福祉国家とは何か――安冨歩氏と平智之氏の語る福祉の重要性 2014.5.13

記事公開日:2014.5.13取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

 福祉はどのように行われるべきか。5月13日、東京大学教授の安冨歩氏と元衆議院議員の平智之氏が開催する政治経済教室で議論が行われた。

 衆議院議員だった石井紘基氏は、著作の中で、「所得税、法人税、固定資産税、相続税を大幅減税し、ひとりひとりの可処分所得を増やして福祉を徹底的に充実させるべき」と主張していた。だが、現在は逆のことが行われており、福祉を蔑ろにする新自由主義的政策が進められている。

■ハイライト

  • 日時 2014年5月13日(火)19:00~
  • 場所 平智之事務所(東京都渋谷区)

アベノミクスでどうなるのか

 現在の日本の一般会計と特別会計の合計は約200兆円で、社会福祉に約100兆円が使われている。その社会福祉約100兆円のうち、50兆円は年金だ。残りの100兆円は福祉以外の特殊法人に使われているということになる。平氏は、「成長戦略とは、私たちの生活が成長することでなければならない」と述べ、大胆な構造改革が必要だと主張する。

 経済は、「官経済」と「民経済」で成り立っているという。安冨氏は、アベノミクスで行われていることは、「官経済」を成長させて市場規模を縮小させようとしていることだと述べた。また、一般の大企業の利益は公共事業から生み出されていると言い、武器輸出がその典型例になっているという。

 平氏は、日本の株式市場について、「完全に外資の買越し依存になっている。アベノミクスは株価が落ちたら終わりだ」と述べる。だが、株価は指標にしかすぎず、「自由をどう設計するか」が根本的な問題だと主張する。

生活保護は「施し」なのか

 安冨氏は「福祉は人間の勇気を奮い起こさせるために必要なものであり、そのようなものとして設計しなければいけない」と語った。そして、スウェーデンの経済学者が提唱したレーン=メイドナー・モデルを取り上げた。これは、自由経済を実現するために福祉を充実させるモデルであり、連帯的賃金政策による同一労働同一賃金を実現した経済政策である。安冨氏はこのシステムにも問題はあるとはしながらも、「70年ほど続けてきて、ヨーロッパ最貧国からヨーロッパ最富裕国になった」と評価した。 

 平氏は、日本の現状について、「”ゆりかごから墓場まで”官統制に感染した」と表現し、競争や自助が前提となっており、生活保護を受けるということは「権利」ではなく「施し」になっていると指摘した。(IWJ・松井信篤)

不安を煽る福祉の縮小

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