「いい思いをしてきた、既得権益を持つ2000万人くらいの日本人が、鳩山・小沢に憎しみを持っている」鳩山・小沢政権が進めようとしていた革命〜岩上安身によるインタビュー第25回 ゲスト 副島隆彦氏 2010.5.2

記事公開日:2010.5.2 テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

※2015年3月17日テキストを更新しました。

 「日本は属国論しかないし、それは恥ずかしいことではない。しかし知識人が、その真実を語ろうとしないことがいけない。『日本はアメリカに負けたんだから、仕方ない理論』を言い続けたから、鳩山・小沢政権は、そろそろ部分的脱却を試みはじめた」――。

 副島隆彦氏は、2010年5月2日、岩上安身のインタビューに応え、このように語った。これについて岩上安身が、「ネットで『小沢王』と書いていた」と言うと、副島氏は、「ローマ帝国の属国が、北アメリカを含めヨーロッパとして栄え、現在に至る。それぞれの国には、皇帝と交渉するナショナリストの王様がいた(プリンキパトゥス)。だから、生き延びるために厳しい交渉もする小沢一郎は、国王だ」と主張し、「完全独立は簡単にはできない。歴史の法則で、帝国が弱まった時に分離が始まる。アメリカ帝国は、衰退し始めた」と主張した。

 また、副島氏のもうひとつの専門分野である金融の知識も披露し、「12年前だが」と断りを入れて、「アメリカに350兆円を貢ぎ、米国債8割、その他はデリバリティブ。シンガポール、香港など投資で流れた個人資産が800兆円。現在、日本の個人資産は、ネットで700兆円。そのうち、500兆円がサラリーマンの住宅ローンだ」と明かした。

 インタビューでは、この他にも、鳩山由紀夫首相(当時)の普天間基地移転問題、米軍の本音と思いやり予算、国防論と日本の核保有、日米同盟と2プラス2合意、アメリカと中国の関係とG2論、日本のデモクラシーと小沢一郎、沖縄独立論と竹島、読売と朝日、日経と毎日合併と世界経済、オバマ大統領擁立の背景、田中角栄失脚の裏側、記者クラブ批判とネットへの期待など、アメリカ支配のからくりと陰謀について、話題は多岐におよんだ。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2010年5月2日(日)

鳩山首相の普天間基地移転

 冒頭、岩上安身は、「鳩山首相は、普天間米軍基地移転で、1000名を徳之島に、残りは辺野古桟橋くい打ち案を言い出した(2010年4月28日)。仲井真沖縄県知事(当時)に会うらしいが、沖縄での反発が激しく、ステークホルダーまで含めた反対集会に発展、暗雲が立ちこめている。また、鳩山首相以外の、平野官房長官、岡田外相、前原国交相、北沢防衛相の4閣僚は、辺野古修正案に傾いている」と水を向けた。

 副島氏は、「首相は5月末までに妥結すると信じる。外国に軍隊が駐留することはあってはならない」と沖縄の米軍基地のあり方を批判した。

 普天間基地の海兵隊員1万8000人は、額賀元防衛大臣の発言が根拠だと、岩上安身が注釈を入れると、副島氏は「グアム島のアンダーセン基地に4000人移り、そこの発電設備の2兆円近い費用は日本が負担。トランスフォーメーション(米軍再編)で、オバマ大統領は、ポスト・パトリオット・ポリシー(愛国心以降の軍事戦略)という撤退を進める。しかし、日本の政治家はそれを理解していない」という。

 岩上安身が「全米軍の海外駐留経費の半分は、日本の負担。ドイツの3倍、NATO軍の1.6倍をアメリカに払う。普天間基地移設から始まって、マスコミ全体に言論統制がかかっているように、『防衛コストはかかる、日米同盟そのままでいこうよ』と足並みを揃えている」と嘆くと、副島氏は「少しずつ崩れてきているが、まだまだ体制派ばかりだ」と応じた。

米軍の本音と思いやり予算

 副島氏は、「情報は、ワシントンの友人から仕入れている」とし、米軍の本音を語った。

 「2014年、グアム・テニアンへの米軍撤退は既成の事実。なぜ、ごねるかというと、お金をふんだくりたいから。鳩山首相は、裏で移転を3~5兆円でまとめ、亀井静香金融相がその采配を任され、厳しい交渉を重ねている。また、密かに中国の米国債を日本に買わせている」

 岩上安身は、「日本、韓国、タイ、フィリピン、オーストラリアの5ヵ国が、アメリカ同盟国で合同演習をやる。しかし、日本は、アメリカ以外を沖縄に入れたくない。それは、多国籍で動きたい米軍にとって不都合になってきている。かたや、沖縄はリゾートとして、ローテーション基地でとっておきたい。アメリカも財政難になり、日本に肩代わりをさせたい。しかし、国民が騒ぎ立てれば、アメリカはあっさり撤退する。フィリピンも土地代2000億円を騒ぎ立てた結果、アメリカは撤退した」と応じた。

 副島氏は、とにかく金融核爆弾(リーマンショック)が爆発してしまったと言い、「アメリカの国力は、もはや空軍と宇宙軍事力と、ITくらいしか残っていない。思いやり予算は8000億円。地主代が3000億円で、残りを陸・空・海・海兵隊4軍に払う。間接支援も含めると全体で3兆円くらいになるはずが、一切表に出てこない。鳩山首相は、それを言うべきだ」と訴えた。

国防論と日本の核保有

 岩上安身が話題を変え、「岡田外務大臣の業績は、核の密約暴露だ。日本はいつまでも隠そうとする」と述べて、元毎日新聞記者の西山太吉氏の密約暴露事件にふれた。

 副島氏は、日本はサウジアラビアと同じ「王国」で、外側は立憲君主国、中はデモクラシーだと言う。「共和制は、王制を打倒した国家のこと。そして小沢一郎が、「ノーマル・カントリーを正常な国という意味で使ったが、マスコミは『普通の国』と訳し、本意を隠す。つまり、安全保障を自力でやれる国にするというのが、普通の国の意味だ」と述べた。(公開書簡『今こそ国際安全保障の原則確立を』小沢一郎(民主党代表・当時)雑誌『世界』2007年11月号岩波書店)

 さらに、副島氏は「日本は自衛をアメリカに任せる国で、自分の国は自分で守れと、保守派はひと言も言わない」と指摘し、「北朝鮮は危なくて、中国は汚い、3つ目に日教組、とお題目を唱えるのが、日本の経営者や資産家だ」と揶揄した。

 戦争について話がおよぶと、副島氏は「軍事は人間がすべて。戦時下で、自衛隊員を家に泊めてあげることができれば、それですむ」と語り、日本・米国それぞれの目論見を次のように語った。

 「自民党、三菱重工、東電と自衛隊の中に悪い奴らがいて、『部品はいろいろ分解して隠し持っている。核保有は2ヵ月でできる』と政府に言う。ポラリス型潜水艦が2隻、岩手県三陸の地中と、高知県のミサイル基地計画がある。

 さらに、アメリカはそれを知っていて、広瀬隆氏に原発情報を流していた。その最高責任者はセリッグ・ハリソン氏。表の顔はジャーナリストで、隠れCIA高官だ。未来予測として、10年以内にイランとイスラエルが核兵器を1発ずつ打ち合う」

 しかし、副島氏は「北朝鮮、中国を恐れることはない。攻めて来たら守ればいい。アメリカからも、部分的に独立する。それでなければ、あまりにも日本の若者が貧しくなっていることを、わからせればいい」と述べ、「アメリカと本気で交渉しなければならない。日本は洗脳されている」と忠告した。

日米同盟と2プラス2合意

 岩上安身は、「つまり、国民の意識を総括すると、戦後から今までは良かった、に尽きる」と言い、「復興支援、市場開放、冷戦体制からの防衛。その後、80年代の経済繁栄があって、アメリカはダンスのリードパートナーで良いじゃないか、という考えだった。ところが、橋本首相の日米同盟や2プラス2合意(日米安全保障協議委員会)で、日米安保とはかけ離れて、出動範囲が全世界におよび、『アメリカと一緒にやれ』と、どんどん進んでいる」と述べた。

 続けて、「岡田外相の日米同盟の解釈で『海兵隊は抑止力』と言うが、尖閣問題での、アメリカの対応はどうか。麻生元首相の時は、モンデール副大統領は『それには関与しない』と明言した。日本における島嶼防衛は第一義的に日本がやること、と2プラス2でも合意している。しかし、日本政府は、アメリカが来て守ってくれる、と根本的なウソを言う」と断じた。

 副島氏は、アメリカは(共和党と民主党)2つに割れている。モンデール副大統領は民主党の労働組合出身で、対日政策は撤退派。その背後にいる民主党の国務官僚は、悪いことをしない。彼らがオバマ政権を作り、鳩山氏に政権を取らせて支援していた。共和党は現実主義者で、『われわれを大事にしないと(国土を)中国に取られるぞ』と脅かしてきた集団。そして、アメリカのジャパンハンドラーズのお互いの汚い勢力が協力してきた。戦争公務員の軍人たちは、戦争はなるべくしないで、お金をもらいたいだけだ」という。

 そして、「2プラス2合意は、海兵隊員の退職金2000万円くらいを、日本に出させたいというのが、本心だ。保守政治家たちも外務官僚も、絶対にお金のことは言わない。お金の使い方を采配するのが政治だ。それが、国防と日米同盟になると、いきなり、きれいごとの幻想を話し始める。自分たちは、とたんに『左翼』になってしまう」と笑う。

アメリカと中国の関係とG2論

 岩上安身は、マイケル・グリーン氏と孫崎享氏らとの、NHKの討論番組について語った。「番組中、マイケル・グリーン氏は親中国論を書きながら、二枚舌を平気で使っていた」と語ると、副島氏は「アメリカが退いていく時、日本は中国に託されてしまう」とコメント。岩上安身は、「岡田外相は『自主独立をする時になったらGDPの2~3%が軍事費になる。今、議論する必要はない』と言うが、なぜ、議論もできないのか。それほど予算がかかるとは思えない」と述べた。

 副島氏は「中国の台頭は、あと5年」と見立て、「アメリカと日本の主流派は、あと20年」と予想。「現在、台湾政権は中国人。100万人以上の経営者は中国で商売をし、シーレーン抗争も、もうなくなった。台湾と中国は分裂しない」と主張した。

 そして、「オバマ政権成立の直前に、ズビグネフ・ブレジンスキー元大統領補佐官とヘンリー・キッシンジャー元国務長官が中国に行って、G2論(中国とアメリカによる世界の管理・支配)を申し入れた。日本が間に挟まれ、絞め殺されそうになっている。世界をワシントンから見ると、日本ごときで、世界は動かない。だから、日本は自国だけを守っていればいい」と諭す。

日本のデモクラシーと小沢一郎

 副島氏は「いい思いをしてきた、既得権益を持っている2000万人くらいの日本人が、鳩山・小沢にとても憎しみを持っている」と語り、「官僚の権力を叩き潰す。イギリスと同じように、事務次官、局長級は政治家に任せる。大きな金額は政治家が動かし、小さな金額を事務官に任せる。アメリカはデモクラシーという精神を、日本に教えなかった。政権交代があって初めてデモクラシーで、それがまさに、小沢一郎氏の言った『国民の生活が第一』になる。鳩山・小沢は革命を進めようとしている。現実感のある部分的独立もできる」と期待を寄せた。

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