発電量を誇っているという。この1年で太陽光発電も増加したという。
「再エネが気候によって変動すると言っても、気候は予測不可能ではない」。ロビンス氏は、原発・火力に集中させることなく、コージェネ、地熱、太陽光、バイオマス、水力、風力など、さまざまな発電方法で電力を分散する必要があると訴えた。
「原発は福島以前から増えていない。世界中の原発、石炭火力の新設発注は、コスト、リスクが高いので消えている」とし、「米国では経済性がないということで、原発を閉鎖している」と実情を明かした。