ヨーガインストラクターの千葉麗子氏とジャーナリストの烏賀陽弘道氏によるトークイベント「言論ギグ」の第2回が、5月23日(金)、『原発広告』『電通と原発報道』などの著書がある本間龍氏を迎え、東京・六本木のイベントスペース「バニラムード」で行われた。
(IWJ・松井信篤)
ヨーガインストラクターの千葉麗子氏とジャーナリストの烏賀陽弘道氏によるトークイベント「言論ギグ」の第2回が、5月23日(金)、『原発広告』『電通と原発報道』などの著書がある本間龍氏を迎え、東京・六本木のイベントスペース「バニラムード」で行われた。
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■ハイライト
福島に何度も取材で訪れている烏賀陽氏は、冒頭、「福島では除染で表面の土をあらゆる所から剥いでいる。事故後3年で、(放射性物質が)土の中に30~60cm程の深さに浸透している」と語った。
その土は、本来ならば放射性廃棄物として隔離・貯蔵されなければいけないにも関わらず、現状では、「フレコンバッグ」と呼ばれる袋状の包材に入れられ、あちこちにピラミッド状に積み上げられたままになっている。このフレコンバッグは、3段以上積み重ねると、上の重みで下の袋は破れてしまうのだが、福島県内では、それを上回る4、5段も積み重ねているという。
また、津波で破壊されたままである富岡町は、海が運んできた泥にまみれて死臭が漂っている状況であるという。これについて、「復旧されないのは放射能で汚染されているからで、福島の本当の悲劇はこういった2重、3重の被害である」と烏賀陽氏は述べた。しかし、こういった事は時が経つにつれて大手メディアでは取り上げられにくくなっており、烏賀陽氏は、「追及をしたいとか誰かを批判したいわけではない。ただ、本当のことを知りたい。本当のことを知って自分の頭で考えて判断を下したい」と述べた。
その後、本間龍氏を迎え、元アイドル、元大手メディア記者、そして元広告代理店社員という興味深い顔合わせで、「原発事故と広告代理店」をテーマにトークが行われた。
本間氏は、原発広告は40年間で通算すると最低で2兆4千億円(朝日新聞調べ)にのぼるとした上で「それは皆さんから集めた電気代を誰の許可も取らずに流しているんです。湯水のように使って多くの国民をマインドコントロールしてきた」と語った。そして、広告代理店は、原発に不都合な情報を伝える懸念のある者や、彼らが統制できない人たちは困るとして、クライアントが正式に抗議するまでもなく、先取りして自主規制に奔走するという。
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